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日本人の人口が1年で50万人減 それでも“キテる”「外国人」「東京」「世帯数」

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文/朝倉継道 イメージ/©︎Peter Austin・123RF

調査開始以来、最大の減少幅

8月5 日、総務省が住民基本台帳に基づく人口動態調査の結果を公表した。大きなトピックとしては、

・2020年1月1日時点の日本人住民人口は1億2427万1318人。前年から50万5046人の減少
・現行調査開始(1968年)以来、最大の減少幅
・減少は11年連続

といったことが挙げられる。

日本人住民が増えたのは、都道府県別には東京都、神奈川県、沖縄県の3都県のみ。それに対して外国人住民は全国で286万6715人と、前年より19万9516人のプラスとなり、島根県を除く46都道府県で増加した。


出典/総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和2年1月1日現在)

そして外国人住民の人口総計に占める割合は全国で2.25%、都道府県でもっとも割合の高い東京都では4.17%となっている。およそ25人に1人が外国人ということだ。

この結果は、東京を中心とした賃貸住宅市場において、外国人入居者をもはや無視することはできないということを表している。ただし、新型コロナウイルス感染拡大の先行きが、今後このことにどう影響するのかについては不透明である。

20年で200万人増加 止まらない東京一極集中 

日本全体の人口は増えていく外国人を合わせても減ってきている状況であるが、東京においてはかなり様子が異なる。

先般、都が公表した8月1日時点の東京都の推計人口は1399万3721人、6月に発表された5月1日現在の人口は1400万を超えていた。その後、わずかに減ったが、近い将来あらためてこの大台を超え、さらに伸びていくことは間違いないだろう。

東京都の総人口の推移を示した都総務局のグラフを見てみる。


出典/東京都総務局「東京都の人口(推計)の概要」(令和2年1月1日現在)

・人口が1100万人を超えたのは昭和43年(1968)
・1200万人を超えたのが平成13年(2001)

この間30年以上にわたって、人口の増加はおおむねなだらかであった。ところが、そのあと急増が始まる。

・1200万人超から1300万人超へ推移した期間は9年
・1300万人超から1400万人超へ推移した期間は10年

実に、およそ20年のあいだで約200万人も増えているのだ。

名古屋市の人口に迫るほどの人数と考えれば、いまの日本にあって、東京の異様な人口増加ぶりがよく分かる。ちなみに20年8月1日現在の名古屋市の推計人口は約233万人となっている。

人口は、賃貸・売買をひっくるめた、あらゆる不動産関連市場の基盤である。

国土全体においての総数が減っていく中、東京への集中と増加が今後もしばらく続くようであれば、その間、東京の不動産市場は、おそらく他とは次元の違う様相を呈していく可能性がある。不動産にかかわる者にとって、東京は、「東京か否か」「東京とのつながり・関わり」、両方の点において一段と重要なカギとなる。

総世帯数における対前年増50万超えは、ここ5年にわたって続いているトレンド

次に、総務省の人口動態調査に戻り、注目したいのが「世帯」数だ。その数(全国の総計)は、20年1月1日現在で5907万1519世帯。前年に比べ54万4402世帯が増えたことになっている。なお、1世帯の平均構成人員は2.15人。前年より0.03人の減少となる。

そこで、冒頭に挙げた日本人住民人口なども含め、現在の日本の人口と世帯数のあらましを並べ掲げてみよう。

日本の総人口:1億2713万8,033人(前年より30万5530人減)
 内、日本人住民人口:1億2427万1318人(前年より50万5046人減)
 内、外国人住民人口:286万6715人(前年より19万9516人増)

日本の総世帯数:5907万1519世帯(前年より54万4402世帯増)
 内、日本人住民・複数国籍※の世帯:5738万526世帯(前年より38万4011世帯増)
 内、外国人住民の世帯:169万993世帯(前年より16万391世帯増)

※「複数国籍の世帯」とは、日本人住民と外国人住民との混合世帯をいう


出典/総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和2年1月1日現在)

ご覧のとおり、日本の総人口と、その大部分を構成する日本人住民人口については、それぞれ30万以上減、50万以上減と、大きな減少を示しているが、興味深いことに世帯数はかなりの幅で増えている。単純な話、人がバラけ、ひとつ屋根の下に集まりにくくなっているということだ。

なお、これは前年から今年にかけてのみのことではなく、総世帯数における対前年増50万超えは、ここ5年にわたって続いているトレンドだ。加えて、ここでも外国人がそれを大きく支えている点が興味深い。

繰り返すが、人口は賃貸・売買をひっくるめたあらゆる不動産関連市場のもっとも大きな基盤である。その人口をカギに国内を見る場合において、「外国人」「東京」「世帯」は、現在、3大キーワードといって過言ではない。国内における不動産投資の今後を見極めるため、つねに補助線としておくのが妥当であろう。

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