不動産の個人売買における権利関係
ウチコミ!タイムズ編集部
2016/07/09
不動産を買い取るということは、その権利を買い取るということになります。そして権利には当然義務も付いてきます。
「知らなかった」では済まされない権利の基礎知識
不動産を売買する場合は、必ず土地の権利が関係してきます。これは、個人売買はもちろん、仲介が入った売買でも、自ら所有する場合でも、所有者から借りる場合でも、基本的に変わりはありません。不動産を買い取るということは、その権利を買い取るということ。そして権利にはもれなく義務も付いてきます。今回は土地にまつわる権利についてご紹介します。
土地の権利として一般的なのが「所有権」です。「誰が所有しているのか」を明らかにするものですね。「誰が」の部分は、個人のこともあれば、法人のこともあります。所有権があれば、その土地を利用したり、処分したりすることも原則として自由です。例えば、その土地を誰か他の人に譲渡することもできます。ただし、土地の利用方法については無制限ではありません。その土地に建築する建物の構造・規模や用途は、各種の法律による制限を受けます。なお、区分所有建物(マンションなど)の場合は「所有権の共有」という形態になります。
土地の所有者になれば、その土地に対する固定資産税・都市計画税を支払う義務が生じます。
個人間の売買では、まずはこの所有権をはっきりさせなければいけません。その売主は“本物”でしょうか? 他人の所有する土地を勝手に売ろうとしている場合もあります。すでに売却した土地でも、登記名義を移していない場合もあります。登記簿謄本を法務局で取得して、土地・建物の権利関係は必ず確認しましょう。サラ金等の抵当が入っていたり、差押えなどがかかっていないかどうか、本当に売主名義の不動産なのかどうか、確認することが大切です。
個人間売買では、権利書も大事になってきます。事前に権利書があるか確認し、なければ司法書士を間に入れて「本人確認情報」という書類を作成する必要があります。
私道や計画道路等についても確認しておきましょう。場合によっては、予定していた土地の利用方法が制限される場合があります。
私道がある場合はどこまでが私道なのか確認しておきましょう。道路は隣地の人達と共有になっている場合もありますので、持分を確かめておく必要があります。道路に関しては、建築基準法上の道路に当たるかどうか市町区村役場で確認しておいた方が良いでしょう。見た目で判断することはできません。建築基準法では防災等の必要性から「建築物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない」とされているので(接道義務)、道路の有無は重要なのです。
計画道路にかかっている物件の場合は一考が必要です。土地の評価が低くなりますし、そもそも住宅地として不向きな場合もあります。また、計画道路には、すでに事業が決定しているものと計画だけ決定しているものがありますが、土地を利用する場合は共に建築上の制限がかかってきます。
個人間売買について
個人間売買が可能な物件情報はこちらをご覧ください。
ウチコミ!における個人間売買の仕組み(図解)
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。