世界各国から客が訪れる “あの田上明”の『ステーキ居酒屋 チャンプ』
ウチコミ!タイムズ編集部
2019/05/14
牛久には2つの「チャンプ」がある
全国津々浦々、街のDEEPな魅力を紹介する本企画。記念すべき第1回は茨城県牛久市にある『ステーキ居酒屋 チャンプ』。そこはまさにDEEPな聖地であった…。
ゴールデンウィークも終わり、世間は仕事モード一色。この憂鬱な気分を払拭するため、ちょっとした小旅行を試みたくなった。条件は都内から片道2時間以内で、日帰りで行けること。そして駅チカではなくても、一部のマニアや観光客に熱狂的に支持されているスポットであること。そんなことを考えながら筆者の青春時代を彩ってくれた四天王プロレスの映像をYouTubeで観ていると、田上明が茨城県牛久市でステーキハウスを営んでいることをふと思い出した。思い立ったが吉日、行くしかない。
茨城県牛久市といえば牛久大仏。青銅製立像としては世界最大の大仏でといわれ、まさに仏像界の世界チャンプだ。この牛久市にもう1つの「チャンプ」があるのをあなたはご存知だろうか。そう、前述のステーキ店、 『ステーキ居酒屋 チャンプ』である。
この店名を知る者は熱烈なプロレスファンか近隣の住民、もしくはステーキ愛好家だけであろう。茨城県「牛久」駅西口から「緑が丘団地」行のバスに乗り約20分、「茎崎高校入口」のバス停を降りてすぐの所に“牛久の聖地”『ステーキ居酒屋 チャンプ』がある。
田上明、プロレスファンであればその名を知らない者はいない。1990年代の全日本プロレスにおいて三沢光晴、小橋建太、川田利明、田上明が繰りひろげた“四天王プロレス”は、現代プロレスがたどり着いた到達点であり、その到達点をK点とするならば、令和にいたる今日までこのK点を超えるプロレスは存在しない。それほどまでに当時の四天王プロレスは受け身不能ともいえるような技を互いの信頼関係のもとに受けあうことで肉体の限界に挑んだ前人未到のものだった。その四天王プロレスの1人、田上明さんが営むのがこの『ステーキ居酒屋 チャンプ』なのだ。
世界各国から客が訪れる 『ステーキ居酒屋 チャンプ』
世界各国から客が訪れる
ランチの時間帯に狙いを定め、店内に入る。店内には全日本プロレスからプロレスリング ノア時代にいたるまで店主である田上明さんのさまざまなポスターが貼られている。このお店そのものが田上明さんの“履歴書”だ。
早速、生ビールを注文。生ビールと一緒に雪印メグミルクの6Pチーズが酒のあてとして出てくるのが嬉しい。店内の黒板にはおつまみのメニューもあるようだが今日の目的はステーキだ。男らしく450gのステーキを単品でオーダーする。
店員の方に話を聞くと、お店には日本全国どころかドイツや韓国など世界各国からお客さんが来るらしい。YouTubeで田上さんの映像を観てファンになった方や海外遠征時に現地で試合を観戦してファンになった方が来日した際にわざわざ訪れるというのだ。また、チャンプのステーキは、田上さんがあのミスター・デンジャーこと松永光弘氏に師事してそのレシピを受け継いだという。プロレスの系譜でいうならば邪道と王道が交わったエポックメイキングな出来事といえるかもしれない。
塩とホットチリの組み合わせは、「オレが田上」級の衝撃
ステーキ450g/2300円
しばらくすると熱々のステーキが鉄板の上に運ばれてきた。見た目のインパクトをあえて言葉に例えるならば「ノド輪落とし」だ。喉元を掴まれ2メートル以上の高さからマットに叩きつけられる衝撃に近いといえば理解していただけると思う。
ステーキと同時に複数のソースが運ばれてくる。ソースの種類はテリヤキ、辛口、甘口、塩ダレ、ホットチリ、ニンニク、ポン酢、しょうゆ、そのほかに塩・わさびがついてくる。
店員の方曰く「ソースを混ぜて、それをつけて食べるのも美味しいですよ。おすすめはテリヤキにチリですが、お客様の好みでいろいろアレンジしてみてください」とのこと。
ステーキは最初からカットされた状態なのでナイフとフォークも必要ない。箸を使用し、まずはソースをつけずそのまま食す。きちんと下処理をしているのだろう。カットされた赤身肉は少々大きいのだが、簡単に噛み切ることができる。口のなかに肉汁がジワジワとひろがっていく。
続けて塩、しょうゆ、塩だれ、甘口、辛口、テリヤキと味を変えながら食べることで飽きることなく胃の中に収まっていく。いろいろ試してみたところ、塩とホットチリの組み合わせが絶品だった。小皿に塩を少々ふりかけ、チリソースを混ぜる。そこにステーキをつけて口に運べばまさに「オレが田上」級の衝撃が舌から脳天に突き抜けていく。
気づけばあっという間に450gのステーキを完食。意外なほど胃にもたれず、ペロっといけてしまった。
食後のメインイベント
店内はまさに田上明の履歴書。さまざまなポスターが貼られている
この雰囲気にそのまま浸りたいと思い、追加でホッピーを注文。満員だったお客さんもはけ、店内は我々編集部員と店員の方、そして田上さんの奥様のみ。ここから田上さんの現役時代の話や業界の話など、ファンであればぜひ聞きたいと思うようなさまざまなエピソードトークが奥様の口から四天王プロレスのごとく炸裂する。メインイベントの始まりだ!
本来ならばその詳細をここに記したいところだが、このトークは『ステーキ居酒屋 チャンプ』に訪れた者だけが聞くことのできる特権であり、“裏メニュー”でもあるのでここでは控える。
今回お店に訪れたランチの時間帯に田上さんはいなかったが、ディナーの時間帯にはいるようだ。プロレスの聖地はなにも後楽園ホールだけではない。ここチャンプもまた、“聖地”の1つなのだ。まさに牛久のDEEP SPOTである。
JR牛久駅西口 ここから約20分ほどで伝説の店『ステーキ居酒屋 チャンプ』がある
多種多様なソースが肉と舌の受け身合戦を可能にする
450gをペロリと完食
この記事を書いた人
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