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いまさら聞けない融資と資金の基本(1/11)

まず押さえたい不動産投資ローンの基礎知識

赤石崇士赤石崇士

2016/02/24

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不動産投資のローンを利用する条件

不動産投資のローンは当然ながら借金ですから、毎月きちんと返済していく必要があります。返済の主な原資は、不動産を貸付けることによる家賃収入です。しかし、ローンの返済が完了するまで一定の家賃収入を得られ続ける保証はありません。自分の預貯金等を返済に充てる必要に迫られる可能性もあるということです。

ローンを利用する際には、いざというときは切り崩して返済にあてられるような預貯金等の資産がある程度持っていることは必須といえます。

一般的に、不動産投資のローンは住宅ローンと比較すると金利が高く、審査の条件が厳しいです。家賃収入が想定どおりに得られない場合のことやきちんと諸経費などを織り込んで収支計算をしておかないと、赤字になることも少なくありません。まずは、不動産を紹介してくれる不動産会社がすすめるローンの条件を見て、自分なりに当たりをつけてみるとよいでしょう。

標準的な銀行の融資条件

融資条件は金融機関によって異なりますが、ここでは、標準的な銀行の融資条件を確認しておきましょう。

・借り入れ時の年齢が満20歳以上60歳未満で最終返済時に80歳未満の人
・同一勤務先に3年以上勤務している人(自営業は営業開始後3年以上経過している人)
・前年度の税込み年収(自営業は所得)が500万円以上で返済期間も安定した収入が見込めること
・団体信用生命保険に加入できる人
・保証会社の保証が受けられる人
・借入金の使途は「アパート」「マンション」「一戸建て」
・借り入れ限度額は1000万円以上2億円以内(10万円単位)
・借り入れ期間は1年以上35年以内
・借り入れ金利は「変動金利型」「固定金利期間特約付き変動金利型」から選択
・返済方法は毎月元利均等分割返済(元金と利息を合わせた毎回の返済額が一緒)
・原則として借り入れ対象となる不動産の共有者は連帯保証人となる
・金融機関が必要と判断した場合、連帯保証人が必要
・事務手数料として借り入れ金額の1.08パーセント(税込)が必要

「買付証明書」を出す前にやるべきこと

これらの条件をクリアするというのがひとつの目安になります。金利は銀行(金融機関)やその人の信用力によって違うので、複数の機関を調べて有利なところを選びましょう。

ローンの金利の調査に関しては、「買付証明書」(*)を提出する前にいろいろな金融機関から「どれくらいの金利でどれくらいの額のローンを組めるのか」を教えてもらったほうがいいでしょう。金利は金融機関・年齢・職業・不動産の種類で変わってきますので、事前に知っておいたほうが収支計画を立てやすいと思います。

(*)「買付証明書」:気に入った不動産に対し購入する意思を表明する書面。ローンを組む場合は、この証明書に「ローンの金額」「ローン特約の有無」を記入することになっています。

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この記事を書いた人

公認会計士、税理士

1994年、大阪大学経済学部卒業後、東証1部上場の印刷会社に入社、営業部、経理部に所属。2004年に公認会計士2次試験合格後、監査法人および併設税理士事務所に勤務。09年9月に赤石会計事務所を開業。宅地建物取引士(試験合格)の知識や資産税の知識等を活かし、不動産関連の顧客を多数有する。 近畿税理士会下京支部研修委員を務めるほか、講演、研修も多数行なっている。

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