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天井・壁の「乾式構法」――「ビニルクロス」「織物クロス」「紙クロス」「木質系クロス」…11種の特徴と使い分け(2/2ページ)

MieMie

2020/09/03

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「合板系」は、木片などを加工し、接着した製品で、材料費が安価で、耐水性、耐熱性などの機能も付加されていて施工も容易という特徴があります。

無垢材と合板系を迷ったら、その空間に最も必要な性能を持つ素材を優先することを基準に考えてみてください。

「金属材」は鉄、アルミ、銅などの加工品や合金があり、不燃材というのが利点ですが、住宅にはあまり使用されていません。

「ロックウール板」は安山岩や玄武岩を溶かして高圧の空気を吹き付け、急速に冷却してから繊維状にした物に接着剤を加えて加圧成型したあと、表面にさまざまな凹凸模様を付けたものです。不燃、難燃、耐水性があり、結露を防げるのもロックウールの特徴です。また、鉱物系になるため、シロアリ被害が少ないこともメリットです。

「石膏ボード」は石膏を紙でサンドイッチ状にした物で仕上げ用(化粧石膏ボード、吸音石膏ボード)か下地用(ラスボード、防水石膏ボードなど)かに分れます。

化粧石膏ボードには、板目やクロス模様を施した製品や、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを吸着、分解、低減する機能を持ったものもあります。

「ケイ酸カルシウムスレート板」は、ケイ酸カルシウムにセメントと水を混ぜて攪拌し、ロールにかけて脱水した物を板状に加圧成型した製品です。原料の配合の割合によってフレキシブル板、軟質板、平板、ケイ酸カルシウム板に分類されます。不燃材であり、比較的、耐水、断熱効果もあって腐食しないことが特徴です。

「ガラス・鏡材」は装飾性が高く、種類も多いので室内の間仕切りなどにも用いられたりなど、使い方によって、とても豊かな空間を表現することが可能です。例えば鏡材は部屋の広さを実際の面積より広く見せたり、光や灯りの反射を利用して室内を数倍華やかに見せる効果があります。また、透光性のある強化ガラスブロックは透明度やカラーの選択が可能なうえ、装飾性と共に安全性、防音性、断熱性にも優れている製品です。

室内の約60%~70%と、大きな面積を占めるベースカラー(基調色)の役割を担う内装材は、使用用途に適した素材の性能に加えて、そのテクスチャーと施された色彩で豊かな空間を演出することが可能なのです。

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この記事を書いた人

MIE色彩研究社代表

自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。

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