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天井の仕上げ「湿式構法の材料」漆喰・石膏プラスター・ドロマイドプラスター・コンクリート打ち放し…9つの特徴とは

MieMie

2020/08/03

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paylessimages・123RF

天井仕上げ材料の『湿式構法の材料』と『乾式構法の材料』

今回は壁仕上げ材、天井仕上げ材の素材についてのお話です。

前回の天井仕上げ材の章で「壁仕上げ材と天井仕上げ材は、ほぼ同じ素材」と紹介しましたが、そのうえで仕上げ材料は大きく分けて『湿式構法の材料』と『乾式構法の材料』に分けられます。

『湿式構法』には、代表的な仕上げ方法として「漆喰」「石膏プラスター」「ドロマイドプラスター」「コンクリート打ち放し」「土材」「砂材」「珪藻土材」「洗い出し」「タイル‣天然石材」があります。

一方、『乾式構法』の代表的な仕上げ方法として「ビニルクロス」「織物クロス」「紙クロス」「木質系クロス」「無機質系クロス」「木質材」「金属材」「ロックウール板」「石膏ボード」「ケイ酸カルシウムスレート板」「ガラス‣鏡材」などがあります。

漆喰・石膏プラスター・ドロマイドプラスター・コンクリート打ち放し・土材・砂材・珪藻土材・洗い出し・タイル‣天然石材――9種類のよいところと注意点

『湿式構法材料』について説明をしていきます。

『湿式構法』の「漆喰仕上げ」は消石灰(水酸化カルシウム)を原料にして作られています。消石灰は石灰岩を焼いて生石灰を作り、それに水を加えた材料が消石灰です。この消石灰に糊や砂、接着剤を混入させたものが漆喰仕上げ材の材料です。大きな特質は、耐火性に優れ、添加材料によって彩色や風合いを楽しむことが可能ということです。

「石膏プラスター仕上げ」は鉱物粉末の石膏(硫酸カルシウム)と水を練り合わせた材料です。「ドロマイドプラスター仕上げ」は白雲母と呼ばれる鉱物を焼いて熱分解後、水和‣熟成させた材料です。どちらも硬い性質のため、亀裂が入りにくいことが特徴です。

「コンクリート打ち放し」は、コンクリート打設面をそのまま仕上げ面とする方法で広々とした空間を演出し、シンプルでスッキリとした感じに仕上がります。コンクリートはセメント、水、骨材(砂利、砂)と、必要に応じて混和材料を規定の割合に調合して練り混ぜたものです。セメントと水の水和反応により、堅固な硬化体となります。製法や成形が容易で、圧縮強度が大きく、耐火、耐水、耐久性に優れている反面、コンクリートは反響音があったり、地域や方角になど条件によって夏は暑く、冬は寒いという面があり、加えて水分の吸収性が低い為、湿気、カビ対策が必要になります。

「土材仕上げ」の原料は土の他に藁なども用いられます。藁などが用いられる理由は、繊維質がつなぎの役割を果たし、強度を持たせ調湿作用が高めるためです。しかも、この藁は歳月が経つほどに発酵が進んで繊維が細かくなり、土材の強度が更に増すという特徴があります。しかし、現代では下地を含む伝統的な現場調合や仕上げを行うことが少なく、手間を簡略化した調合材料を用いています。

「砂材仕上げ」の表面は砂が塗られていますが、下地には石膏ボードや土壁、モルタル(セメントに砂を混合して水で練り混ぜたもの)などが使われています。また、使用する砂の種類によって名称が変わります。砂材仕上げは主に和室や床の間に用いられます。

「珪藻土仕上げ」の珪藻土とは、珪藻という植物プランクトンの死んだ殻が沈殿して化石になった土のことです。最大の特徴は調湿に優れている点です。珪藻土仕上げは、人にとって快適な湿度の40~60%を自動で保つ性能があるため、「呼吸する仕上げ材」とも呼ばれています。また、100%天然素材でもあることから、シックハウス症候群などの心配がありません。

「人造石洗い出し仕上げ」の製造方法は、種石にセメントを混ぜて半乾きの状態のときに水をかけて水圧やブラシ等で種石を露出させる仕上げ方法です。現代では樹脂を用いた仕上げ方法もあります。

「タイル‣天然石材仕上げ」は、主に水回りや、玄関などに用いられます。色や形、風合い、模様などが豊富でデザイン性に富み、比較的手入れがしやすいことが特長です。天然の大理石風に仕上げた磁器質タイルは高級感があって、美しい材料ですし、土の温かみを感じるテラコッタ調(土の質感を再現したもの)や、光沢のある陶器質タイルも人気があります。天然石材は自然の風合いが魅力で1枚毎に違う模様や、ナチュラルな存在感があり、人工物では出せない雰囲気や高級感、高い意匠性が楽しめます。

次回は材料の種類が更に豊富な『乾式工法材料』の素材についてお話させていただきます。

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この記事を書いた人

MIE色彩研究社代表

自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。

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