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いまさら聞けない融資と資金の基本(8/11)

不動産投資の融資交渉は根気よくあきらめずに

赤石崇士赤石崇士

2016/02/24

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まずは不動産会社に相談してみる

初めて不動産投資を行なう場合、最初から金融機関とのパイプがしっかり確立されている投資者はまずいないでしょう。そこで、いちばん確実に金融機関とのパイプがつながる方法が、不動産会社に相談することです。

多くの不動産会社、特に投資に特化した不動産会社には提携している金融機関がいくつかありますので、投資家の属性や物件の状況から融資をしてくれる可能性が高い金融機関を紹介してもらいましょう。

金融機関としても、つきあいのある不動産会社からの紹介となれば、初めての相手でも信用度は高くなります。無下にすることはもちろんありませんし、真剣に融資の相談・審査に取り組んでくれるはずです。

融資の相談はあきらめてはいけない

もし不動産会社が金融機関を紹介してくれない場合や融資を断られた場合、自分で融資してくれる金融機関を探さなければいけません。自営業の場合ですと取引のある金融機関があると思いますので、そのラインから話を進めていくと有利でしょう。またサラリーマンでも、給与振り込み用の口座を持っている金融機関から最初に相談してみましょう。

まったく取引のない金融機関はハードルが高いので、少しでも取引のある金融機関のほうが相談に乗ってくれる可能性が高くなります。

また、投資をしている友人を持っておくとこういったときに有利です。というのも、その人が利用している銀行を紹介してもらえば、銀行としても顧客からの紹介は断りづらいので、前向きに検討してくれる可能性が高まります。

初心者の場合、実績がないため金融機関から門前払いにされてしまうかもしれませんが、そこであきらめてはいけません。また、ひとつの金融機関としか交渉してはいけないというルールはないので、申し込みは複数の金融機関に同時に行ないましょう。事業計画・収支計画を立て、ちゃんと利益が出る物件であれば、どこかの金融機関が手を差し伸べてくれます。

極端な話、投資物件の収益性についていい判断が出れば融資は通ります。Aという金融機関の基準では収益性が低いと評価された案件でも、Bという金融機関では追加融資もOKという判断が出ることもあります。ある金融機関で融資がだめだったからといって、そこであきらめてはいけないのが、不動産投資の融資を成功させる秘訣のひとつです。

パイプができると後が楽になる

一度融資を受けて、その後滞りなく返済していくと、投資者と金融機関の間のパイプが強固なものになります。ゼロベース(最初の契約)ではむずかしかったことでも、信頼関係ができていると投資拡大のために再び融資を申し込むときには意外と話が通りやすくなっているものです。

ちなみに、自分の住んでいる場所からかなり遠くの物件に投資をする場合、どのような金融機関とつきあえばいいのでしょうか?

基本的には、自分の住んでいる場所と投資をする場所の両方に支店がある金融機関でないと、融資が通らない可能性が高いです。これは単純に物理的な問題で、たとえば関東にしか営業所がない金融機関に北海道や九州の案件を申し込んだとしても、審査や管理もできないからという理由です。特に信用金庫はエリア制なのでこの問題は避けられません。

このように、物件の状況にあった金融機関とのパイプを強化していくことで、不動産投資をどんどん拡大していくことができます。なお、日本政策金庫は全国に支店があり、金利が安いので使い勝手がいい金融機関といえるでしょう。

 

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この記事を書いた人

公認会計士、税理士

1994年、大阪大学経済学部卒業後、東証1部上場の印刷会社に入社、営業部、経理部に所属。2004年に公認会計士2次試験合格後、監査法人および併設税理士事務所に勤務。09年9月に赤石会計事務所を開業。宅地建物取引士(試験合格)の知識や資産税の知識等を活かし、不動産関連の顧客を多数有する。 近畿税理士会下京支部研修委員を務めるほか、講演、研修も多数行なっている。

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