事前の情報収集がリフォーム成功のカギ
森田祥範
2016/02/12
できるだけ多くの施工例を見る
キッチンをきれいにしたい。浴室を一新したい。収納スペースを増やしたい…。リフォームに対する要望は人それぞれ。そして、その要望を実現させるためのプランも、住まいの現状や予算によって違ってきます。
自分たちの要望を実現するには、どんなリフォームをすればいいのか。それを知るための出発点は、リフォーム施工例を数多く見てみること。書店や図書館でリフォーム関連書を探したり、インターネットのリフォーム業者のサイトで施工例をチェックしたり。
ビフォー・アフターの写真や間取り図に数多く目を通していれば、自分たちの現状やニーズに近い施工例がきっと見つかります。そして、「吹き抜けの感じは施工例Aのほうが素敵だけど、階段の向きは施工例Bのほうがいい」など、リフォームしたいカタチが少しずつ固まっていくはず。完成イメージがリアルであればあるほど、その後の情報収集も進めやすくなります。
モデルハウス、ショールームに行ってみる
いろいろな施工例を見ても、どうしてもピンとこない…。そんな場合は、住宅メーカーのモデルハウスや住宅機器メーカーのショールームに足を運んでみるといいでしょう。
そこで最新の住宅設備や驚きの新機能にふれてみると、「これカッコイイ!」「この機能、ウチにほしい!」など、リフォームのヒントがかならず見つかるはずです(ショールームの利用法は別項で解説します)。
専門家の意見を聞く
もし、耐震補強のためのリフォームを考えているなら、早い段階で、耐震診断を行なっている専門家の意見を聞くべきです。我が家ははたして安全なのか。安全でなければ、どんな補強をすればいいのか。そこがリフォームの出発点になるからです。
カタログやチラシを集める
リフォームの方向性が見えてきたら、必要な資料を集めましょう。たとえば、浴室のリフォームを考えているなら、住宅設備メーカーの浴室・浴槽・洗面化粧台・水栓金具・水回りユーティリティーといった商品カタログを取り寄せるわけです。主立ったメーカーのカタログを集めれば、商品ラインナップがどのようになっているか、それぞれの価格はいくらくらいか、などがわかります。
新聞の折り込みにリフォーム業者のチラシが入っていたら、捨てずにファイルしておきましょう。それぞれのチラシを比較することで、工事費の相場がある程度見えてきます。
口コミ情報を集める
友人知人にリフォーム経験者がいれば、自宅を訪問して施工例を見学し、経験談やアドバイスを聞いてみましょう。
マンションのリフォームを考えている場合は、同じマンションでリフォームした人がいないか、ぜひ探してみてください。マンションリフォームは管理規約などで「できること」と「できないこと」が明確に決まっているので、実際にリフォームした人に話を聞けば、より現実的なリフォームプランが立てられます。
依頼先情報を集める
リフォームプランがある程度固まってきたら、リフォーム工事を依頼すべき業者の情報を集めましょう。
あなたが一戸建てにお住まいなら、その家を建てたハウスメーカーや工務店にリフォーム業者を紹介してもらうのもひとつの手です。あるいは、地元で古くから営業している工務店に聞いてみたり、リフォーム経験者の友人知人に紹介してもらうのもいいでしょう。
もちろん、あなたなりの視点で業者を探すのもOK。チラシを比較検討するのもいいでしょう。また、インターネットを使えば、複数のリフォーム業者を一度に比較できる便利なサイトが見つかったりします。
ただし、ネットで業者探しをするときに問題になるのが、そのサイトの信頼性。良心的なサイトは、ある一定の基準を満たしたリフォーム業者しか登録できない仕組みを取っていますが、なかにはどんなリフォーム業者でもノーチェックで載せているサイトもあります。ここでは、信頼性の高いサイトとして「リフォネット」「Goodリフォーム.jp」を紹介しておきます。
「リフォネット」
http://www.refonet.jp/
「ホームプロ」
http://www.homepro.jp/
資金面・法律面の情報収集
資金計画についても、情報収集が必要です。手持ちの資金が不足しているのであれば、どこかから融資を受けなければなりません。
公的融資としては、住宅金融支援機構のリフォーム融資があります。ただし、この融資が受けられるのは、バリアフリー工事か耐震補強工事に限られます。
財形貯蓄を1年以上続けていて、残高50万円以上ある人が受けられるのが、財形住宅融資。融資限度額は残高の10倍以内で、工事費の80%まで、上限は4000万円です。
手続きが簡単なのは、民間の銀行ローン。リフォーム会社と銀行・クレジット会社が提携したリフォームローンもあります。金利や返済方法・返済額も含め、自分に合ったローンを検討しましょう。
一戸建て住宅をリフォームする場合は、建築基準法の規定を受け、役所への確認申請が必要なケースもあります。また、マンションをリフォームする場合は、管理規約の規定を受けます。いずれにしても、リフォームでやってはいけないことが決まっているので、法律・規約面の情報収集もしっかりやっておきたいものです。
一番最初に決めておきたいこと
これからどのような生活や住い方をしたいのか? なぜリフォームが必要なのか?
これらのことを家族間でしっかりと話し合いをしながら、計画を進めていきたいものです。まず商品ありきでは後々の不満の元にもなりかねません。満足のいく、良いリフォームをするためにも、見落としてはいけない重要ポイントです。
この記事を書いた人
モリタマネジメント株式会社 代表取締役
宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。