北欧デンマークで注目のブランド雑貨「Rice(ライス)」の魅力
パップ英子
2016/01/31
いま、新鋭ブランド“Rice”(ライス)に注目が集まっている
北欧4カ国のブランド雑貨情報をフィンランド、スウェーデン、ノルウェーと取り上げてまいりました。ラスト4カ国目はデンマークについてです。
北欧の名作家具シリーズで最初に取り上げたフリッツ・ハンセンもデンマークを代表するインテリア・ブランドでしたが、同国にはまさに現代のインテリア・デザインをリードするブランドが数多く存在します。
今回は、そんなデザイン大国でもあるデンマークの基本情報やデザイン史をふまえながら、同国のなかでもいま、最も世界中の雑貨ファン達に注目を集める新鋭ブランド“Rice”(ライス)についてご紹介したいと思います。
北欧の玄関口“コペンハーゲン”を首都に持つ、緑豊かな酪農の国デンマーク
「商人たちの港」と呼ばれ、北欧の玄関口となるコペンハーゲンを首都に持つデンマーク。この国は、ドイツと国境を接するユトランド半島とコペンハーゲンがあるシェラン島などを含む、約400の島々で形成されています。
国土はゆるやかな丘が続き、とても平坦なため、その約80パーセントが農耕地といわれています。農耕地と牧草地が一面に広がり、のどかな風景がとっても素敵な北欧の国、デンマーク。国内の多くの島が橋でつながり、かつてデンマーク領であったスウェーデン南部のスコーネ地方へもコペンハーゲンの近くから橋が架けられ、さらに海底トンネルまで伸びています。
首都コペンハーゲンは1000年頃にニシン漁などの漁港として建設された街ですが、やがて良質な湾港としてさらに発展します。1416年、ロスキレからコペンハーゲンに遷都されるといっそう政治、商業の中心化が進み、コペンハーゲンは現在、北ヨーロッパ最大の経済都市圏を形成するまでに至りました。
デンマークは世界のインテリア業界をリードするデザイン大国
北欧のインテリア業界のなかでも今日、他国を一歩リードし、トレンドの中心を担うのは、コペンハーゲン発のブランド・デザインたち。それはデンマークとその他の北欧諸国との歴史も多いに関係していると思われます。
ノルウェー、スウェーデン、フィンランドはかつて、デンマークの支配下にありました。元々デンマークは、デーン人と呼ばれるヴァイキングの一派が起こした国。デーン人を始めとする“ヴァイキング”は造船製作にとても長け、それらの製作を支えたのは木材・鉄などの優れた加工技術でした。その加工技術は手工業製品の分野でもいかんなく発揮されるようになったのです。
実はデンマークはヨーロッパ最古の王室を持つ国で、王侯貴族達へ供給するための手工芸品製作が盛んになったこともあり、職人を育てるためのマイスター制度が今日にまで受け継がれています。このような歴史もあり、デンマークは今日、北欧のインテリア業界を一歩リードする存在となり得たのでしょう。
そんなデンマークから、今回は世界中のインテリア・雑貨ファンから大注目のオシャレなブランド “Rice(ライス)”を取り上げてみたいと思います。
見るだけでワクワクする、キュートでカラフルな“Rice(ライス)”のデザイン
そのキュートかつカラフルなデザインで、世界中のインテリア・ファン、特に女性達から熱い支持を集める“Rice(ライス)”。
このインテリア雑貨ブランドは1998年、デザイナーのCharotte(シャーロット)とその夫Philipp(フィリップ)によって誕生しました。
夫婦の古くからの友人でありビジネスパートナーでもあるハンスが考案したRiceというブランド名。“お米は主食として欠かせない食べ物”であり、また、マダガスカルでは多くの人々は給料の一部を、お米で支払われているほど貴重な存在です。
ハンスは同ブランドが人々にとって暮らしのなかで、“お米のように大切に”してもらえる存在になることを願って、Riceという名をつけたようです。
そんなRice(ライス)の雑貨は、見るだけでワクワクと心が踊るような、カラフルかつオシャレなアイテムがたくさんあります!
同ブランドでも代表的なメラミン素材の食器はどれも光沢が美しく、その鮮やかなカラーをいっそう引き立てています。色のバリエーションが豊富なそれらの食器たちはとても軽くて丈夫なため、オシャレなだけでなく実用的なところも人気の秘密のようです。
デザインと使い勝手に優れたRiceのアイテムはファミリー層にも大変人気で、子ども達を連れてピクニックに出かける際にもぴったりのお皿やカトラリーなどが豊富に揃っています。
デザイナーとその夫、一組のカップルが始めたデンマークのインテリア雑貨ブランド「rice(ライス)」。
創業18年目と北欧のデザイン界のなかでは比較的若いブランドですが、そのカラフルかつユニークなデザインで現在、ヨーロッパを中心に絶大な人気を誇っているそうです。写真はRice(ライス)の公式ホームページに掲載されていた、2016年春夏コレクションの商品カタログより。
家のなかにこんなにキュートでオシャレな食器やインテリア雑貨があったら、食器棚の奥に閉まってしまうのは大変もったいないですよね。
素敵なデザインはやっぱり見せる収納を楽しみたいもの。見せる収納スペースには、Riceの最新カタログに掲載されているような木製の明るい色みのシェルフをチョイスしてみてください。
木の色みが明るく柔らかなシェルフを収納場所にすると、Riceの個性が強いカラーの食器たちを並べてもそれぞれの色がケンカすることなく、見た目全体に調和がとれ、美しくディスプレイできます。
シェルフだから扉や蓋もないので、使いたい時にサッと取り出せるのもいいですね。
北欧4カ国のインテリア雑貨ブランド特集、ラストはデザイン大国として知られるデンマークから、ヨーロッパを中心に日本のコアな雑貨ファンにも大人気の“Rice(ライス)”をご紹介しました。
現在、日本国内にRiceの独自店舗はないようですが、既に同ブランドのアイテムを取り扱うインターネットショッピングサイトなどはあるようですね。
次回以降のコラムですが、北欧の名作家具シリーズのお話へ戻る前に、また、初回連載でご紹介したような、ハンガリーの一般家庭のインテリアを取り上げてみたいと思います。どうぞお楽しみに。
この記事を書いた人
“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)
ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/