年収300万円でも不動産投資で成功するために必要なこと(2/2ページ)
尾嶋健信
2016/06/22
自己資金300万円を貯めることができますか?
そこで、年収の少ない人、たとえば年収300万円の人が不動産投資を始める場合にオススメしたいのが、まずは最低300万円の自己資金を用意しておくことです。
自己資金をしっかり貯金しておけば、賃貸アパートを購入した際の「新陳代謝」にも即応でき、空室対策をただちに行うことができます。逆にいえば、300万円以上の自己資金を用意できないのであれば、年収300万円の人は、不動産投資を始めるべきではないと考えます。
年収300万円の人が、300万円貯金することは確かに大変です。しかし、私が相談を受けた人のなかには、月収25万円ながら、毎月10万円ずつ貯金して、30カ月で300万円貯金した人もいます。
では具体的に、300万円貯金がたまったら、どのように不動産投資を始めればいいのでしょうか。
おすすめは小規模な中古アパートを購入すること
年収300万円の人は、残念ながら、民間の金融機関から不動産の購入資金を借りることはむずかしいです。そのかわり、日本政策金融公庫や住宅金融支援機構などの政府系金融機関であれば、不動産購入資金の融資を受けることは可能です。
そこで私のおすすめは、先ほどご紹介したような、東京郊外もしくは地方都市の6室程度の小規模な中古アパートを購入すること。価格の目安は3000万円から3500万円くらいまで。自己資金300万円のうちの半分くらいを頭金に充当し、残りを政府系金融機関からの融資でまかなうのです。先ほども少し述べた通り、このクラスの中古アパートは意外に表面利回りが高く、ときには1億円クラスの物件を買ったときと同程度の利益が出ることもあります。
問題は、築年数の古い中古アパートの場合、オーナーとしてやるべき仕事が増えること。前回の記事でご紹介した、いわゆる「やることリスト」が多くなるのです。
不動産投資初心者=新米オーナーであれば、「やることリスト」の少ない物件のほうが、失敗するリスクは低い。前回、そう説明しました。そして、その条件を満たす物件として、新築RCマンションをおすすめしました。新築であれば、漏水などの不具合が発生しにくく、マンション全体の管理を不動産管理会社に一括して任せやすいからです。
一方、中古の小規模アパートであれば、そろそろ補修のことも考えなければならないし、管理会社に多くは期待できない(儲からない物件だと、管理会社も動いてくれない)ため、オーナー自身やるべきことが多く、手間がかかります。
その点でいえば、確かに初心者向けではないのですが、とはいえ、全体で6室しかなければ、やるべき仕事の量もタカが知れています。「やることリスト」の項目は多いけど、全体の仕事量は少なくてすむのです。
以上見てきたように、年収300万円の人でも、不動産投資を始めることはできます。ただし、失敗しにくい方法を取りたいのであれば、始める前に300万円の自己資金を用意したうえで、オーナーとしてそれなりの手間がかかることを覚悟しておく必要があります。
年収が少ない人でも、その分だけ労力をかければ、不動産投資で利益を出すことは十分に可能なのです。
この記事を書いた人
満室経営株式会社 代表取締役
1970年、神奈川県逗子市生まれ。青山学院大学経営学部卒業。 大学卒業後、カメラマン修行を経て、実家の写真館を継ぐ。その後、不動産管理会社に勤務。試行錯誤の末、独自の空室対策のノウハウを確立する。 2014年時点で、500人以上の大家さんと4000戸以上の空室を埋めた実績を持つ。著書に「満室革命プログラム」(ソフトバンククリエイティブ)、「満室スターNO1養成講座」(税務経理協会)がある。 現在、「月刊満室経営新聞(一般社団法人 日本賃貸経営業協会)、「賃貸ライフ(株式会社 ビジネスプレス出版社)」にコラム連載中。 大前研一BTT大学不動産投資講座講師。