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優しいプロの声とオーナーが慌てたエピソード ペット不可のつもりが契約書ではOKに

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文/朝倉 継道 イメージ/©saskekun・123RF

アットホームが、この4月(2021)に、「不動産のプロが選ぶ!ペット可物件でおすすめの住まいの条件ランキング」と、題した調査結果を公表している。

全国のアットホーム加盟店を対象とし、プロの視点から見た入居者さんへのアドバイスや物件選びのためのヒントを伝えてもらう、同社恒例のレポート・シリーズだ。

早速、中身を紐解いてみよう。最初は「犬編」となっている。

犬を飼っている入居希望者におすすめの条件 第1位は

「ペット可物件(犬)を探しているお客さまに、おすすめしたい住まいの条件を教えてください」との質問に対し、「ペット可物件(犬)を探しているお客さまの接客を担当したことがある」とする、全国の953店舗から、複数回答での答えが寄せられている。

回答割合10%を超える、1位から13位までを以下に掲げてみたい。

1位「動物病院が近い」…31.6%
2位「犬が入れる公園が近くにある」…31.2%
3位「玄関脇(エントランス脇)に洗い場がある」…29.7%
4位「傷が付きにくい壁材が備わっている」…29.5%
5位「足に優しい、滑りにくい床材」…22.6%
6位「安全な散歩ルートがある」…21.4%
7位「風通しが良い」…17.0%
8位「日当たりが良い」…15.9%
9位「ペット対応のエレベーターがある(ドアがゆっくり閉まるなど)」…13.1%
10位「散歩に出やすい階数である」…12.5%
11位「餌やトイレグッズを買う場所(ドラッグストアなど)が近い」…11.5%
12位「コンセントの位置が安全である」…11.3%
13位「玄関とリビングの間に扉がある」…10.2%

ご覧のとおり、1位に「動物病院」、5位に犬のケガが予防できる「足に優しい、滑りにくい床材」、6位に「安全な散歩ルート」、9位に事故を避けるための「ペット対応のエレベーター」、そして12位に同じく「安全なコンセントの位置」と、犬の健康や安全を考えた優しい答えが並んでいる。

自身も犬を飼っている担当者が多く回答しているのだろうか。アドバイスとして一級品といえそうな内容だ。

猫を飼っている入居希望者におすすめの条件 その鍵を握るのは

次に「猫編」を紹介したい。

こちらも犬編同様、「ペット可物件(猫)を探しているお客さまに、おすすめしたい住まいの条件を教えてください」との質問に対し、「ペット可物件(猫)を探しているお客さまの接客を担当したことがある」という843店舗のプロが、複数回答で答えている。

1位「傷が付きにくい壁材が備わっている」…38.0%
2位「足に優しい、爪が引っかかりにくい床材」…32.7%
3位「動物病院が近くにある」…28.7%
4位「新築はなるべく避ける」…18.5%
4位「日当たりが良い」…18.5%
6位「風通しが良い」…18.0%
7位「猫が外を眺められる窓がある」…17.9%
8位「餌やトイレグッズを買う場所(ドラッグストアなど)が近い」…14.0%
9位「低層階(1~3 階など)」…13.3%
10位「風通しが良い」…12.6%
11位「コンセントの位置が安全である」…10.8%
12位「閑静な住宅街で騒音がしない」…10.2%

(以上、回答割合が10%を超えている答え)

こちらでも、温かなアドバイスが目立つといっていいだろう。

2位「足や爪に優しい床材」、3位「動物病院」、7位「猫が外を眺められる窓」、9位「猫が窓やベランダから落ちても安全な低層階」、11位「安全なコンセントの位置」、12位「猫がストレスを溜めない、騒音のしない場所」と、猫の安全・安心に寄り添った答えが並んでいる。

なお、以上につき、実際のレポートでは、犬編で22位まで、猫編では20位までの回答が紹介されている。プロたちのフリーアンサーもいくつか載せられていて、そちらの内容も面白い。下記リンク先で、ぜひご覧になっていただきたい。

アットホーム 不動産のプロが選ぶ!ペット可物件でおすすめの住まいの条件ランキング」 

オーナーは大の鳥嫌い 賃貸併用住宅なのにどういうわけか「ペットOK」に…

ところで、以前体験した、賃貸住宅でのペット飼育に絡んだちょっとしたハプニングについて、皆さんにお伝えしておこう。 

それは、「ペット不可」を厳しく徹底したい意向のオーナーの物件が、どういうわけか「ペットOK」になっていたという、不思議な展開のお話だ。

答えを一気に言おう。そのオーナーの物件の入居者募集を担当していた仲介会社が使用していた賃貸借契約書が、

・国土交通省の標準契約書をひな型にし
・なおかつ、そのなかのペットに関する規定には手を加えていないもの

だったのだ。実は、この「標準契約書」をそのまま使うと、ペットに関しては、貸主・借主間で、以下のような約束が交わされることになる。

「犬、猫は飼ってはいけないが、観賞用の小鳥、魚などであって、明らかに近隣に迷惑をかけるおそれのない動物は飼ってもよい」 

見てのとおり。文鳥やセキセイインコなどといった小鳥については、どう読んでも、飼育はOKだ。

それだけではない。ハムスターやモルモット、ウサギ、もしかするとトカゲや毒のない小型のヘビなども、「近隣に迷惑をかけるおそれのない」動物に当たる可能性は高いだろう。

「犬・猫だけでなく小鳥もダメ」「熱帯魚を飼う大型水槽など部屋に置かれて、地震のときにひっくり返ったらどうするんだ!」と、いった場合は、標準契約書を丸写しにせず、条文にはしっかりと手を加えておかなければならない。

そのうえで、実は、この物件のオーナーは大の鳥嫌いだった。重いアレルギーも持っていた。物件は賃貸併用だった。オーナーと入居者は同じ建物に住んでいる。

たまたま、会話のなかで、「オーナーさんの物件では小鳥は自由に飼えますよ」と、お伝えしたことで、「えっ、まさか!」の流れになったわけだ。

幸い、その時点で入居者さんに小鳥を飼っている人はいなかった。爬虫類や魚なども、飼っていた人は一人もいなかった。オーナーは、慌てて仲介会社に連絡し、契約書の文言を改めてもらったようだ。

国交省 賃貸住宅標準契約書について

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