富士山がもし噴火したらどうする？

あの美しい富士山が噴火してしまったら……それを想像するだけで恐ろしくなりますが、現実にその危機はいつ起こってもおかしくないのです。富士山に近い場所に住む人たち、火山灰の影響がある地域の人たちは、心構えや日々の備えが大切です。

目次▼

❶富士山が噴火！ もし山中や火口付近にいたらどうする？
❷富士山が噴火！ もし市街地にいたらどうする？
❸火山灰による影響は？　首都圏のインフラ

❶富士山が噴火！ もし山中や火口付近にいたらどうする？

もし富士山の火口近く・山中にいる場合は、速やかな避難が必要です。周囲の状況をよく見て、火口や噴火場所を把握したら、できるだけ噴火口から離れます。

＜火口付近・山中にいて危険なものは？＞

• 大きな噴石／火口から大小様々な噴石が落下してくる。
  →近くにシェルターがあれば、シェルターにただちに避難しましょう。シェルターがなくても山小屋が近くにあれば、外にいるよりはまだ安全です。近くに避難場所がないときは、大きな岩や斜面などの影に隠れます。ヘルメットをかぶって小さくなる姿勢を。ヘルメットがないときはリュックなどで頭を覆います。タイミングを見計らってすぐに下山しましょう。
• 火砕流（火砕サージ）／火山ガスや火砕物（軽石や火山灰）などが高速で流れ出ます。火砕流の速度は時速100キロ以上で温度は数百度に達することもあります。
  →火口から離れます。火口から火砕流が流れ出ている様子が見えたら、流れている場所とは反対の方向へ避難します。火砕流は谷筋を流れてくるので、谷筋や窪地に近づいてはいけません。

❷富士山が噴火！　もし市街地にいたらどうする？

＜溶岩流＞
火口から噴出した高温のマグマが流れる「溶岩流」。噴石や火砕流は火口から20km以上離れた市街地には届かないですが、溶岩流は市街地に流れ込むため、避難が必要です。ただ溶岩流が流れるスピードは遅く、避難する時間はあるので冷静に行動しましょう。（ただし山麓の村や町には、火砕流が来る恐れがあるので、早急な避難が必要）

→テレビ・ラジオ・防災行政無線・広報車などで発表される噴火警報を注意して聞きましょう。自治体からの避難勧告や指示があったらそれに従って速やかに行動しましょう。

❸火山灰による影響は？　首都圏のインフラ

＜火山灰による被害＞
火山灰は、首都圏（東京、神奈川、千葉、埼玉）などにも降り積もる可能性があります。水分を含んだ火山灰で電線がショートしたり、数センチ積もるだけで水道の濾過施設や下水処理が詰まり、都市機能の麻痺などが考えられます。

＜交通・経済への打撃＞
東海道新幹線、東名高速道路、成田や羽田などの空港も火山灰で閉鎖の可能性も。また電車や飛行機の運行停止、道路の渋滞、車の故障など。首都圏の経済活動がストップしてしまう恐れがあります。

＜健康被害と外出時の服装＞
火山灰は細かいガラス片のようなもので、吸い込むと呼吸器に悪影響があります。目や皮膚にも刺激を与えます。不要不急の外出は避けて、室内で過ごしましょう。止むを得ず外出するときは、防塵マスク（なければ、濡らしたタオルで口を覆う）を着用。ゴーグルや密閉型のメガネを着用。また肌は露出しない格好をします。頭と髪は帽子やフードで覆い、防水性のある靴などを着用しましょう。

＜あとがき＞
いかがでしたか。もし富士山が噴火したら、買い出しにいくのも困難になります。日頃から水や食料の備蓄をしておきましょう。富士山に登山する場合は、噴火警戒レベルや火山防災マップなどの情報を事前に入手しておいたり、ヘルメットやマスク、ゴーグルなどを持っていきましょう。

（絵・文／ながれだあかね）

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