シリーズ「建築業界の裏側」その5
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/06/20
何故、こんな酷い事が次々と起きているのか?
~ハッキリ言ってしまえば、これこそが建築業界の根本的な問題という事です。古~い業界ですから、シキタリ・悪慣習なども歴史の長い分より多く蓄積されます。そんな影響もあるのでしょう。なぜ?を以下に説明していきます。
①建築業者(発注者)と職人さんの関係
~前のブログでもお話ししましたが、「徒弟制度」の崩壊で職人さんの「技術・誇り」などを破壊した事が、優秀な職人さんを育てる環境を壊して、それに代わる人手としてのみの職人さんを開発してしまい、その数が激増した事。これが1つ目の功罪です。職人さんだって人間です。大本の発注者のごり押しばかりでは夢も希望もありません。
発注者側では、現場の仕事から離れすぎて現場が見えていません。見ているのは利益率だったり、売上だったり…。でも、結局は現場での施工状況で「クレームや施工不良」が出ればタダではすみません。
その会社自体だって、「評判を落とす」事に繋がります。それでも、「クレームや施工不良」だけを職人さんに被せて知らんプリをしている会社が数多いるわけです。
こんな環境では、良い仕事をする方が難しくなります。古くは、製材所などでも「いじめ的な」不良材の押しつけをしていたり仕事を請け負ってから、賃金や金額を安く改定したり…。一方的な内容が多くあります。その不満などを、発注者などに直訴しても一向に受け入れてもらえず下手をすると、「干されて」しまいます。こんな環境下で、マトモナ仕事を想像できますか?
②新参入の職人さんの「無茶ぶり」
~あまり大きな声では言いにくいのですが、大した技術も知識もなく業界に参入してくる職人さんも沢山います。この職人さんたちは、ある意味平気で見積り合戦に飛び込んでいき平気で「トンデモナイ金額の見積もり」を出したりします。一般の消費者からすれば、同じ工事で破格の見積もりを提示されればその業者さんなり、職人さんなりを信じてしまいがちです。ただ、見積りどうりにはまず、なりません。それじゃあ詐欺でしょう!
~完成したものを買うのでしたら、完全に詐欺です。しかし、新築住宅の建築やリフォーム工事の場合、内容が大きく変わってきます。例えば、「土地の地盤」などは実際に検査して見なければ、内容はわかりません。更に、検査の結果わるい結果が出れば、地盤補強なり地盤改良なりの工事が追加で必要になります。また、リフォーム工事などの場合でも、古くなった住宅の床下や壁の内側は工事を始めてから中身がわかのです。
傷みが予想以上に酷ければ、追加で改修工事が増えてしまいます。これ全てもっともな話ですよね。ただ、安い見積もりで契約して置いて、後からこのもっともらしい内容の工事を追加請求された場合、いかがですか?更に、その追加見積もりに前の見積もり分まで付加されていたとしてお分かりになるでしょうか?普通、契約して工事を始めた状態では、断れませんよね?これを常套手段にしている業者さんだったら…。
■「安くていいもの」だったんでしょうか?
反対に、安い金額のまま契約して工事をしてもらい…。無理がたたって、工事途中で破産したり、工事自体の内容が劣悪
だったりしてたとしたら、「安くて良かった」んでしょうか?この手の業者さんは、補修や改修、点検などまず、殆どやってくれません。いわゆる「やりっぱなし」
③仕事現場と管理者(発注者)の2分化
~これは表題の通りです。現場をキチンと管理できていないという事に尽きます。現場の経験ゼロ、知識もない、職人さんの事もわかっていない様な現場監督が激増しています。①の関係から、管理者は頭ごなし、責任感ゼロ、何かあれば職人さんの責任…。これでは上手くいくわけありません。こんな現場の職人さんも、上手く騙せば、要領よくやれば…。となって、現場のお客さんの方を向いている人ゼロ!どうなってしまうのでしょう。
※以上の問題を抱えている業界だから「クレーム産業」なんて不名誉な称号を頂いているのです。でも、今回までの業界の情報を持って頂けば、ご自身の「契約」に間違いなく有利に働くと思います。基本的に「安くて良い物」は無いんだ。と考えて頂く方が間違いは劇的に少なくなりますでしょう。
次回ももう少し建築業界のお話しをしたいと思います。チョット知識に足せるようなお話をします。
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この記事を書いた人
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