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心地よい空間作り Step2-§2

5+3――「色相」と「トーン」の組み合わせの基本パターン

MieMie

2019/09/11

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3色構成――それぞれのイメージ

前回では。Step1として「イメージやテーマを思い浮かべる」こと。Step2として「色選び①[空間に取り入れる色数を決める]」ということを説明しました。今回はStep2-§2として「色選び②「色彩計画の選択・色相のコーディネート」についてお話ししてきます。
そもそもの主題となっている「居心地の良い空間作り」に使用する色数についてはアレンジしやすいということから「3色構成」がオススメというお話をしました。
では、なぜ3色がオススメなのか。その理由をもう少し詳しく解説します。

基本となる3色を仮にA色、B色、C色とします。実は3色には、それぞれに役割があります。
具体的には、
A色=ベースカラー(基調色)と呼び、3色中で最も広い面積を有します
B色=アソートカラー(配合色)と呼び、 3色中で2番目に広い面積を有します
C色=アクセントカラー、またはセパレーションカラー(補助色)と呼び、3色中で1番小さな面積を有します

全体のイメージは基調色と配合色で決まる


図1_色相のコーディネート用・色相環

色の配分を考える色彩計画で最も重要なポイントになる部分はA色のベースカラー(基調色)とB色のアソートカラー(配合色)の関係性です。この色彩計画の選択肢は大きく分けると「色相のコーディネート」と「トーンのコーディネート」の2つに分かれます。

「色相のコーディネート」はA色とB色の関係性が「同一色相」「類似色相」「対照色相」「中差色相」「補色色相」の5種に分かれます。そして「トーンのコーディネート」は、A色とB色の関係性が「同一トーン」「類似トーン」「対照トーン」の3種に分かれます。

前回のStep2-§1「色選び①」の章で色彩計画を行う際の大切なキーワードとして、イメージやテーマを表現する材料で、色の性質でもある用語の色相(暖色、寒色、中性色)と、明度(明るさの度合い)と、彩度(鮮やかさの強弱)について説明しましたが、これはとても重要なポイントになります。

色にも相性があって、それぞれの特徴は下記のようになります。色のチャート図や事例のイラストを見ながらそれぞれの特徴や違いなどを確認してみてください。


図2_イエローをベースにした色相配色の比較

○同一色相――同じ色相の色を組み合わせているため、まとまりや安定感を感じさせる配色になる
○類似色相――色みに共通性があり色相が離れたイメージにならないため、比較的なじみやすい配色になる

○対照色相――メリハリがあり、少し強めなイメージになる。例えば、彩度の高い色ほどメリハリが強くなるので彩度を高くし過ぎないようにほどほどにすることがポイント

○中差色相――類似性も対照性も感じることのない、例えるならオリエンタル・エスニックのような明度も彩度も穏やかで奥深く、味わいのあるイメージになる

○補色色相――個性的で、とでもインパクトのある配色になる。なかでも彩度が高いほど、色の差が際立ち、派手なイメージになる。

次回は同じくStep2-§3「色選び③の「色彩計画の選択・トーンのコーディネート」についてお話を進めていきます。新しい用語の「トーン」についても詳しく説明しますので楽しみにしてください。
それでは、また来月に!

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この記事を書いた人

MIE色彩研究社代表

自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。

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