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業者の選び方・つきあい方(1)

リフォーム業者にはさまざまなタイプがある

森田祥範森田祥範

2016/02/19

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リフォームに建設業の許可は不要?

一口に「リフォーム業者」といっても、実際にはさまざまな業種の工事業者がいます。なぜなら、リフォームは建設業法で定めた「軽微な建設工事」に該当するケースが多いから。「軽微な建設工事」であれば、建設業の許可を受けていない業者でも、リフォーム工事を行なうことは可能です。

ちなみに「軽微な建設工事」とは、建築一式工事で1500万円未満or延床面積150㎡未満の木造住宅工事、あるいは建築一式工事以外の建設工事で500万円未満のものを指します。

そのため、今日リフォーム業界に参入しているのは、大手住宅メーカーや工務店などの建設業者だけではありません。塗装・内装・屋根・電気・外構などの専門工事業者から出発したリフォーム専門店もあれば、専門工事業者が一括してリフォーム全般を請け負うことも。建築部材メーカーや住宅設備メーカー、ホームセンターまで「リフォーム業」の看板を掲げているケースもあります。

リフォーム業者の、実際の施工への関わり方も千差万別です。設計から施工まで一貫して自社で行なうところもあれば、設計だけ行なうところ、施工だけ行なうところもあります。なかには、営業だけ行なって、あとは別の業者に丸投げするところも…。

このようなリフォーム業界のわかりにくさが、悪徳業者の入り込む余地をつくってしまっているともいえます。

さまざまなリフォーム業者の特徴

以下、さまざまなリフォーム業者の特徴をまとめてみました。

(1)大手住宅メーカー系
 住宅メーカーの多くは、自社が建設した住宅のアフターケアやメンテナンスを行なっています。その延長として、自社にリフォーム部門を設けたり、リフォーム専門の子会社を立ち上げたりしています。業者としては信頼が置けますが、料金は割高なケースが多く、細かなニーズに応えにくいともいわれます。

(2)工務店
 町の工務店は基本的に、新築とリフォームの両方の工事を手がけています。仕事の受注の仕方はさまざま。大手建設メーカーの下請けが中心のところもあれば、建材メーカーの代理店を務めているところも。元請け専門で、一般消費者からの受注を積極的に取っているところもあります。施工技術はしっかりしているところが多いですが、リフォームのノウハウがまったくないところもあります。リフォームは新築よりもむずかしいことを知っておきましょう。

(3)リフォーム専門業者
 工務店や内装業などの専門業者から出発して、リフォーム工事全般を手がけるようになった業者が多いようです。豊富な施工実績があれば、ある程度信用していいでしょう。ただし、ひとつのリフォーム業者が土木・塗装・木工・水道・電気・板金など、すべての工事に精通しているわけではありません。一戸建てが得意、マンションが得意など、リフォーム業者にも得意不得意があります。また、なかには悪質な訪問販売を行なっている業者もいるので、特に注意が必要です。

(4)専門工事業者
 内装、塗装、屋根、板金・金物、建具・サッシ、タイル・左官、外構・エクステリア、水道、電気、ガスなど、さまざまな専門工事業者がいます。住まいの修理・修繕のためのリフォームであれば、修理が必要な部分の専門業者に直接発注することになります。大規模な増改築のリフォームであれば、工務店やリフォーム専門店が元請けとなり、必要に応じてこれら専門業者に仕事が割り当てられることが多いようです。

(5)建築設計事務所
 ありきたりのリフォームではなく、個性的かつ独創的なデザインに仕上げたい場合は、建築設計事務所にリフォームを依頼することになります。リフォームで豊富な実績を持つ建築設計事務所がいくつもあり、設計から施工まで任せられるところも。狭小住宅(10坪未満の土地に建つ家)が得意な事務所、独創的な3階建てをつくる事務所など、事務所にも個性があります。ただし、リフォームにかかるコストは、ほかの業者に比べて、もっとも高くなります。

(6)その他の業者
 その他、DIYサポートから発展してリフォーム事業まで手がけるようになったホームセンターや、キッチンリフォームからスタートしてリフォーム全般を扱うようになったガス会社、リフォーム代理店業務を行なう屋根材・外装材メーカーなど、多くの業者がリフォーム業に参画しています。

(7)最近の新興勢力 家電量販店
 いまやほとんどの家電量販店が我も我もとリフォーム事業を強化し、設備商品の販売を中心としたリフォーム工事受注を得意としています。大規模店舗ではシステムキッチンやシステムバス、トイレ、洗面台なども展示していて、展示スペースにはリフォーム相談コーナーを設け、専門の相談員が対応しています。買い物ついでに気軽に立ち寄れるので人気があるようです。また長期ローンや商品の延長保証にも対応しています。ただ、施工についてはそれぞれの専門業者に丸投げするので、施工管理という面では注意が必要です。これから事業拡大していくと施工管理面でも充実していくかもしれません。

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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