不動産の個人売買における重要事項説明書
ウチコミ!タイムズ編集部
2016/07/11
銀行へのローン申請において重要事項説明書(略称:重説)の提出を求められます。個人間売買では重説の代替手段の用意が必要です。
個人売買でも不動産会社の仲介が必要?
一部では不可能だと誤解されているようですが、不動産は個人間でも売買が可能です。ただし、様々な法律知識や専門知識がないと様々なリスクを背負い込むことになりますし、交渉や確認などもきちんと行わないと、後にトラブルになることがあります。もちろん、最初から買主が決まっていたり、身内間での売買であれば話は別ですが、不動産会社が「個人間売買はやめておいた方がいい」「弊社にお任せください」と言うのは、それなりに理由があってのことなのです。
特に、買主が住宅ローンを組む場合、銀行等の審査にはほぼ間違いなく「重要事項説明書」が必要になります。これは、宅地建物取引士(略称:宅建士)の資格を持つ人物でなければ作成できません(正確には、重要事項説明書の作成も実際の説明も宅建士が必要です)。ですから、不動産の契約事の現場では宅建士が契約全般に携わってくるのです。
重要事項説明書には、登記簿に記載された事項、法令に基づく制限、飲料水・電気・ガスの供給施設及び排水施設の整備状況、宅地造成または建物建築の工事完了時における形状・構造等から、契約の解除や金銭の貸借斡旋などの重要事項が記載されています。重要事項説明書は土地・建物の現況を銀行等に知らせるための重要な資料となるのです。
この重要事項説明書を作成できる宅地建物取引士は、不動産会社に多数在籍しています。なぜなら不動産会社は、5人に1人以上の割合で宅地建物取引士の有資格者を雇っていなければならないからです。
ローンを組むには重要事項説明書が必要で、その説明を受けるには宅地建物取引士が必要で、宅地建物取引士は不動産会社にいる。「やっぱり、不動産会社に仲介してもらおうかな」と考える人が多いのも頷けます。
ただし、銀行等への重要事項説明書の提出は、実は法律で決まっているわけではありません。不動産売買は銀行等からすれば基本的に知らない土地・建物のことですから、情報を得るために提出してもらうようにしているだけなのです。逆に言えば、銀行等を十分に納得できれば、重説の提出は必須ではなくなります。このため『ウチコミ!』では、間に司法書士・不動産鑑定士・弁護士を入れることで不動産調査や報告書(重説の代わりにもなります)の作成、登記手続き、契約書の作成などを安全に行えるようにし、できるかぎり銀行等のローン審査のための準備を進めています。
個人間売買について
個人間売買が可能な物件情報はこちらをご覧ください。
ウチコミ!における個人間売買の仕組み(図解)
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。