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5月はエアコン試運転の月 暑くなってからの故障は地獄!

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大宰府の天神様もビックリ!

読者も記憶に新しいだろう。昨年(2024)も暑い夏が日本を襲った。一昨年に続く厳しいものだ。気象庁のまとめではこうなっている。

「24年夏(6月~8月)の平均気温平年差は東日本で+1.7℃、西日本で+1.4℃、沖縄・奄美で+0.9℃。46年の統計開始以降、夏として西日本と沖縄・奄美で1位、東日本で1位タイの高温」

こうしたなか、福岡県の太宰府市では、なんと連続40日・通算62日の猛暑日を記録した。いずれも国内過去最多となっている。1年のうち約2カ月分に当たる日数が、最高気温35℃以上の猛暑日だったということだ。

1年の4割以上が夏日・昨年の東京

東京の数字も挙げてみよう。ここ3年のものとなる。

日最高気温 年間日数 観測史上
35℃以上
(猛暑日)
24年 20日 2位
23年 22日 1位
22年 16日 3位
30℃以上
(真夏日)
24年 83日 2位
23年 90日 1位
22年 66日 7位
25℃以上
(夏日)
24年 153日 1位
23年 143日 2位
22年 140 3位

このとおり、3つのカテゴリーいずれも昨年と一昨年が1位、2位を分け合うかたちとなっている。

なおかつ、2カテゴリーで、ここ3年の数字がTOP3を占めている。まさに異常というほかない近年だ。

なお、カッコ書きにもあるとおり、その日の最高気温が25℃以上になった日を「夏日」という。昨年の東京では、1年のうち約42%が夏日だった。

今年はどうなるのか?

ちなみに、東京では早くも3月23日に今年最初の夏日が記録されている。昨年よりも8日早い観測となっている。

エアコンの不調・異常は本格的な暑さが来る前に発見を

以上のような連年にわたる猛暑の中、大いに呼びかけられているのが、本格的な暑さを前にした「エアコンの試運転」となる。

冷房がちゃんと効くかどうか、早いうちに確かめ、不調や異常があれば修理したり、エアコン自体の取り替えを判断したりする。

そのために、ちょうどよいのが日中の気温が少しの間25℃を超えるくらいの日だ。「夏日だがしのぎやすい」と、いえるような日となる。

こういった日の気温の高い時間に試運転を行えば、冷風を浴びて寒い思いをすることもない。一方で、機械の調子をしっかりと確かめることができる。

そして、そんな機会が増えるのが、東京近辺であれば例年5月となる。

たとえば、昨年の5月、東京では1日の平均気温が25℃に達する日が無かった上で、最高気温が25℃を超えた日は17日にのぼった。

そこで、そんな5月のなるべく早いうちにチャンスを掴み、ぜひエアコンの試運転を行っておこう。

すると、故障がそこで見つかっても、みんながエアコンを本格的に動かし始め、修理や交換の依頼がピークとなる時期はまだ先だ。

何日も待たされることなく、問題は解決するだろうし、なによりも修理等を待つ間、エアコンなしの猛暑地獄に晒されることもない。

エアコン試運転のしかた

エアコンの試運転のしかただ。

主要なメーカーのひとつ「ダイキン」のリリースに沿って、あらましを紹介していこう。(ダイキン工業株式会社 25年4月7日ニュースリリースより)

  1. 冷房の設定温度を最低(16~18℃)にし、10 分ほど運転する。
  2. 運転中、冷風がちゃんと出ているか、異常を示すランプが点滅していないかを確認する。
    ―――なお、なぜ設定温度を最低にして、10分程度運転するかについては、
    「エアコンに異常があった場合、検知するまでに約10分間が必要」
    「室温が設定温度に達するとエアコンは冷房動作を停止する。最低温度に設定しておくことで、設定温度への早期の到達を防ぐ」
    と、なっている。しっかりと従おう。
  3. さらに30分ほど冷房運転し、室内機から水漏れがないか確認する
    ―――加えて、屋外のドレン配管ホースから水が出てくるところまでを確認できれば安心とのことだ。この水は、冷房運転時、室内機の中にある熱交換器が冷やされて発生する結露による水だ。
  4. 不快な臭いや聞き慣れない音がしないかも確認する
    ―――臭いや音の種類により、さまざまな要因が考えられる。異常があれば、手元のマニュアルや各メーカーのウェブサイトに、まずは案内を求めることになる。なお、フィルター等、内部の汚れが溜まっていないかも併せてチェックしたい。

プロセスは以上だ。

さらに詳しくは、上記にリンクを掲げたダイキン社のページや、各メーカーのサイトで確かめられたい。

経験者の声・面倒でも試運転を忘れず実行しよう

シーズン前にエアコンの試運転を行い、不調を発見して事なきを得た人の声を紹介しよう。

東京近郊のある街に住む、賃貸一人暮らしの方より―――

「冬の終わり頃、エアコンの暖房の効きが悪いなと感じてはいたものの、そのことを忘れ、5月に入って思い出し、冷房での試運転をしてみた。すると、案の定、冷風が出てこない。管理会社に連絡したところ、翌日、修理の方が来てくれた。『ガスが抜けている。チャージが必要』とのこと。そのまま作業に入ってもらい、すぐに解決となった。よく効く冷房のもと、快適な夏を過ごせた」

一方、こちらは大変な思いをした人の声だ。同じく賃貸一人暮らし、住まいは東京都心―――

「最高気温が35℃に達した8月上旬のある日、部屋のエアコンが突然動かなくなった。すぐに管理会社へ連絡、業者の方がその日のうちに来てくれたが、修理道具は持たず、代わりに扇風機を持って来た。『修理や交換の依頼が殺到していて、すぐには取りかかれない。これでしばらく耐えてもらうしかない』とのこと。その後2週間、作業を待たされた。機械一式全ての交換となった。途中、数日も経たず暑さに耐えられなくなり、都内の親戚の家に避難した。命の危険を本気で感じた。いまの東京の夏を扇風機で過ごすのはほとんどの人にとって無理だろう。以来、5月に入ると必ず試運転するようにしている。怖いので一度で終わらせず、日をあけて2度以上行っている」

なお、後者の方の場合、試運転していても発見できなかった急な故障だった可能性ももちろんある。

それでも、真夏の大ピンチを避けるため、出来る限りのことをやっておくに越したことはない。

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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この記事を書いた人

編集者・ライター

賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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