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消費者庁が注意喚起 ベランダ…窓…「子どもの転落事故」に賃貸住宅オーナーも注意を(1/2ページ)

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文/朝倉 継道 イメージ/©︎makoto honda・123RF

子どもが住居の窓やベランダから転落し死亡する事故が多く発生 

9月に消費者庁が、「子どもが住居などの窓やベランダから転落し死亡する事故が多く発生している」として、「窓やベランダからの子どもの転落事故に御注意ください!」と題した注意喚起を行っている。ファミリータイプの物件を運営しているオーナーにとっては、注目しておきたい内容だ。

同庁によれば、厚生労働省「人口動態調査」、東京消防庁「救急搬送データ」、医療機関ネットワーク事業の事故情報(消費者庁と国民生活センターの共同事業)を分析したところ、「窓を開けたり、ベランダに出る機会が増えたりする夏頃から転落事故が増加」「子どもの中でも3~4歳の転落事故がもっとも多い」「2階からの転落でも、入院が必要な中等症と診断されている事例が多い」「窓が開いた部屋で子どもだけで遊んでいて発生する事例が多い」といった要因は浮かび上がったという。

具体的な要因とされている中には、物件の新築やリフォーム、原状回復の際など、オーナーが気配りすることで、危険を減らせそうなものも少なくない。

まずはベランダだ。

ベランダからの子どもの転落事故の要因となりやすい重要なひとつが、足場となってしまうモノや構造。子どもがこうした「足場」にのぼることで、手すりを乗り越え、外側に転落する危険が高まる。

もっとも要注意なのは、エアコン室外機の位置だ。手すりから近い室外機の上に子どもがのぼると、そこから、低い位置にある物干し金具や物干し竿の上から手すりの上へと、移動ルートができてしまう。これらは代表的な危ない事例だ。

さらには、危険な高さのベランダ外壁がある。子どもがのぼれる高さのコンクリート壁がベランダを囲み、その上に比較的低い柵と手すりが置かれているといったように、壁によじのぼった子どもが、そのまま容易に手すりを越えてしまえる状態となる。

ほかにも、壁や柵自体に、足場となる形状や構造が備わっているケースもある。例えば、「コンクリート壁にデザイン上のアクセントのため穴が空いていて、そこに足をかけられる」「柵が格子状になっているなど、子どもがのぼりやすいかたちをしている」、加えて、さきほどの「低い位置にある物干し金具」も、もちろん状況によっては足場となりえる。

次ページ ▶︎ | 対策はベランダそのものではなく「手前」に着目する 

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