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アスベストってなに? 日常生活におけるリスクは

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最近、ラジオを聴いているとよく耳にするCMがあります。「アスベスト、石綿による健康被害、その給付について」。「アスベスト」とは何か、どんなものに使われていて、何が問題になったのかよく知りませんでした。今回はそんな「アスベスト」について調べてみました。

目次▼❶アスベストってなに?
❷禁止された理由 どんな危険性があるの?
❸現在、日常生活でアスベストを吸い込む危険はあるのか?

❶アスベストってなに?

アスベストとは<石綿>といい、「いしわた」と呼ばれます。

鉱石が繊維状に変形したもので、綿のような見た目をしています。

耐久性、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性、摩擦にも優れて安価だったので、約3,000種もの商品などに使われてきました。その9割は建材に混ぜ込んで利用され、石膏ボードや建物や外壁、屋根などに使うスレート板などに使われました。
しかし、2006年にアスベストの製造・使用が全面的に禁止されます。

❷禁止された理由 どんな危険性があるの?

アスベストそのものが問題なのではなく、繊維が飛散し空中に浮遊した状態が危険。なぜならアスベストの繊維は細くて、空気中に飛散したアスベストは目に見えません。その繊維を吸い込んでしまうと、後に悪性疾患を発症するリスクが高いことがわかったのです。

<アスベストの繊維を吸い込むとどうなるの?>
アスベストの繊維が肺に吸着すると、アスベスト繊維は丈夫で変化しにくいので肺の組織内に長く残ってしまいます。20年〜40年を経て、肺がんや中皮腫の病気を発症してしまう恐れがあるのです。

<アスベストが禁止されていく>
1970年〜90年代にできた建物に使われたアスベストでしたが、段階的に使用を制限されていきます。

  • 1975年/アスベスト含有率が5%を越えてはいけないという制限ができた
  • 1995年/アスベスト含有率が1%を越えてはいけないという制限ができた
  • 2006年/全面使用禁止

❸現在、日常生活でアスベストを吸い込む危険はあるのか?

2004年頃までに建てられた建物の場合、屋根のスレート板や、天井裏、壁の内部などにもアスベストが使われている恐れはあります。ただしセメントで固められているため繊維は飛散しづらく、日常生活で吸ってしまう可能性は低いでしょう。また一戸建て住宅での使用はほとんどありませんが、マンションは駐車場などに<吹き付けアスベスト>が使用されている可能性があります。ただこちらも空気の流れが生じない場所であれば、繊維が飛散し吸い込む可能性は低いです。

気を付けないといけないのは、建築物の解体・改修作業のとき。あらかじめ飛散のリスクがある建築物の解体・改修作業の前には、対象となる建材や建物の調査も義務付けられました。自分の家にアスベストが使われているかどうか、見た目では判断ができません。心配であれば専門業者に依頼したり、住宅を購入するときは築浅の物件を選んだりするのが安心ですね。

<あとがき>
築20〜30年ほどの中古物件にもアスベストが使われている恐れがあるとは知らず、ヒヤッとしました。住宅の解体に関わる方たちは、いろいろなリスクを背負いながら、日々お仕事をしてくれているのですね。

(絵・文/ながれだあかね)

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この記事を書いた人

イラストレーター・ライター

武蔵野美術大学芸術文化学科卒業後、幼児教室にて絵の講師、不動産インターネットメディア事業「ウチコミ!」の広報部を経て、独立。現在はイラストレーター・ライターとして活動中。「お部屋探し」をテーマにした四コマ漫画を始め、似顔絵、結婚式のウェルカムボード、音楽をテーマにした作品を制作。水彩画を中心とした絵を描く。趣味はラジオと落語を聴くこと。 イラスト等のご依頼・ご相談は、下記URLのContactよりお気軽にお問い合わせください。 ながれだあかね 公式ホームページ https://nagaredaakane.morutto.com/

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