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シェア生活をもっと楽しむコツ(1)

社会人がシェアハウスで暮らす理由とは?意外と自由な共同生活

内野匡裕内野匡裕

2016/03/28

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住むきっかけは人それぞれ

家族や恋人ではない人たちとひとつ屋根の下で暮らす「シェアハウス」。まだまだこれから普及していく余地の大きいライフスタイルといえます。

シェアハウスは特別なものではなく、海外では、ひとりで部屋を借りるよりシェア住居のほうが一般的なスタイルになっている国もあります。実際に海外留学やワーキングホリデーを経て人と暮らす心地よさを知って、そのまま日本でもシェアハウスに住むことを選ぶ人もいるほどです。

利便性という面から考えても、海外から帰ってきた場合や、地方から出てきた場合には、ひとり暮らしに必要な家具や家電をそろえる必要もないので住みたいところに移るワンステップとしてはちょうどいいといえるでしょう。

また、2011年の東関東大震災以降に「家族の大切さを改めて感じた」「結婚を考えるようになった」という人が増えたように、ひとりでいることの心細さから人と一緒に住むことを考えるようになった人も多いようです。

ほかには、同じ目標を持って「起業する」「趣味を極める」などのコンセプト型物件や、設備の整った物件が増えたこともシェアハウス人気の一因といえます。フリーランスで仕事をしている場合や、人と関わる機会がない仕事をしているなど他人との交流を求めて引越しを決める人もいます。

シェアハウスには価格重視の物件からコンセプト重視の物件までさまざまな種類がありますが、やはり最後の一押しとなるのは「そのシェアハウスが気に入ったかどうか」です。シェアハウスで開催されているパーティや内見を通してシェア生活を覗いてみることもできるので、興味を持っているなら足を運んでみましょう。

他人と暮らすことで成長できる

ひとり暮らしだと、何時に帰っても何をしても自由です。それが心地よいときもありますが、片づけや掃除をさぼってしまったり、休日何もせずにずっと部屋着で過ごしてしまったりと自堕落な生活になってしまうこともありますよね。

シェアハウスでは、一歩個室から出れば、そこは共有スペースなので、常に他人と顔を合わせる可能性があります。外で人と会うよりハードルは低くても、他人と一緒にいることでほどよい緊張感が生まれるので生活にメリハリが生まれることが多いです。

たとえば、小さなことですが「ゴミをちゃんと分別する」「だらしのない格好をすることが少なくなる」など、メリハリと緊張感のある生活を送ることで、気持ちが前向きになるということもあるようです。

違う分野の仕事をしている人や、育った環境が異なる人の話を聞くことでお互いの人生経験をシェアすることもできます。相談ごとで「なるほど」と思えるような客観的視点のアドバイスをもらえることもあるので、人生の一時期をシェアハウスで過ごすことで成長できることもあるでしょう。

有名な漫画家をたくさん生み出した「トキワ荘」のように、同じ目標を持つ仲間で集まって切磋琢磨できるのも、ひとつ屋根の下に暮らしているからかもしれません。シェアハウスに住んでいると、人とコミュニケーションをとることが必然的に増えるので、向上心の高い人は特定の目標を持つ人が集まるコンセプト型物件に住んで、仕事や趣味を極めてみるのもおすすめです。

オンとオフがほどよく混ざる生活

シェアハウスに住むことによって「他人に気を遣いすぎず、かつ気を配れることができるようになった」という意見もあります。社会人だと、仕事のときはオン・プライベートのときはオフと生活がふたつに分けられてしまいがちですが、シェアハウスでは同居人の存在によってオンとオフがほどよくミックスされるため「自律した生活」を送れることが多いようです。

家族と違って、シェアメイトはあくまで他人です。だからこそ簡単に喧嘩せず、お互いうまくやっていく努力が求められます。生活を送る場を他人と共にするからこそ、自分の意見をうまく伝える力や、細かいことにこだわらず、違う価値観を許容する度量の大きさが手に入ることが多いといえます。実際に「シェアハウスでの生活が、後の結婚生活にも役に立った」という声も聞かれます。

みんなが一緒に生活していても同じ行動をするわけではなく、最終的に判断するのは自分次第というのがシェアハウスの面白いところです。男女共同で住んでいるところなら「異性から見てどう思うか」なんて意見交換をすることもあるそうですよ。

一緒にいるからこそ、人と長くつきあうために必要な、ほどよい距離の取り方が自然と身につくシェアハウス。シェアライフを上手に楽しめるようになることは、精神的に大人になることにも通じるのかもしれません。

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この記事を書いた人

株式会社彩ファクトリー 代表取締役

10年前に国際交流経験を求めてシェアハウスに入居。自分自身が体感した「人との交流から得られる気づき、学び、視野の広がり、共に体験し、感動できる喜び」を、社会に受け入れられやすい形にリメイクして届けたいと、シェアハウスの事業化を決意する。 以来、勉強のために10物件に住み、200物件以上を見学、シェアハウス運営会社を副社長として設立し、デザイナーズシェアハウス4件を運営。その後、独立して株式会社彩ファクトリーを設立。 ひとり暮らしでは得られない「体験」の得られる環境にこだわり、コンセプトシェアハウスを17件プロデュース。全330室を運営。 起業家が切磋琢磨を楽しむ「起業家シェアハウス」は、起業家同士が日常的に相談し合い、刺激を与え合い、目標の実現を加速することを目指して運営。共用のセミナールームにてさまざまなビジネスイベントを開催している。これまで4年間運営し、上場企業の創業者や年商50億円規模の経営者も入居している。 また、「英語漬けシェアハウス」では、外国人が20パーセント以上となるように調整し、共用ラウンジでは英語で話すことをルール化、シェアハウス内で週2回の英会話レッスンを開催する。また、毎月国際交流パーティーを開催し、外国人との国際交流を日常化している。 その他、シングルマザーシェアハウス、東大合格シェアハウスなど、多くのコンセプトシェアハウスをプロデュースする。 彩ファクトリー http://irodorifactory.com

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