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「個人の売主」は必ず損をする。|値下げが続いて相場以下の価格で買い取る

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皆さんもインターネットなどのサイトで不動産の販売物件を検索した事がありますでしょう。その時に、疑問を感じた方もいらっしゃると思います。何かと言いますと…。不動産の価格の事です。

 

同じ様な地域、同じ様な環境、同じ様な条件にも係らず、物件の値段がばらばら…。こんな情報を見かけたことがあるのではないでしょうか? 基本的に、不動産の価格の決め方に規則・規制はありません。

 

極端な話、同じ分譲地の同じ、条件の隣り合った住宅であっても、一方が2000万円と言う販売価格で、もう一軒の住宅が6000万円という値段を付けていけない事はありません。ただ、2000万円が相場の地域とすれば、絶対に売れませんが…。

 

結局、購入する消費者も「1円でも安く買いたい」わけですから、割高な物件に興味は持ちません。対して「売主さんは高く売りたい」わけで、利害は全く一致しません。ただ、不動産の値段は自由に決められます。

 

ここまでの話は、良くある話です。しかし、一部の不動産業者は恐ろしい事を考え、実行しています。
個人の方が不動産を売却をする場合、現状では不動産業者に依頼(媒介契約)をしなければ売る事ができません。そこで、一般の方々は不動産業者に売却を依頼するわけですが、ここで売却する金額でちょっとした競争が起こります。

 

消費者の方は、売却を引き受けてくれる不動産業者選定のつもりで、何社かの不動産業者に見積もり依頼をします。ここまでは普通の事ですが、某大手不動産会社はかなり高額な査定を平気で出します。

 

通常の相場などよりも明らかに高い値段です。が、依頼する消費者からすれば「1円でも高く売りたい」わけですから簡単に契約(媒介契約)となります。普通で考えたら、どう考えても売れません。

 

しかし、この某大手不動産会社は契約した週からどんどん購入希望者をその住宅に案内してきます。が、販売にはいたりません。何が起きているかと言いますと、割高の物件ですから販売にはいたりませんが条件の近い購入希望者に「当て馬」として利用しているのです。

 

つまり、購入希望者に「本当に購入して欲しい物件との比較対象の為だけに使われる物件」として使われているので、一向に結果はでません。でも、沢山のお客さんを連れてきている不動産会社には、文句が言えません。そうこうする内に時間も過ぎて行きます。

 

すると、売主さん側にも売らなければいけない事情等が起きてきます。

 

例えば、転勤や親との同居や子供の学校の都合…。

 

こうなった時、購入希望者を沢山連れてきている不動産業者を責める事ができません。それどころか、売主さんはその不動産業者を信用してしまっています。売主さんがそんな事情を説明したら、不動産業者は値段を下げなければ売れない話をして来ます。

 

何度か値下げをしていくと、それこそ相場よりも安い金額になったりします。その時点になると、この某大手不動産会社は奥の手を出してきます。高い金額の時には、不動産流通機構に情報掲載していますが、安くなったら掲載しません。いわゆる情報の遮断を行います。

 

こうなると、この不動産業者以外に情報を取れる者がいない状況になります。その上で、不動産を買い取る業者(建売業者やリノベーション業者)に情報を持って行きます。この取引をすると、この不動産業者は両手取引になります。

 

もっと言ってしまえば、買い取った業者は買い取った物件を加工して、当然ですが再販売します。同じ物件ですが、この物件の媒介契約を取ったりしてまた販売ができます。それも、新築系の業者物件です。

 

高い査定金額で消費者を引きつけて、高い金額で売れなかったとしても責任を問われないような仕組みで、信用まで勝ち取り、本来なら売主さんの売却の為に使わなければいけない知恵を、自分たちの利益の為にだけ使い、挙句の果てに値段を下げさせた途端、情報を遮断して「売主さんの」機会損失まで平気で行い、最後はお決まりの買取業者に物件を卸す…。

 

売主さん媒介契約との媒介契約という立場から見ても、ほぼ詐欺行為に等しいひどさです。根拠のない高値の査定、大手だからと言う事だけで安易に頼むと大変です。

 

前回の外見的な不利さと、今回の業界内にいなければ分からない悪構造、この2つの内容から見て頂くと、「個人の売主」は必ず損をする事は、ご理解頂けたのではないでしょうか?業界構造の刷新と、早期の情報公開しか打破する手立てはありません。

 

今では自分で物件を売りに出せるウチコミ!売買REVOというサイトなどもあります。
有効に使って不動産物件の売却、購入をしてみてはいかがでしょうか?

baibai

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この記事を書いた人

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