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ドイツのベルリンはなぜ民泊を禁止したのか?

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民泊の光と闇

東京では、民泊業に商機を見出した投資家がマンションを確保したり、外国の業者が民泊のために小さなマンションを買い集めたりしていると言います。民泊新法や特区なども整備が進んでおり、様々な制限などの問題はありますが、この流れは止まらないでしょう。

一方、海外では日本とは逆に、民泊を禁止しようという動きが出ています。ドイツのベルリンでは、この5月より民泊が禁止となり、違反して部屋を貸していた場合は最高10万ユーロ(1300万円)の罰金が科せられます(物件スペースの50%以上を貸し出さない場合は民泊利用は可能)。

もちろん、この厳しい法律が制定されたのには理由があります。ベルリンでは手頃な値段で借りられるアパートが慢性的に欠乏しており、ホテルの値段も高騰気味でした。多くの家主が収益増加を求めた結果として、民泊が発達したからです。Airbnbにはベルリンだけで1万7000部屋以上が登録されていました。経済効果も相当なものがあったでしょう。しかし、民泊が発達することで、地域の住宅は不足し、家賃も高騰。その他にも様々な問題が生じるようになったのです。

観光立国フランスのパリでも、アパートなどのオーナーが民泊営業に物件を回すため、家賃が高騰していると言います。フランスでも民泊に対する規制は緩く、年間120日までしか民泊営業は許されていないのですが、どうやらこの制限は守られていないようです。日本でも民泊新法により民泊営業は180日以下と定められましたが、考えてみれば守られるかどうかはまだ未知数ですね。

パリでは、2008~2015年の外国人旅行者数が30%増えたそうです。ところが、ホテルでの宿泊は減少しているのだとか。つまり、それだけ安い民泊を利用する旅行者が多いのです。近年の外国人観光客の激増でホテルが不足している日本と重なりますね。

しかし、“旅行者”とは具体的にどんな人達なのでしょう? フランスでは、民泊による収入を確定申告している人は15%しかいないそうです。それだけでなく、民泊であれば警備も必要ないし、衛生基準もないのが実情。民泊は手軽に始められるビジネスなのです。すると当然、“旅行者”に対するガードも甘くなり、犯罪、売春の温床にもなります。盗難や近隣住民とのトラブルも起こります。テロリストの潜伏先に民泊が使われるという事態も実際に起こっています。

日本が民泊に対する法整備を急ぐのも、こういった民泊のマイナス面を未然に防ぐためです。これからの民泊は「手軽に始められるビジネス」ではなく、「ビジネスとしての覚悟」を求められるものになっていくのでしょう。

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