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リフォーム予算と費用の賢い決め方(8)

高額になりがちなキッチンリフォームのおおよその費用は?

森田祥範森田祥範

2016/02/05

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年々進化しているシステムキッチン

 システムキッチンの進化には、年々目を見張るものがあります。随所により先進的な機能が取り入れられ、デザインも多彩かつ高級なものへとシフトしています。

 試しに、システムキッチンのショールームをのぞいてみると、思わずテンションが上がります。火事になりにくいIHクッキングヒーターの導入など、もはや当たり前。シンクもガス台も、掃除のしやすさまで考慮した機能的デザインとなり、しかも人工大理石の天板など見た目も美しいものです。

 収納は、扉式から引き出し式へというのが大きな流れで、より軽い力で動かせる引き出しが登場したり、電動昇降式の吊り戸棚がお目見えしたり。壁面も従来のタイルから耐熱性パネルへと進化。レンジフードも大型化かつパワーアップしており、調理中のニオイや煙を強力に排気してくれます。ビルトインの食洗機も、ずいぶん使いやすくなりました。

キッチンリフォームは費用が膨らみがち

 このように、ショールームでゴージャスなシステムキッチンを見てしまうと、つい「あの機能もほしい、この装備も必要かも…」と、多くのオプションをつけてしまいます。そこで、仮の見積書を作成してもらうと、当初想定していた予算の2倍以上に膨らんでいた、などという事態に陥りがちです。

 さらに、気をつけておきたいのが、ショールームでつくった見積もり書は、システムキッチンの商品代+取り付け工賃しか含まれていないこと。たとえば、シンクの位置を数メートル移動させるだけでも、給水、排水、給湯などの配管工事が必要になります。仮に、オープンキッチンからアイランド型キッチンに変更する場合、壁際にあったシンクをキッチン中央に持ってくると、配管工事だけで50万円以上かかるケースも。IHクッキングヒーター、食洗機、電気オーブンを新たに導入する場合は、電気工事まで必要になります。

 ともあれ、キッチンリフォームには、思いのほか費用がかかること、とかくコストが膨らみがちになることを肝に銘じておきましょう。

対面式キッチンへの変更で約150万円

 では、システムキッチンを導入する場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。

 いまあるシステムキッチンを新たなモデルに交換するだけなら、交換費用だけですみます。サイズが同じでも、最近のシステムキッチンは以前にはなかった便利機能が追加されているため、交換だけでも便利さ、快適さは格段にアップします。

 交換する場合、スタンダードタイプの商品代と取り付け工賃で、およそ50万円から。それに合わせて、床や壁の補修・改修を行なう場合は、6畳程度の広さでさらに50万円程度見ておきましょう。

 オープンキッチンの壁つきタイプから、対面式キッチン(間口2400ミリメートル)へと変更し、壁に食器棚・吊り戸棚を設置した場合、取り付け工賃込みで約150万円から。IHクッキングヒーターをつけるとプラス約25万円、食洗機をつけるとプラス約15万円かかります。また、ヒーターや食洗機用に200Vの電源を引き出す場合は約2万円、200Vの分電盤から用意する場合は約8万円アップになります。

 キッチンに移動にともない、床や壁を補修・改修する場合、さらに50万円以上かかります。

 ちなみに、システムキッチンはここ数年で格段にグレードアップしており、メーカー各社とも売れ筋商品の価格を引き上げており、新しい製品ほど高額になっています。

ローコストで満足できるキッチンリフォームは可能か?

 キッチンリフォームは住宅リフォームのなかでもダントツに第1位の人気部位です。それだけに各メーカーが腕を競う人気商品が目白押しです。でもちょっと待ってください。みんなが同じ商品を選択すればどのリフォームも同じになってしまいますよね。

 では既成のリフォームに飽き足りなければどうすれば?

 たとえばIKEAとかの商品をみて想像力を発揮するのもいいですね。数年前に比べると格段に使いやすくなっていますので、検討の余地ありです。いずれにしても、じっくりと相談できる工事店選びが大切です。

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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