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失敗しないリフォームプランの立て方(5/6)

同居ストレスのない二世帯住宅のポイント

森田祥範

2016/01/25

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二世帯住宅の3つのタイプ

 まず、二世帯住宅の3つのタイプについてご紹介しましょう。

 二世帯住宅は、その生活空間の分け方によって「独立型」「共用型」「融合型」の3タイプに分類されるのが一般的です。

 独立型は、1階を親世帯、2階を子世帯に振り分けるなど、生活空間を二世帯で完全に分離するタイプ。玄関も別々です。そのためこのタイプの二世帯住宅には玄関がふたつ、キッチンがふたつ、浴室がふたつ必要になります。

 その気になれば、一日中互いに顔を合わせることなく生活することが可能で、プライバシーの確保に優れています。ただし、1階と2階で生活時間帯が違うと、騒音や振動などの問題が発生する可能性があります。

 共用型は、食事の空間をそれぞれ別個に設けながら、玄関や浴室を共用することで省スペースを実現するタイプ。このタイプでは玄関はひとつ、キッチンはふたつ、浴室はひとつ(またはふたつ)になります。家のなかに共用部分と独立部分を共存させることになりますから、それらをどのように分けるかで、その後の暮らしやすさが違ってきます。

 融合型は、二世帯で食事の空間を共有しながら、親世帯と子世帯のリビングを別個に設けるなど、プライバシーもそれなりに尊重したタイプ。家事や育児を親子で協力しやすい形で、親と娘夫婦の同居によく見られる形です(ちなみに、親と息子夫婦の同居の場合は、独立型や共用型が多くなります)。玄関はひとつ、キッチンはひとつ(別にサブキッチンひとつ)、浴室はひとつ。共用部分が多くなるので、個々人がゆったり安らげる空間をつくれるかどうかが、暮らしやすさのカギになります。

二世帯住宅のメリット

 二世帯住宅は、親子が別個に暮らすのに比べ、経済面で3つのメリットがあるといわれています。

(1)住宅の建設コストが低く抑えられること。
 二世帯住宅では、親世帯の土地に子世帯が住宅ローンを組んで建てるケースが多いのですが、子世帯は土地代の負担がなくなり、親世帯も少ない資金でバリアフリー対応の家が新築できるため、双方にメリットが生まれます。

(2)光熱費を削減できること。
 二世帯住宅は一般的に「独立型」「共用型」「融合型」に分類できますが(詳細は後述します)、あるデータによれば、どの型であっても二世帯が別個に暮らすより20〜30パーセント光熱費を削減できるとか。つまり、一緒に暮らすことがエコにつながるのです。

(3)相続税対策になること。
 2015年1月から相続税制が改正され、相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられ、逆に最高税率は引き上げられました。親から土地・建物を相続する人はそれだけ税負担が大きくなったといえます。ところが、二世帯住宅にしていた場合は特例として、土地の相続税評価額が80パーセントも減額に。つまりそれだけ、相続税の負担が軽くなるのです。

同居ストレスを減らすために

 二世帯住宅には、上記のような経済的メリットに加え、子どもの世話を親世帯にお願いできる、何かあったときに安心など、精神面でのプラス効果もあります。

 その一方で、お嫁さんorお婿さんにとっては、他人の親と同居することになるのも事実。そもそも生活リズムが異なる二世帯が一緒に暮らすわけですから、お互いにストレスを感じるだろうことも容易に想像できます。

 では、ストレスをできるだけ少なくする二世帯住宅は、どのように建てればいいのでしょうか。それはもう、プランニングの際、お互いの意見を徹底的に集約することに尽きます。ポイントは、親世帯・子世帯の4人でリフォーム業者と話す場を設けると同時に、親世帯、子世帯が別個で業者と打ち合わせする機会を設けること。

 親世帯にすれば、お嫁さんやお婿さんの前では言いづらいことがかならずあります。子世帯にしても、親の前では言いにくいことがあるでしょう。そこで、それぞれ別個に業者との打ち合わせを行ない、言いにくい意見や主張は、「業者からの提案」という形で進めてもらうのです。

 親世帯(子世帯)に言いにくい要望としてよく聞かれるのは、次のような声です。
「寝室に鍵をつけたい」「水回りを別にしたのだから、水道メーターも別にしたい」「いつでも気兼ねなくエアコンを使えるよう、電気メーターは別にしたい」「ポストを別にしたい」「メインのキッチン以外に、簡単な煮炊きができるミニキッチンがほしい」「2階の床に防音マットを敷いてほしい」などなど。

 さて、あなたのゆずれない要望とはなんでしょうか。これから二世帯住宅を考えようという人は、ご夫婦でじっくり話し合ってみてください。ここのところをあいまいなまま計画を進めると「こんなはずではなかった」とお互いに後悔することにもなりかねません。

 そういったことを防ぐためにも、週末のみの同居や、お盆やお正月、連休などを利用したお試し同居を試してみればどうでしょうか。意外と新たな発見や、いいアイデアが出てくるかもしれませんね。おすすめです。

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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