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シェアハウスの基礎知識(4)

「シェアハウス」と「ルームシェア」はどう違うのか

内野匡裕内野匡裕

2016/02/28

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「シェアハウス」の定義

シェアライフには大きく分けてふたつのタイプがあります。ひとつめは、生活者たちが自己責任で運営管理を行なう「ルームシェア」です。誰かの家をシェアして同居したり、仲間と賃貸住宅を借り上げて住んだりするのがこのタイプと言えます。最近はネット掲示板でシェアメイトを探すケースもあるようです。

ふたつめは、運営会社が最終的な責任を持って運営管理を行なう「シェアハウス」です。通常のマンションのように運営会社が管理を行ない、リビングなどの共用スペースと個室を備えています。インテリアにこだわったデザイナーズ物件から、2段ベッドを使ったドミトリー(合部屋)スタイルの物件など、さまざまなタイプがあります。

これらふたつの最大の違いは、シェアハウスには生活者以外に「運営責任を持つ事業者が存在する」という点です。ルームシェアは個人同士の信頼関係によって運営されますが、シェアハウスでは物件の運営によって収益を上げている事業者がおり、入居者はそれぞれ個別に契約を結んで入居します。

経済面でのトラブルが起きにくい

たとえば家賃について考えてみましょう。ルームシェアでは物件の家賃が決まっておりそれを入居者同士で折半します。そのため、ひとりが出て行くことになると入居者への費用の負担が大きくなり、生活を続けることがむずかしくなる可能性が出てきます。

一方、シェアハウスは運営会社がひと部屋単位で貸し出して入居者それぞれと契約をするので、ほかの入居者の退去によって家賃を左右されることはありません。同じ住宅内でも個室の向きや広さによって家賃が違うことがありますが、お互い個々の条件で契約しているので納得済みといえます。

ルームシェアは、自分たちで自由にルールを決められるという自由さや楽しみもありますが、契約や管理のしかたで行き違いがあるとトラブルにつながりがちです。シェアハウスは個人との契約で結ばれているため、条件などが明確で、入居者ひとりひとりが環境にそれほど左右されることなく安心して暮らすことができます。

以上のことから、シェアハウスは独立した共同生活を送りたい人におすすめの住居といえるでしょう。

運営会社のサポートがある

運営会社はただ物件を仲介するだけではなく、入居後も快適に過ごせるようにサポートをしてくれます。たとえば、入居者同士の間の基本のルールを定めたり、定期的に共有スペースの掃除をしてくれたりするところもあるそうです。

また、入居者同士では解決しにくい問題がある場合は運営会社に相談することで解決に向けて力を貸してくれることもあります。本人同士だと言いづらいことも間に運営会社が入って、誰からとは言わずにさりげなく注意することですんなり解決する問題も多いです。常駐している訳ではなくても、住人のためによい生活を考えてくれる運営会社だと心強いですね。

ネットで紹介されている物件では基本的なルールや、どういうスタイルで運営しているのかといった情報が公開されていることが多いので、管理面についての情報もあらかじめ確認しておくといいでしょう。

基本の設備が整っている

リビングのテレビやテーブル、キッチンの冷蔵庫など、共同で使用する主な家具や家電はオープン時に管理・運営会社が用意することが多いです。洗濯機などの生活家電、ソファや椅子なども多くのシェアハウスで設置されています。また、物件の雰囲気に合わせてインテリア小物や調理器具が多少は準備されている場合もあります。

用意されているもので足りない場合は運営会社に相談してみると良いでしょう。あらかじめ準備されているもの以外は入居者同士でお金を出し合って購入する場合もあるので、そのときはあらためて必要かどうか話し合いが必要です。

また、シェアハウスならではのいい点として、前の入居者が引越しのときに物を残していってくれるケースもあります。 全員の意見が一致しないけれど使用したいと思うものは自分で買って、次の引越しのときに持って行く、個室で好きなときに使用するという手段もあります。いずれにしても、入居者全員で使うものはほかの人も気持ちよく使えるよう、大切に使いましょう。

 

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この記事を書いた人

株式会社彩ファクトリー 代表取締役

10年前に国際交流経験を求めてシェアハウスに入居。自分自身が体感した「人との交流から得られる気づき、学び、視野の広がり、共に体験し、感動できる喜び」を、社会に受け入れられやすい形にリメイクして届けたいと、シェアハウスの事業化を決意する。 以来、勉強のために10物件に住み、200物件以上を見学、シェアハウス運営会社を副社長として設立し、デザイナーズシェアハウス4件を運営。その後、独立して株式会社彩ファクトリーを設立。 ひとり暮らしでは得られない「体験」の得られる環境にこだわり、コンセプトシェアハウスを17件プロデュース。全330室を運営。 起業家が切磋琢磨を楽しむ「起業家シェアハウス」は、起業家同士が日常的に相談し合い、刺激を与え合い、目標の実現を加速することを目指して運営。共用のセミナールームにてさまざまなビジネスイベントを開催している。これまで4年間運営し、上場企業の創業者や年商50億円規模の経営者も入居している。 また、「英語漬けシェアハウス」では、外国人が20パーセント以上となるように調整し、共用ラウンジでは英語で話すことをルール化、シェアハウス内で週2回の英会話レッスンを開催する。また、毎月国際交流パーティーを開催し、外国人との国際交流を日常化している。 その他、シングルマザーシェアハウス、東大合格シェアハウスなど、多くのコンセプトシェアハウスをプロデュースする。 彩ファクトリー http://irodorifactory.com

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