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賃貸・暖かい部屋と寒い部屋の分かりやすい見分け方

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この部屋、暖かい?

この部屋は、冬に暖かい部屋なのか? そうではなく、寒い部屋なのか?

賃貸マンションやアパートでの部屋探しをしている人のために、あるいは、これからする人のために、簡単な見分け方をいくつか紹介しよう。参考にしてほしい。

なお、以下のような条件は整っていても、他の要因から、思ったほど暖かくない例外は存在する。それでも、これらを一応頭に入れておくと、真冬に凍えるような、暖房費のかさむ部屋を選んでしまう確率は下がるはずだ。

1.部屋の位置―――他の部屋に囲まれている部屋、いない部屋

まずは、部屋の位置だ。部屋の上下左右すべて―――つまり4方向を他の部屋に囲まれている部屋は、暖かい部屋である可能性が高い。左右の隣室や上下の部屋が、いわば断熱材の役目を果たしてくれるからだ。

もっとも、アパートの場合は2階建てがほとんどなので、4方向を他の部屋が囲む例は少ない。1階の部屋だと地面に面した床下に1方向を取られ、2階だと屋根と小屋裏に1方向を取られる。通常は、頑張っても3方向だ。

一方、マンションだと、建物はおおむね3階建て以上となる。なおかつ、部屋数が多い物件ほど、4方向を他の部屋に囲まれるケースは数が増す。

ただし、こうした部屋には心配な点もある。騒音だ。壁などを挟んで接する部屋が多いほど、他の部屋の騒音に悩まされる可能性は高くなる。

それでも、運よく、騒音を出さないマナーのよい人に4方向を囲まれた場合は、ラッキーな結果となる場合が多い。冬の暖房だけでなく、夏の冷房もよく効く、快適な部屋になりやすい。

2.窓の仕様―――2つの窓が重なる二重窓か? アルミサッシの1枚窓か?

窓は、熱の通り道だ。冬は、部屋の熱が窓を通ってたくさん外へ逃げていく。同時に、外の冷気が窓から部屋の中へ入ってくる。室内から出て行く熱のうち、5割以上が窓を通過するとの研究結果もあるほどだ。

そこで、大事なのが窓の性能となる。断熱性能だ。たとえば―――

  • 「窓が2重に設置されている二重窓」
  • 「窓ガラスが2枚以上重ねられている複層ガラス」
  • 「ガラスがはまる枠=サッシが、熱を通しにくい樹脂製」

これらは、古い賃貸などでよく見られる「アルミサッシの1枚窓」よりも断熱性能が高い。加えて、上記は3者全てが揃ったセットのかたちで導入されることも多い。セットの場合、アルミサッシの1枚窓に比べ、断熱性能はとりわけ大幅にアップする。

よって、窓がそのような仕様であれば、当然のこと冬の暖房だけでなく、夏の冷房も効きやすい。快適な部屋となる可能性が高いわけだ。

3.廊下―――外に面さない内廊下か? 吹きさらしの外廊下か?

窓同様、玄関ドアも、部屋の熱が外に逃げ出す通路となりやすい。

たとえば、冬になると、スチール製のドアの内側表面が結露しているのをよく見かけるという賃貸ユーザーも多いはずだ。部屋の暖気が外へ、外の寒気が部屋の中へ、移動している証拠となる。

そこで、昨今、分譲マンションや一戸建てでは、断熱性能の高いハイグレードなドアが設置されることも多い。しかしながら、コストが相応にかかるため、賃貸ではなかなかこの点、充実しにくいのも現実だ。

だが、そこを上手くカバーしてくれる仕様もある。「内廊下」だ。居室の玄関ドアが外気に直接面さない、いわばホテル風スタイルとなる。

内廊下であれば、玄関ドアを通した熱の移動は、吹きさらしの「外廊下」に比べ、通常は低減される。賃貸での導入は少ないが、熱環境の面では恩恵が期待できるかたちとなる。

4.ロフト付き―――便利さと快適性を天秤にかけることに

単身者向けの賃貸物件でよく見られる仕様のひとつに「ロフト」付きがある。大型の収納になってくれたり、規模によっては寝床にもなったりと、とても便利な空間だ。

一方、「ロフト付きの部屋は寒い」は、昔からよく聞かれる声だ。暖房で温められた空気を高い位置にあるロフトがどんどん吸い上げることで、足元ほど寒くなる。こうした状態は、ロフトの容積が増えるほど顕著になりやすい。奥行きも高さもある「屋根裏ロフト」が部屋に付いている場合など、特に要注意だ。

5.間仕切りドアの有無―――ワンルーム(1K)の住み心地を左右する

単身者向けの間取りとして、一般的なワンルーム。主に2種類が存在する。ひとつは、居室の壁の一部にキッチンや玄関がくっつくようなタイプだ。文字どおり“ワン”ルームといった印象になる。

もうひとつは、居室が独立したタイプとなる。玄関・キッチン・バスルーム・トイレがワンセットに集められている空間のさらに奥に、居室が広がるというのがよくあるかたちだ。

そこで、問題は後者となる。こちらは、キッチンなどがある空間と居室との間に、間仕切りとなるドアや引き戸があるタイプと、無いタイプにおおむね分かれる。

そのうえで、ドアや引き戸がないタイプの場合、暖房で温められた居室の空気がキッチン側に流れ出しやすい。と、同時に、玄関ドアに触れて冷えた空気が床を伝って、居室側へ流れ込みやすいかたちともなるわけだ。すなわち、冬寒くなる可能性が高い部屋となる。

ちなみに、後者(居室独立型)の間取りは、広告などでは「1K」と表示されていることも多い。間仕切りドアや引き戸が存在する場合は、さらにそうだろう。だが、そうでなくとも、キッチン等の集まる空間と居室が明確に分かれているのであれば、1Kの表示は基本として可能だ。

せっかくの仕様が無駄に? チグハグな例も

以上、その部屋が冬に暖かい部屋か? 寒い部屋なのか? ひと目である程度の予測が立てられるケースを5つ挙げてみた。

もちろん、このほかにも、建物の寒さ・暑さに関しては、色々な要素が結果に絡んでくる。部屋の日当たりや、木造・鉄筋コンクリートといった構造の違い、断熱材の状態や有無など、色々だ。

さらに、特に賃貸の場合、チグハグな例も時折見られるので注意しよう。

たとえば、居室の窓は断熱性能の高い二重窓なのに、キッチン側の窓はなぜか隙間だらけのルーバー窓(※)……

しかも、居室とキッチン側がドアで間仕切りされていない……

せっかくの二重窓が、効果台無しの状態になっているわけだが、こういった類のチグハグ、賃貸では結構「あるある」なので、ぜひ気をつけよう。

(※……ハンドルを回して羽重ねされた複数のガラス板を動かし、開閉するタイプの窓。構造上閉じても隙間が生じる)

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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