ヤマアラシってどんな生き物？ 日本で飼育できるの？

去年の夏、ペットのヤマアラシが逃げたというニュースがありましたね！ ヤマアラシといえば鋭いトゲを持っていて、危険なイメージ・・・そもそもペットとして飼育していいのでしょうか！？

目次▼

❶ヤマアラシはペットとして飼育できるの？
❷ヤマアラシってどんな生き物？二つのヤマアラシ
❸ハリネズミとの違い　ヤマアラシが食べるもの

❶ヤマアラシはペットとして飼育できるの？

＜ヤマアラシは飼育できるの？＞
ヤマアラシの飼育は禁止されていません。特別な申請や許可がなくてもペットとして飼育できる動物なんです。ただし、ペットとして飼育する人は少ないため、飼育前には情報収集や飼育環境を整えることは必須です！

＜ヤマアラシを飼育するリスク＞
ヤマアラシが体調不良になったとき、ヤマアラシを診察できる専門の獣医さんなどを探しておかなくてはいけません・・・。さらにヤマアラシを預けられるペットホテルを見つけるのも難しいので、やむを得なく飼い主が家を空ける・入院する場合は、ペットを預けて世話をしてくれる人をあらかじめ見つけておいた方がいいでしょう。ただし、ヤマアラシは警戒心が強く気性が荒いので、日頃からお世話をしている人の方がいいかもしれません。またヤマアラシの歯はとても頑丈で、薄い金属は噛み切ってしまうこともあります。飼育するフェンスは噛み切られないような頑丈なものにする必要があります。

❷ヤマアラシってどんな生き物？　二つのヤマアラシ

ヤマアラシという名前がつく生き物は二種類います。「ヤマアラシ（旧世界ヤマアラシ）」と「アメリカヤマアラシ（新世界ヤマアラシ）」。彼らは見た目が似ている上に、げっ歯類ですが、別々に進化した関係のない生き物なんです。昔は同じ動物だと思われていたことから、ヤマアラシと名付けられたそうです。

1.ヤマアラシ（旧世界ヤマアラシ）の特徴

• 巣穴で生活している（生息地：ユーラシア大陸、アフリカ大陸、一部のヨーロッパ大陸）
• 体全体にトゲのような毛を持つ
• 夜行性
• 草食動物
  
  

＜ヤマアラシの性格とトゲ＞

• 警戒心が強くて気性が荒い
• 毛を逆立ててお尻から突進してくる
• 対象物にトゲを刺すと、トゲは抜ける
• 一度刺さるとトゲが抜けづらく、肉食動物にも致命的な傷を与える
  
  

＜ヤマアラシの体格は＞
例えば、インドたてがみヤマアラシは、体長60〜90センチ。体重10~25キロ。長いトゲは、最大30センチにもなります。

2.アメリカヤマアラシ（新世界ヤマアラシ）の特徴

• 木の上で生活する（生息地は南北アメリカ大陸）※地上でも活動する
• 夜行性
• 草食動物
• 木登りに役立つ上部な爪がある
• 長い尾を木の枝などに巻きつける種（オマキヤマアラシやキノボリヤマアラシ）
• トゲは長く丈夫で柔らかい毛と混合して生える
  
  

❸ハリネズミとの違い　ヤマアラシが食べるもの

長く鋭い針がある点では、ハリネズミと似ているヤマアラシ。しかしその特性は、似ても似つきません。

＜ハリネズミとヤマアラシの食事＞
体の小さなハリネズミは、食事は意外とガッツリ系。体の大きなヤマアラシの食事は、とてもヘルシーなんです。たとえばハリネズミは、果物や木の実も食べますが、他にも昆虫やカエル、鳥や小さな哺乳類なども食べてしまいます。ヤマアラシはヘルシーです。主食は、草や木の根や樹皮、りんごやバナナなどの果実です。さつまいもやキャベツ、人参などの野菜も食べます。固い木の枝を与えると、歯でかじって粉々にするそうです。

＜ハリネズミとヤマアラシの針＞
ハリネズミは身を守るために針をたてますが、ヤマアラシは相手を攻撃するために針をたてます。ハリネズミの針は突き刺しても抜けません。ヤマアラシは相手に針を突き刺すと、そのまま抜けます。ヤマアラシは威嚇しても逃げない相手には、後ろ向きに突進して体当たりして、針を突き刺すのです。針はとても硬くてゴム長靴程度なら貫く強度があります。

＜あとがき＞
いかがでしたか。体の大きいヤマアラシをペットとして飼育するには、なかなか難しそうですね〜。動物園に行くとヤマアラシをみることができるので、まずは実際に見てみるのがいいかもしれません！

（絵・文／ながれだあかね）


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