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リフォーム予算と費用の賢い決め方(2)

床下湿気対策のおおまかな費用を知ろう(1/2ページ)

森田祥範森田祥範

2016/01/30

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見えない床下を悪徳リフォーム業者が狙う

一戸建て住宅の床下は、もともと湿気がこもりやすいところ。そのため、コンクリートの基礎部分に換気口がついているお宅も多いと思います。

しかし、たとえ換気口がついていても、床下がいまどんな状態になっているか、私たち素人にはわかりません。そこに、悪徳リフォーム業者のつけいる隙もあるわけですね。

数年前には、高齢者世帯を狙ったリフォーム詐欺が大きな話題になりました。彼らは「無料で床下点検させてください」などと言葉巧みに持ちかけ、ちょっと見ただけで「床下が腐食している」「シロアリが発生している」などと住んでいる人の不安をあおり、施工する必要のない高額なリフォーム契約を結ばせていたのです。

床下に湿気防止シートを設置して20万〜30万円

とはいえ、床下の湿気対策がすべて不必要というわけではありません。以前沼沢地だったなど、お住まいの地域によっては、湿気対策したほうが住宅が長持ちする場合も当然出てきます。また、建設業者の施工ミスで、犬走り(家の周囲のコンクリの部分)が換気口の一部をふさいでいたり、雨の吹き込む場所に換気口が取りつけられている場合には、雨水が床下に入り込みやすいので、湿気対策が必要になってきます。

そういった床下の湿気対策で実際によく使われるのが、床下の地面に湿気防止シートを敷き、上から乾いた砂を撒いて固定する方法です。近くに川や湖沼があるなど、もともと湿気の多い地域の場合、湿気防止シートを敷いた上からコンクリートを打つほうがより有効です。

こうした作業は床をはずさないと行なえないため、1階床の張り替え工事と同じタイミングで行なうのがオススメです。

おおまかな費用は、1階の床面積が50平方メートル程度の場合、湿気防止シート+砂で約20万円、湿気防止シート+コンクリート打設で約30万円(この場合は建物の立地や道路状況によってコンクリート打設手間の費用が大きく変わるので注意が必要です)。

この金額と大きくかけ離れている場合は、ほかの業者からも見積りを取ったほうが安全です。なかには湿気防止シートを使わず、床下調湿材を地面に置くだけですませる業者もいますが、調湿材だけでは効果が薄く、逆にカビを発生させるおそれもあるため、注意が必要です。

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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