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物件使用目的を偽って入居してくる「メンズエステ」(1/2ページ)

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文/朝倉 継道 イメージ/©︎paylessimages・123RF

特に多いのが駅近のマンションの一室

部屋の使用目的を偽ったり隠したりして、賃貸物件に「メンズエステ」が入居する事例が増えている。

メンズエステとは、女性従業員が、個室で客の男性と2人きりになり、マッサージを主体としたサービスを行う業態。男性向き脱毛サロンなどもメンズエステと呼ばれることがあるが、近年は前者を指すことが多くなってきている。特に多いのが駅近の賃貸マンションの一室などで表示を一切しないままひそかに営業するケースだ。

集客はウェブサイトとSNSで行い、SNSでは従業員が個人のアカウントで発信する。客は、それらを見て気に入った女性を選び指名予約、その後、現地近くの指定された場所まで出向き、指示された番号へ電話をかけると建物へ案内される。

メンズエステの女性従業員は、「セラピスト」と呼ばれる。通常、露出度の高いコスチュームを店からあてがわれ、身体を客に密着させるなどしながら、1〜2、3時間にわたって“施術”をするのだ。

現場は密室で管理の目も大抵届かないため、客と女性との交渉によって性的サービスや売春に発展したり、もしくは女性が客からそれらを強要されたり拒否して暴行を受けたりといった事件になることもある。

誓約違反だといって客を脅し、慰謝料をゆするケースも

多くの場合、経営側は「健全店」を謳い、客には誓約書へのサインを求める。その内容は「客の側から女性に触らない」「性的サービスを女性に要求しない」といった約束が書かれたものだ。

しかしながら、そうしたプロセスがあっても、実際には女性が客からの性的サービスの交渉に応じることを黙認しているケースや、女性からもちかけるケース、交渉に応じたりもちかけたりすることを女性に強制しているケースが少なからずあるほか、なかには、性的サービスを女性にもちかけさせたうえで、あとから誓約違反だといって客を脅し、慰謝料をゆするケースもある。

賃貸物件に潜り込んでくるメンズエステは、ほとんどの場合、オーナーや管理会社には「個人の居住用」「事務所兼住居」として部屋を使うと申告し賃貸借契約を結ぶ。すなわち、一般個人やSOHOなどを装うのだ。

そして実際には人は住まず、代わりにマッサージ用ベッドや大型の鏡などが運び込まれ、あっという間に内部は「サロン」に変えられてしまう。そして事業が軌道に乗り出すと、物件には従業員である女性と客である男性が、入れ代わり立ち代わり訪れるようになる。

「見知らぬ顔が毎日オートロックをくぐってくる。どこの部屋だ」「○号室の来客が夜中までひっきりなしだ。給湯器の音が絶えない」など、入居者から苦情が出て、ようやくオーナーや管理会社が気づくというのがもっとも多いパターンだ。

そうなった場合のリスクとは何か。

ひとつは事件の発生であろう。現場は密室。そこに男女が特別なシチュエーションのもと長時間籠り続けるというのは特に危険な状態といえる。もうひとつは警察の手入れがあり得ることだ。賃貸物件に潜り込むメンズエステは、そこで性的サービスが行われた場合、「許可されていない地域での風俗営業」「無許可、無届での同営業」、場合によっては、「売春の斡旋や幇助、強制、管理」、いずれかに該当する可能性が高まる。

そのため、ある日突然警察官が物件に押しかけ人が逮捕され、オーナーも事情を聞かれるといったことが起こりかねない。

また、物件の使用目的違反がバレても先方が開き直り、立ち退かないといった可能性も排除できない。「疑うなら証拠を出せ」「事務所に使うといったはずだ。出入りしているのは取引先だ」などと抵抗された場合、まさに証拠を示すため、オーナーや管理会社がかなり苦労させられることもある。

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