シリーズ「建築業界の裏側」その6
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/07/26
皆さんは、建築(リフォーム)などを頼む業者さんを探す時にどうやって探しますか?親戚や友人、知人関係に声をかけて探します?それとも、お勤めの会社絡みでお願いする形ですか?タウンページやネットで探しますか?探し方はいろいろありますが、親戚や友人、知人に頼むケースが一番多いそうです。心情的な面から考えると、わかる気がしますね。ただ、そんな環境があるにも関わらず、トラブルが多い?
消費者が期待している事が実現していない感じですね。そこには、どんな問題があるのでしょうか?
~まず、消費者が期待している事。
①分からない事が多いから、安心して任せたい。
②特別な関係を背景にした、サービスを受けたい。
親戚や友人・知人に頼むのは、安心とサービスのいいとこ取りの両立でしょう。
消費者の立場からすれば、当然でしょう。しかし、前回までのブログを見て頂ければわかる通り、とても一筋縄で行くような業界では無いことも、お分かり頂けると思います。では、業者側ではどの様に考えているのか?
~実は、そんなに特別な期待は出来ないんです。
①建築業界の場合、材料・人件費・経費などの費用が掛かる事。
②どんな工事であっても利益は必要な事。
業者側にとっては、頂いた金額から材料や人件費などを引いて利益を取らなければ、無駄に時間だけが浪費された事になってしまいます。発注者が誰であれ、この構図は変えられません。と言う事は、ある意味どこに頼んでも一緒なのか?と言う疑問が湧いてきます。
でも、顔見知りの人なら安心なのでは?本当にそうでしょうか?以前何度か自分が営業だった時に、お客様から同じような話をされた事があります。
~自分は某ハウスメーカーの営業でした。そのお客様方は、いずれも親類や知人に建築屋さんがいて、その話も聞いていました。が、結局 自分と契約して下さったのです。自分も不思議に思い、理由を聞いてみると…。
「顔見知りや、知り合いなら、何かあった時にいろいろ言いやすいと思っていましたが、2度・3度と回数が増えるにつれて、反対にだんだん言いにくくなって、かえってやりづらかった。」「最初から、純粋に注文者と請負者の関係の方が、余計な感情や関係が反映しない分やりやすく思った。」
という話を、何度かされました。この話をしてくださった方は、皆さん今回が初めての工事という方ではなく、2度目・3度目の工事の方が殆どです。過去の経験からと言う事でしょう。もちろん、その理由だけでは無いでしょうが、確かに想像できるお話しでした。だからと言って、親戚や知人のケースを全否定している訳ではありません。
ただ、過度の期待や無理なネゴは、お互いの為に良くない事を覚えておいて欲しいと思います。自分も含めてそうですが、経験者のお話しは本当に勉強に、参考になります。これから工事などを考えている方も、いろいろ勉強して「ご自身で選ぶ」事をお勧めします。
建築業界の話は、一旦今回で終わりますが、また違う題材で適時お話ししようと思っています。次回は、賃貸住宅についての話をします。
[お困りごともお気軽にご相談下さい]
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。