苦手なシェアメイトがいる場合、どうしたらいい?
内野匡裕
2016/03/17
設備を使いたい時間が重なる
共有スペース、共有施設は、みんなが好きな時間に使えるだけに、使いたい時間が人と重なってしまうこともあります。リビングやダイニング、キッチンの場合、ある程度の広さがあれば複数で同時に使うこともできますが、問題なのはお風呂やトイレ、洗濯機の使用時間です。
住む人数に合わせて複数のお風呂やトイレが設置されていても、毎日のことなのでほかの誰かと時間が重なってしまうこともあります。特に急いでいる朝、シャワーを浴びようと思ったときに、ほかの人に入られてしまうと、出掛ける準備の計算が狂ってイライラしてしまう…なんてことも。
ひとり暮らしであれば、のんびり朝に半身浴してから出掛けることもできますが、シェアハウスではお風呂を長時間独り占めするのは避けましょう。
大人数で住んでいるところはホワイトボードで予約制にしたり、順番待ちにしたりしているところもあるようです。女性が多い場合は特に、空いている時間を見計らう、お風呂はなるべく夜にすませておくなどしたほうが朝、焦らずにすむかもしれません。
洗濯機や物干し場も、使う時間帯が重なりやすいものです。特にシーツなどを洗って干したい場合は、ほかの人との調整をどうつけるかが難しい問題になります。そこで、自分の個室内でシーツなどの大物を広げて干せないか工夫したり、部屋干し用のラックを導入したりしてみましょう。使いたいときに使えないというストレスも解消できるかもしれません。
雨などで外に洗濯物を干せないときには、洗濯物をドアにかけたり、ヒーターのそばに洗濯ラックを置いたりと、それぞれ工夫して生活しています。先に住んでいる人がいれば、どうやってストレスなく家事を行なっているか聞いてアドバイスをもらうといいでしょう。
周囲に気を遣わなければならない
共同生活をする上で、ほかのシェアメイトへの配慮は不可欠です。シェアハウスは自分の家であると同時に、同居人の家でもあります。自分勝手な行動だけは避けましょう。
シェアハウスでは、基本的に個室以外の空間は共有スペースと考えましょう。廊下や階段など、ちょっとした通路でも多くの住人が行き交います。男女共同の場合は、お風呂のあとなど部屋着や薄着でウロウロするとお互いに気まずい、ということもあるので、ほかの住人に気まずい思いをさせないように気をつけましょう。ちなみに、女性専用のシェアハウスでは、家族のようにオープンにしているところもあるようです。
また、生活の時間帯が違う人同士が一緒に生活すると、休日や睡眠時間などもばらつきが出てきます。深夜はもちろん、昼間でも大きな音を出すことは避けましょう。大音量で音楽や映画を楽しみたいときは、ひとりならヘッドフォンを使うなどするのもマナーです。自分では気づかなくても、隣や下の階に音が響いていることもあるので「昨日、部屋で電話していたけどうるさくなかった?」など、気遣いの声をかけあいましょう。
仕事で疲れている、辛いことがあったなどあまり人と話したくない気分のときでも最低限、挨拶くらいはする心遣いが必要です。長く一緒に生活していれば、お互い、自然と「元気がないのかな」などと相手の状況を察することができるようになるものです。
シェア生活といっても、無理をして一緒に過ごす必要はありませんから、ひとりでいたいときは個室に長くいる、ゆっくり休むなどしてバランスをとることも大事です。
苦手なシェアメイトがいる
ほかの住人とのコミュニケーションがシェア生活の醍醐味ですが、ときにはそれがデメリットに感じられることもあります。
たとえば、苦手なシェアメイトがいる場合です。シェアメイトのなかには、自分とはまったく考え方が違う人や苦手なタイプの人もいる場合もあります。そんな場合は、ほかに話しやすい人と相談してみるなどして、どうしたらうまくつきあえるか考えてみましょう。仲介役となってくれる人が現れて解決できる策を探すことができるかもしれません。
生活の場となると、掃除ルールのトラブルなど小さなことでストレスが積もっていってしまうこともあります。不満をひとりで溜めずに「出したものは個人で片づけよう」など、意見を言ってみるのもいいでしょう。
夜型の仕事で朝のゴミ出しがむずかしい、というような場合は代替案で免除してもらうのもいいかもしれません。
できるだけストレスを最小限に抑えられる方法をみんなで探しましょう。それでもシェアハウスの住人同士では解決できないトラブルがあるような場合は、運営会社に相談してみるのも手です。
この記事を書いた人
株式会社彩ファクトリー 代表取締役
10年前に国際交流経験を求めてシェアハウスに入居。自分自身が体感した「人との交流から得られる気づき、学び、視野の広がり、共に体験し、感動できる喜び」を、社会に受け入れられやすい形にリメイクして届けたいと、シェアハウスの事業化を決意する。 以来、勉強のために10物件に住み、200物件以上を見学、シェアハウス運営会社を副社長として設立し、デザイナーズシェアハウス4件を運営。その後、独立して株式会社彩ファクトリーを設立。 ひとり暮らしでは得られない「体験」の得られる環境にこだわり、コンセプトシェアハウスを17件プロデュース。全330室を運営。 起業家が切磋琢磨を楽しむ「起業家シェアハウス」は、起業家同士が日常的に相談し合い、刺激を与え合い、目標の実現を加速することを目指して運営。共用のセミナールームにてさまざまなビジネスイベントを開催している。これまで4年間運営し、上場企業の創業者や年商50億円規模の経営者も入居している。 また、「英語漬けシェアハウス」では、外国人が20パーセント以上となるように調整し、共用ラウンジでは英語で話すことをルール化、シェアハウス内で週2回の英会話レッスンを開催する。また、毎月国際交流パーティーを開催し、外国人との国際交流を日常化している。 その他、シングルマザーシェアハウス、東大合格シェアハウスなど、多くのコンセプトシェアハウスをプロデュースする。 彩ファクトリー http://irodorifactory.com