もしもに備えて入っておくべき保険とは?
浅井佐知子
2016/02/27
投資用物件にかける保険
そのような不慮の事故が起こってしまったときの心強い味方が保険です。保険に入っていると、保険金でそれらの損害をカバーできるので、投資用物件を購入した時には必ず保険に加入しましょう。
入るべき保険は以下の通りです。
(1)火災保険
購入金額の全額補償など、さまざまなオプションがあります。補償内容によって金額が変わるので、保険会社からしっかり説明を受けて、納得のいくプランに加入しましょう。この後、火災保険に組み込みたい特約も紹介します。
(2)施設賠償責任保険
所有している不動産の保守・管理に関する賠償事故が補償される保険です。施設が原因の事故や、所有者(投資者)が法律上の賠償責任を問われた際に使用できます。例えば、専有部分における給水管破損などもこのケースになり得ます。
(3)家賃収入特約
火災・破裂爆発・風災などの事故により不動産が損害を受けたときの、家賃損失を補償してくれる制度です。損害の修理のために、一時的に家賃収入が入らなくなる期間の家賃を補償します。
(4)家主費用特約
賃貸住宅(投資用不動産)内で起きた死亡事故(自殺・殺人・孤独死)により、所有者が被った費用が補償されます。家賃収入の損失のほか、部屋の清掃・改装はもちろん、遺品整理の費用なども補償対象です。
(5)地震保険
地震保険は、火災保険とセットで加入することが義務付けられています。その名の通り、地震による損害を補償してくれる保険です。火災保険だけ加入している場合、地震が原因の火事は補償されないので注意が必要です。
これら以外にも投資用不動産用の保険が用意されていますが、最低限これだけの保険には加入しておきたいものです。
火災保険における入ると安心の特約
投資用不動産を購入した際には必ず入るべき火災保険ですが、その特約として「建物電気的・機械的事故特約」は、入っておくとさらに安心感が増します。
この特約は、給湯設備。床暖房・エアコン・換気扇などの建物に付帯する機械設備の電気的・機械的な事故・故障による損害を補償する特約で、何かと便利なものです。
たとえば、給湯設備が過電流で故障したりすると、交換や修理に大金がかかることがあります。場所によっては数百万円の費用がかかることも珍しくありません。このようなときに、この「建物電気的・機械的事故特約」を結んでおくと、保険で交換・修理が行うことができるのです。もちろん、劣化による故障・損失や消耗品の交換・修理は対象になりませんので注意が必要です。
この特約、一般的にはあまり知られていないようですが、投資用不動産所有者にとってリスクマネジメントのひとつにもなります。
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この記事を書いた人
不動産鑑定士
大学卒業後、不動産会社で10年間営業を経験。その後、不動産鑑定士として活躍。 「不動産鑑定士の資格を持った不動産投資コンサルタント」としても豊富な実績を持ち、アパートの賃貸から、土地の有効利用、店舗、事務所の賃貸、不動産売買、不動産鑑定、不動産投資コンサルと合わせて計5000件以上の案件をこなす。きめ細やかなサービスで不動産投資家からの支持を得ており、その最後の集大成として、個人の投資家が絶対に失敗しない、幸せな投資家になれる啓蒙活動を行っている。著書に『世界一やさしい不動産投資の教科書 一年生』、2021年1月出版の新刊『世界一楽しい 不動産投資の授業』がある。