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総返済額が少ないのはどちら?

「元利均等返済」と「元金均等返済」の違いは?

牧野寿和牧野寿和

2016/01/04

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元利均等返済は毎回、同じ金額を返していく

 住宅ローンの返済方法には大きく分けると、「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。一言でいうと、元利均等返済は「毎月一定額を返済するよう調整された返済方法」で、元金均等返済は「毎回の返済時点での借入残高から利息の額を計算して、返済する元金に利息を加算する返済方法」です。

 これだけではわかりづらいので、それぞれの返済方法についてもっと詳しくみていきましょう。

 まず、元利均等返済について。これは先にも述べたとおり、毎回返済する「“元金と利息の合計額(=毎回の返済額)”が均等になる返済方法」です。毎回の返済額が同じ金額になるように、元金と利息の割合を調整しているので、毎月同じ金額を返済すればよく、現在もっとも主流な方法として、多くの人々に利用されています。

元利均等返済のデメリットとは?

 ただ、借入残高から利息分の額を割り出す元金均等返済と違って、借主側からは毎回の返済額の内訳(元利均等返済では元金と利息分の割合が毎回変わります)が把握しづらいというデメリットがあります。また、最初の返済額が元金均等返済より低いので、あまり深く考えずに気軽に借りてしまい、なかには返済が滞ってしまう人もいます。

 元利均等返済は、元金均等返済よりも借入金残高の減りが遅く、総返済額は多くなってしまいます。しかし、毎回支払う返済額が一定になるため計画的な支払いがしやすく、生活設計をしやすいというメリットがあります。

元金均等返済は返済当初の負担が大きいが総返済額は少ない

 次に、元金均等返済についてです。こちらは、毎回の返済額のうち元金の部分を均一にして、その時点での借入金残高から算出された利息をそこへ加算し、合計した金額を返済するという方法です。「元金を支払い月で均等に分けて返済」していくので元金均等返済と呼ばれています。

 元金均等返済は利息が残高から計算できるので、自分でも簡単に毎回の返済額を知ることができます。残高が減っていくにつれて、利息も小さくなり、毎回の返済額も少なくなっていきますから、生活にも余裕が出てくるでしょう。

 返済開始当初は残高が多いため、利息部分が多くなり、返済金額も高額になります。収入の低い人は利用しにくいというデメリットがあります。しかし、借入金残高の減りが元利均等返済よりも早く、総返済額も少なくできます。

民間住宅ローンは元利均等返済が基本なので確認を

 もし、同じ返済期間で返すとしたら、元金均等返済のほうが有利だといえます。そのぶん審査の収入基準も高めに設定されてはいますが、借入時点での返済能力が高い人にはこちらがおすすめです。

 モデルルームや金融機関へ行ったときにしてもらえる試算は、ほとんどの場合、元利均等返済で行なわれています。元利均等返済はどの住宅ローンでも選べますが、元金均等返済は扱っていない金融機関も多いです。特に民間住宅ローンの場合はほとんど、元利均等返済が基本になっていますので、先に確認しておくとよいでしょう。

 別の項目では、元利均等返済と元金均等返済を事例も交えて比較して、どちらが有利なのかを考えていきますので、そちらも参考にしてください。

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この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

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