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思わず寒気が…! エレベーターで起きる事故のことを知っておこう

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エレベーターも事故が起きる「乗り物」のひとつ

分譲マンションや賃貸マンションに住んでいる人であれば、エレベーターに朝晩、あるいは昼間も毎日乗る人は多いはずだ。

自身が所有する物件が「エレベーター付き」という賃貸住宅オーナーも数多いことだろう。

そして、どちらの場合でも、年中トラブルなく、24時間安全にエレベーターが動いてくれる恩恵に浴しながら、その利用にリスクを感じなくなっていることも多いはずだ。

しかしながら、エレベーターも機械でできた乗り物だ。故障や、何らかの原因による誤作動、それによる事故は起こりうる。

不断の点検、整備によって、それらをかなりの程度防ぐことはできても、100%はありえない。また、機械は壊れなくとも、乗る人のうっかりミスによって生じるハプニングもある。

この記事では、どんな事故がエレベーターで起きるのか、その実例を挙げていきたい。数ある中から、集合住宅で発生したものをいくつか紹介していく。

これらを知り、心の片隅に置いておくことで、日常の注意が深まるとともに、実際に問題が起きた際、ケガを負う確率を下げることができるかもしれない。

なお、以下は、国土交通省・国土技術政策総合研究所が公開している「建物事故予防ナレッジベース」に集められている事例に拠ったものだ。文面は原本より適宜改めてある。

ドアに手が巻き込まれた!

  • 「親に抱かれていた幼児の手が、ドアが開いた際、扉の重なり部分に巻き込まれた」
    ………入院を要するケガ
  • 「エレベーター内側のドアのすき間に、3歳の男児が腕を巻き込まれた。約10分後に救助された」
    ………通院を要さない程度のケガ

これらは、エレベーターのドアの開閉によって生じるドア同士が重なる部分等への「巻き込まれ」事故の実例だ。子どもの小さな手には特に気をつけたい。

動くエレベーターと、出入口との間に体が挟まれた!

  • 「ドアが開いたままエレベーターが突然上昇、16歳の男子高校生が、出入り口の天井部分とエレベーターの床との間に挟まれた」
    ………死亡
  • 「ドアが開いたままエレベーターが突然降下。女性が床との間に足を挟まれた」
    ………入院を要するケガ

前者は2006年に起きた大事故だ。「シンドラーエレベーター事故」等の呼び名で記憶している人も多いだろう。現場となった建物は、東京都港区の公共賃貸住宅だった。19年経った今年の3月、区民の命を守ることへの誓いを込めて、区役所前に「安全の碑」が建立された。

ペットをつなぐリードがドアに挟まれた!

  • 「飼い犬がドアの外へ飛び出したところ、つないでいたリード(麻製のロープ)を挟むかたちでドアが閉まり、エレベーターが高齢の女性を乗せたまま上昇。女性はリードを離さなかった」
    ………指4本を切断する重傷

エレベーター内の注意書きなどに、ペットをつなぐリードがドアに挟まれる事例が記されていることがある。ややほのぼのとした感もある絵が添えられていたりするが、実際に起きた事故のひとつは、このように痛々しく重大なものだ。

カゴが落下した!

  • 「2階から2名がエレベーターに乗り込み、1階へ降りようとしたところ、カゴが落下した」
    ………通院を要するケガ
  • 「上昇中のエレベーターのカゴが、4階付近から1階まで約13メートル落下した」
    ………2名が腰や足などに、通院不要な程度だが全治2週間のケガ

エレベーターの「カゴ」ごと乗っていた人が落下する事故については、部品の劣化・破断など、利用者の目には見えないところに原因があるケースがほとんどのはずだ。安全に対する管理者の重い責任の自覚と、対策の実行が重要となる。

加えて、以下3つのケースも同様だ。点検、整備等、管理の徹底によって可能な限り極限まで発生を抑えたい事例となる。

カゴが本来の場所で停止しなかった!

  • 「エレベーターがいつもより高い位置に停まっていた。気付かず躓き、転倒」
    ………入院を要するケガ
  • 「床のレベルより約15センチ高い位置でエレベーターが緊急停止。段差が生じ、降りようとした人が転倒」
    ………通院を要するケガ
  • 「約10センチ高い位置に停まったエレベーターのドアが開き、乗ろうとした高齢の女性が躓いて転倒」
    ………通院を要さない程度のケガ
  • 「エレベーターが移動中に停止。その後再び動き出し、さらに停止。ドアが開いたが、カゴは外側の床より20センチほど高い位置で停まっていた。降りようとした人がよろめき、負傷」
    ………通院を要さない程度のケガ
  • 「本来よりも約15センチ低く停まっていたカゴに乗ろうとした女性が、段差に気付かずバランスを崩し、足をひねった」
    ………通院を要さない程度のケガ

正しい位置に停まらず、さらに暴走?

  • 「エレベーターが通常よりも約40センチ高い位置で停止。降りようとした女性が転倒。直後、上昇したエレベーターが最上階を行き過ぎ、ストッパーに衝突。乗っていた男性がケガ」
    ………女性は股関節の骨を折り、入院を要する重傷。男性は腰やひざを打撲し、軽傷

急停止で転倒!

  • 「4階から降りてきたエレベーターが1階付近で急停止。乗っていた女性が転倒」
    ………腰に通院を要さない程度のケガ
  • 「エレベーターが緊急停止。乗っていた1人が転倒。ブレーキを感知する部品の故障による誤作動と見られる」
    ………通院は要さなかったものの、頭などを打ち約1週間のケガ

―――以上、いかがだろうか。

なお、ここに挙げたのは、「建物事故予防ナレッジベース」に集められている集合住宅での事例のうち、死者か、またはケガ人が出ている分からいくつかをピックアップしたものとなる。そこまで至らないものの、利用者の身に危険が迫った例はほかにもある。

加えて、集合住宅以外でも、エレベーターでの事故はあらゆる建物において無数に存在する。心が痛む悲惨な事例も多い。

下記で実際に検索し、確かめてみるとよいだろう。

国土交通省・国土技術政策総合研究所 建物事故予防ナレッジベース

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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