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【勝手にデータ解釈】書斎は本当にテレワークに適している?

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文/朝倉継道 構成/編集部 イメージ/©︎undrey・123RF

新型コロナで、在宅勤務を経験した人の1番の困りごとは、「仕事に適した部屋がない」。今後、住まいで取り入れたいのは、「4畳半程度の個室」が62.4% 「2畳程度の最小限の個室」でも50.4%…

このような数字が見られる調査結果、「新型コロナウイルス影響下における住まいの意識調査レポート」をミサワホーム総合研究所が6月30日に公表している。調査対象は、「コロナ」の影響により在宅勤務を行った、全国の20~69歳の男女オフィスワーカー・824名。なお、ここでのオフィスワーカーとは、「一次産業に従事する方、自営業、自由業等を省いた仕事を持つ方」で、なおかつ、既婚者、世帯年収は400万円以上。さらに、いま住んでいる住まいの内訳は、戸建居住者618名、マンション居住者206名となっている。


出典/「新型コロナウイルス影響下における住まいの意識調査レポート」(ミサワホーム総合研究所)

いくつか、興味深い項目をチェック。まずは「在宅勤務での困りごと」。パーセンテージの大きな上位6つをピックアップしてみた。

1位「仕事に適した部屋がない」…28.4%
2位「運動不足や座りっぱなしによる身体疲労」…27.8%
3位「仕事に適した家具・設備がない(デスク、モニタ、椅子など)」…26.3%
4位「連続して同じ場所で仕事をするため疲れる、集中力が途切れる」…21.0%
5位「家族からの話しかけ」…20.6%
6位「住まいのなかの音(TVの音、調理や掃除の音、家族の話し声、換気音、機械音など)」…19.8%

なるほど、そうだろうな、といった感じではあるが、では、このように回答した人たちは自宅のどこで仕事をしていたのか? TOP3を挙げてみる。


出典/「新型コロナウイルス影響下における住まいの意識調査レポート」(ミサワホーム総合研究所)

1位「リビング」…55.3%
2位「書斎」…23.2%
3位「寝室」…17.7%

次いで、以上2つの設問とかけ合わせた回答を見てみる。すると、「在宅勤務での困りごと」はどこで起こりやすいのかが見えてくる。


出典/「新型コロナウイルス影響下における住まいの意識調査レポート」(ミサワホーム総合研究所)

「仕事に適した部屋がない」
リビング勤務でそう感じた …35.1%(3つの場所中1位)
書斎勤務でそう感じた …16.2%
寝室勤務でそう感じた …30.8%

「運動不足や座りっぱなしによる身体疲労」
リビング 〃 …25.9%
書斎 〃 …31.9%( 〃 1位)
寝室 〃 …31.5%

「仕事に適した家具・設備がない(デスク、モニタ、椅子など)」
リビング 〃 …30.5%
書斎 〃 …26.2%
寝室 〃 …34.9%( 〃 1位)

「連続して同じ場所で仕事をするため疲れる、集中力が途切れる」
リビング 〃 …20.4%
書斎 〃 …28.3%( 〃 1位)
寝室 〃 …23.3%

「家族からの話しかけ」
リビング 〃 …20.6%
書斎 〃 …27.7%( 〃 1位)
寝室 〃 …24.0%

「住まいのなかの音(TVの音、調理や掃除の音、家族の話し声、換気音、機械音など)」
リビング 〃 …21.1%
書斎 〃 …24.1%
寝室 〃 …24.7%( 〃 1位)

以上、じっくり眺めてみると、「書斎」で面白い数字が出ていることに気づく。「仕事に適した部屋がない」での低いパーセンテージから、書斎は、リビングや寝室に比べ、比較的仕事に適した場所と見られていることが分かる。しかし、その「適している」が、現実にはどうやら裏目に出ている。「家族からの話しかけ」を見てほしい。書斎の数字がもっとも伸びている。つまりは、仕事しやすい書斎・仕事に集中したい書斎であるがゆえに、愛する家族からであっても、不意な話しかけにはイライラしてしまうということだ。さらには、「運動不足や座りっぱなしによる身体疲労」「連続して同じ場所で仕事をするため疲れる、集中力が途切れる」も、そうである。いずれも書斎の数字が伸びている。

書斎は本当に在宅勤務の場に適しているのか? 何やら怪しくなってきた。筆者は、おそらくは書斎よりもリビングの方が、在宅勤務の場としては、結果的にいいのではと感じる(ただし家族は邪魔に思うだろう)。

ほかにも「今後住まいで取り入れたい要素」を尋ねた結果もある。


出典/「新型コロナウイルス影響下における住まいの意識調査レポート」(ミサワホーム総合研究所)

「在宅勤務空間」部門の5要素を「取り入れたい」と「やや取り入れたい」の割合の合計が多い順に並べてみる。

「4畳半程度の個室」…62.4%
「リビングやダイニング横などにカウンター設置」…52.5%
「2畳程度の最小限の個室」…50.4%
「部屋を間仕切りして一時的にスペース確保」…49.5%
「1ヶ所ではなく複数ヶ所(に在宅勤務空間を持つ)」…48.9%

このうち、「4畳半程度の個室」と「2畳程度の最小限の個室」を挙げられた人は、現在、個室がないのでは…と、いうことで、おそらく今回「書斎」での在宅勤務をしていないはず。では、実際に希望の個室を手に入れられた場合はどうなるのか。その答えは、すでに見えてきている気もする。なお、筆者は、上記5要素のうち最下位の「1ヶ所ではなく複数ヶ所(に在宅勤務空間を持つ)」が、もっともオフィスワーカーの在宅での勤務をはかどらせてくれる環境なのではないかと思っている。

以上、紹介した内容以外にもたくさんの興味深い設問・回答が見られる当調査、ぜひ確認してほしい。

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