一戸建てフローリング材の張り替えは6畳で10万円から
森田祥範
2016/01/30
古い床をはがすか、残すか
一戸建てのリフォームでリクエストが多いのが、「フローリングに張り替えたい」というもの。
フローリングの張り替えで、まず決めなければいけないのは、古い床材をはがすか、残すか。古い床材としては、ビニール製クッションフロアの場合もあれば、板材の場合もあるでしょうが、はがすか、残すかが悩みどころです。
古い床材をはがしてフローリング材を張る場合
古い床材をはがして新たにフローリング材を張る場合、次のようなメリットとデメリットがあります。
○メリット
・リフォームの前後で床の高さが変わらない
・下地材が傷んだり腐食していないか確認できる
・床材に有機系接着剤が使われていた場合、はがすことでアレルギー対策になる
○デメリット
・張る工事の前にはがす工事が必要で、工期と費用がかさむ
・幅木(床に接する部分の壁に張られた横木)が壁の下地材と一体化している場合は工事が大がかりになる
・廃材の処分費用がかかる
古い床材の上からフローリング材を張る場合
また、古い床材の上からフローリング材を張る場合、次のようなメリットとデメリットがあります。
○メリット
・床材が二重になる分だけ、床の強度が上がる
・工事が簡単なため、工期と費用を節約できる
・廃材が出ないので、処分費用がかからない
○デメリット
・新たに張るフローリング材の分だけ床が高くなる
・下地材の傷み具合が確認できない
・床が高くなった分、ドアの調整が必要になることもある
ちなみに、それぞれの工事費用は、古い床材をはがしてフローリング材を張る場合、6畳で15~20万円程度。古い床材の上からフローリング材を張る場合は6畳で10〜12万円程度。
もちろん、こうした費用は使用するフローリング材の材質にもよります。無垢のフローリング材は総じて価格が高いですが、肌触りや風合いに優れています。合板のフリーリング材の価格はピンキリで、傷や薬品に強いため、ペットのいるお宅に向いています。
フローリング材の選定はカタログ写真ではなく、必ず現物サンプルを見て触ってから決めることをおすすめします。
もし、工期と費用が許すのであれば、同じタイミングで床の段差をなくすバリアフリー化の工事もやってしまいましょう。あとからバリアフリー化しようとしてもなかなか大変ですから、フローリング張り替え時に、各部屋の段差を調整したり、段差の大きなところにスロープをつけるなど、足腰が弱ったときのための備えをしておけば安心です。
畳をフローリングにする場合は20万円以上
一戸建ての和室を洋室に変身させるために、畳からフローリングへの張り替えは、工事が少し大がかりになります。
というのも、畳の下に敷かれている下地材(スギ荒板またはコンパネ)が、水平になっていないことが多いからです。もし、水平になっていない場合は、下地材からはがして張り直す必要があります。また、畳はフローリング材に比べて3〜4センチメートル厚いですから、ほかの部屋と床の高さを合わせるため、下地材に新たに根太を張らなければなりません。
このように、畳をはがしてフローリング材を張る場合は多くの工程が必要になるため、費用は6畳で22万円ほどかかります。
マンションの場合は下地がコンクリートの場合がほとんどなので、下地調整をして防音フローリングを施工します。
床暖房は温水式110万円、ヒーター式70万円
リフォームでフローリングの張り替えをした人が、後から「一緒にやっておけばよかった」と後悔するといわれるのが、床暖房の導入です。
床暖房にはガス式と電気式があります。
ガス式は温水式ともいわれ、ガスで暖めた温水を循環させて床を暖めます。そのため、専用の温水マットとフローリング材が必要で、熱源機と配管工事も必要になります。導入費用は8畳リビングで約110万円程度。なお、近年では、エコキュートなどヒートポンプ技術を使った電気による温水式も登場しており、初期費用は同じくらいかかります。
電気式は専用フローリング材と一体化したヒーターで暖めます。そのためヒーター式ともいわれます。こちらは工事が簡単なので、導入費用は8畳リビングで約70万円程度。
また、電気式ではフィルム状のシート性のものが発売されています。この場合は耐熱性のフローリング材であればよいので、最も安く仕上がります。業者さんに相談してみてください。
導入後のランニングコストはガス式のほうが安上がりですが、すぐに暖かくなるのは電気式です。外出先から帰宅してすぐに暖まりたいという場合には、電気式がいいでしょう。逆に、長時間室内にいる場合にはガス式が向いています。
この記事を書いた人
モリタマネジメント株式会社 代表取締役
宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。