電気工事と水道工事にかかる費用の目安
森田祥範
2016/02/12
分電盤の交換は約5万5000円
築20年以上の一戸建てやマンションをリフォームするとき、それに合わせてよく行なわれるのが分電盤の交換です。
分電盤とは、電力会社からその家まで送られてきた電気を、さらに各部屋に分配するための装置。通常、ひとつの箱に漏電遮断器、アンペアブレーカー、各部屋への配線遮断器が配置されていて、過電流が流れるとブレーカーが落ち、電気を自動的に遮断する機能が備わっています。
分電盤の寿命は10〜15年。しかし、まだ寿命が来ていなくても、分電盤を交換しなければならないケースはしばしば発生します。
たとえば、食洗機や床暖房などの電化製品を新たに導入する場合。こうした機器は消費電力が大きいので、できれば専用の電源を用意したいところ。ところが、分電盤の回路はすでに飽和状態になっているケースが多いのです。こんな場合、どこかの回路から新たな電源を取らざるを得ず、結局、新たな電化製品を使うたびに、ブレーカーが落ちることに…。そうならないようにするには、分電盤を取り替えて電気の分配方法を変えるしかありません。分電盤の交換にかかる費用は、約5万5000円くらいです。
新規200V引き込みで約8万円
電気に関していえば、使用する電化製品によっては、200V(ボルト)の電源が必要になる場合があります。たとえばIHクッキングヒーターを導入しようというときには、通常の100Vではなく(通常のコンセントは100Vです)、200Vの電源が必要。パワーの大きなエアコンを設置するとき、200Vの電源が求められるケースもあります。
200Vのコンセントは、一般家庭には用意されていませんから、200Vで稼働する電化製品を使用するときには、新たに200Vのコンセントをつけなくてはいけません。その際にかかる費用は、家にどんな電線が引き込まれているかによって違います。
マンションや比較的新しい一戸建ての場合、単相3線式といって、白・黒・赤の3本の電線が引き込まれているはず。その場合は200Vの電源も簡単に引けるので、新たに電線を引く長さにもよりますが、費用は2万〜3万円程度。しかし、白・黒の単相2線式の場合は新規で200Vを引き込まなければならないため、8万円程度かかります。
そのほか、新たにコンセントを増設する場合は5000円から3万円程度。単独ブレーカー直結工事が2万円程度。一戸建て住宅の全面的な配線新規工事でおよそ40万円(2階建て・延べ床面積100平方メートル程度)になります。
24号フルオートの給湯器は約40万円
キッチンや浴室まわりのリフォームでは、給水・給湯・排水などの水道工事がともなうこともあります。これは電気工事にもいえることですが、水道工事は私たちの見えないところで行なわれることが多いため、まれに“ふっかけてくる”業者もいるので要注意です。
比較的多いのが給湯器の交換です。給湯器の寿命は10〜15年ですが、家族が増えたり、生活スタイルが変わったりして、より大型の給湯器が必要になることもあります。
給湯器の大きさを表すのが「号数」。「水温+25℃のお湯」を1分間に供給できるリットル数を表し、16リットルなら16号、20リットルなら20号になります。キッチン・浴室・洗面所など、2〜3カ所で一度にお湯を使っても湯量が落ちないようにするには、最低でも24号が必要。家族構成でいえば、家族2〜3人で20号、家族4〜5人で24号、家族6人以上で28号が目安になります。
給湯器には自動で追い焚きする「オート」、自動で追い焚き・足し湯する「フルオート」がありますが、便利なのでフルオートがオススメ。24号フルオートの給湯器を取り付ける場合、工事費込みで約40万円です。
但し注意が必要なのは、今までの給湯器が追い焚き機能がついていない落とし込み式の場合は、追い焚き用の配管が必要になります。浴槽にも穴あけをしてアダプターを取り付ける必要があるので、事前調査でしっかりと見積もりを取っておく必要があります。
この記事を書いた人
モリタマネジメント株式会社 代表取締役
宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。