不動産賃貸・売買における宅建の名義貸し禁止とは
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/12/09
どこかで聞いたことがあるかも知れません。「名義貸しの禁止」これは何の話かと言いますと、不動産業などを営業(開業)する場合「宅地建物取引主任者」という国家資格の免許保持者が必要になります。
つまり、不動産業を開業する為に「宅地建物取引業」の免許を申請する際に必要になる社員です。この方は、専属でこの店(事務所)に常駐していなければいけません。ここで注意なのは、この時に「宅地建物取引主任者」の免許を「気軽に」貸してしまうのは非常にまずいです。
- 実際の社員では無いのに、名前や免許番号を貸す事。
- 社員と言う形を取って名前や免許番号を貸すが、事務所には出勤しない。
- 名前や免許番号などを貸すことで報酬を貰う。
以上のように「宅地建物取引主任者」の免許を「虚偽」を使って免許を貸し出すことを「名義貸し」と言っています。もちろんこの行為は、禁止行為です。
簡単に考えていると、罰金や罰則は重いので大変な事になります。細かい規定や、使用された状況にもよりますが「3年以下の懲役又は、100万円以下の罰金」なんです。
ご存知でした?
更に、場合によっては「又は」ではなく両方が課されることがあります。今お話ししているのは、不動産業の開業の時の話でしたが、それ以外でもあります。
法令で決められているのは、不動産の営業を行うお店(事務所)の従業員、5名に対して1名以上の資格者が必要になる事と、営業するお店(事務所)ごとに専門の「宅地建物取引主任者」が必要になります。
この専門の取引主任者は「原則的に社員」という形でないといけません。専門的にいいますと「専任の取引主任者」といいます。
分かりやすくおさらいしましょう。
- 社員でもないのに「社員という形で」名前や免許番号を貸す事。
- 社員でもないのに、監督官庁(都道府県)に提出する書類等に「名前や免許番号など」を掲載する事。
- その会社の事務所などに「宅地建物取引主任者」の写真などを掲載する事。
以上のような事も「名義貸し」の範疇に入りますので、注意してください。
今回、この様なお話しをさせて頂いているのは、いろんなサイトやブログ上でもわかり易い説明があまり見つけられませんでした。法律で言えば「宅地建物取引業法の第13条」が該当していますが、法律の条文は分かりずらいですね。しかし、処罰内容は厳しいのでお話ししました。
【更なる問題点など】
「名義貸し」は、借り手も貸し手も厳しく罰されます。この事をやっていけないのはお話しして来た通りですが、貸してしまった後の危険もあります。一旦、貸してしまった「名前や免許」がどの様に使われてしまうかわからない事。これは一番怖い事です。
「宅地建物取引主任者」は、国家資格です。不動産取引に係る重要な方ですので、場合によっては「取引上の損害賠償」の危険もあります。
現在では、この様な不測の事態に備えた「損害保険」まであるのです。不動産会社の社員などは、会社負担で「損害保険」に加入している割合も増えています。軽い気持ちで「名義貸し」をして、損害保険も無に「損害賠償」などに直面したら大変です。
なにしろ、何にどう使われているのかわからないのですから・・・。この「宅地建物取引主任者」の免許は、不動産関係の仕事についている方よりも不動産関係の企業以外にお勤め、若しくは主婦・学生などの方が免許の合格率が高いのです。
この為「名義貸し」が水面下では以外に多く見受けられている様です。こんな事情も、そのような事が発生する遠因になっている様です。
そして「損害賠償」の請求と同時に「名義貸し」が発覚してしまうと大変な事になります。「そんなに簡単にばれたりしないだろう〜」なんて思う方も多いかもしれませんが、不動産関係協会や監督官庁は甘くはありません。簡単に考えて、変な事に加担しないようにしてください。
不動産会社さんを通さなくても大家さんと借主さんが出会えるサイトがあります。
ウチコミ!といいます。お部屋を貸したい大家さんとお部屋を借りたい借主さんがコミュニケーションを直接取ることが出来ます。
是非一度見てください。
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。