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北海道でアパートの外廊下が崩落 施設賠償責任保険の必要性(1/2ページ)

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文/朝倉 継道 イメージ/©︎victor zastolskiy・123RF

他人事ではない崩落事故

10月17日に起きた、北海道苫小牧市でのアパート外廊下崩落事故。テレビやインターネットでの報道を目にされた賃貸住宅オーナーも多いことだろう。事故のあらましは以下の通りとなる。

・アパートは2階建て。2階に住む家族5人が帰宅
・部屋のカギを開けようとしていたところ、外廊下の床が抜け崩落
・5人はおよそ3メートル下へ落下
・46歳の母親と13~20歳の娘3人が足を骨折するなどのケガ
・0歳の孫も軽いケガ

家族の命、とりわけ赤ちゃんに大事がなかったのは不幸中の幸いである。報道によれば、物件は「25年ほど前に建てられたとみられる」ということのようだ。

築古といえば築古であるが、0歳を含む5人を乗せた廊下がすっぽりと抜け落ちるような事故が起きてよい古さとはとてもいえない築年数である。映像を見る限り、外壁リフォームの有無は不明だが、さほど古くは感じられない。しかしながら、崩落部分含め、外廊下の柵や外階段には、塗装の劣化やサビがかなり目立っていた。

現地は苫小牧港からの潮風を浴びやすく、塩害の多い地域という。管理・メンテナンスがかなり手薄だったことが疑われる。

事故は連鎖する可能性も

ちなみに、北海道でアパートの外廊下が崩落したといえば、2016年の函館の事故を思い出される人も多いかもしれない。

自殺をはかった住人を止めるために駆けつけた警察官6人が乗った外廊下が、すっぽりと抜け落ち、全員が2階から1階に落下、重軽傷者が出たという事故だ。インターネット上では「まるでドリフのコントだ」とネタにもなっていたが、決して笑いごとではない。冷静に考えるとゾッとさせられる事故である、なぜなら前述の通り、この事故は、ほかの事件による騒ぎの最中に起きているからだ。

もしもこのとき、騒動を気にして1階の住人が真下の廊下に出てくるなどしていれば、その人は6人を乗せた床の下敷きとなる。悲惨な死亡事故に繋がった可能性もあった。

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