リノベーションの注意点
ウチコミ!タイムズ編集部
2016/04/18
「勝手にリノベーション」は危険な行為
リフォームの場合は基本的に小規模な原状回復工事が中心になります。破れた壁紙を取り替えたり、傷んだ内装を直したりするだけなので、工事をする際に特に注意をすることはありません。しかし、リノベーションの場合は違います。エアコンのない部屋にエアコンを設置したり、風呂・トイレ・洗面台が一体になったユニットバスを独立させたり、大規模なグレードアップを行うのがリノベーションですが、注意していないととんでもないことになる場合があります。不動産投資を行う場合には、「この物件をリノベーションしたら魅力的になるぞ!」と思っていても、実際には工事できないこともあるのです。今回はリノベーションの注意点を確認してみましょう。
まず、エアコンを取り付ける工事を考えてみましょう。エアコンを取り付けるには、外に室外機を設置し、配管を壁に通す必要があります。壁に穴を開けるのは、専門の業者であれば難しくはありません。しかし実は、どこでも自由に穴を開けて良いわけではないのです。壁内に配線や配管が通っていれば穴を開けるわけには行きませんし、構造的に問題がある場合も同様です。間取りを変更して大きな部屋を作ろうとする場合も注意が必要です。構造的に問題が生じれば、最悪の場合は地震によって倒壊する危険性があります。万が一、倒壊で死者が出れば大家さんは「業務上過失致死罪」になるかもしれません。この場合大家さんは、不動産投資をしている“あなた”です。このためリノベーションを行う際は、建築士などの専門家によるチェックは必須と言えるでしょう。
また、リノベーションが必要になる物件というのは、大抵が築古物件であることにも注意が必要です。比較的新しい物件であれば、時代のニーズともズレがないでしょうから、リフォームすれば済むはず。リノベーションを必要とするのは、畳の部屋があったり、細かく分けた部屋を備えた物件です。現代の若者はLDKに代表されるような見晴らしの良い物件を好みますので、リノベーションしなければ供給過多の現代を勝ち抜くことは難しいでしょう。この築古物件をリノベーションして構造的欠陥が生じると、現在より構造強度で劣る古い建物に致命的な打撃を与えてしまうかもしれません。
他にも10平米を超える増築を勝手に行うと建築基準法違反になるなど、リノベーションには注意点が数多くあります。リノベーションを行う前提で物件を購入する場合は、事前に調べておいた方が良いでしょう。
この記事を書いた人
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