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退去トラブル「子どもが生まれたら退去しないといけないのか?」

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【事例4 借主さんに不利な契約解除の特約について】

 

≪借主さんの質問から≫

 

数日後に賃貸契約を予定していますが、ちょっと気になる条件があるのですが…。不動産業者さんに、説明されていますが気になるので「それは契約書に記載されているのか?」確認したところ、契約書のコピーを貰いました。

  • 子供が生まれたら、賃貸契約は解除で、1カ月以内に退去する事。
  • 貸主の事情により契約の解除をする必要が生じた場合、借主は異議なく応ずる事。
  • 貸主が1カ月でも家賃の滞納があった場合、貸主は契約を解除する事ができる事。

という条文が並んでいました。

 

あまりにも一方的な内容と思い、不動産業者に「この条文の削除」をお願いしましたが、貸主の条件なので、削除には応じられないとの事。この不動産業者を取り締まる事は出来ないのでしょうか?

 

≪法的にどうなのか?≫

 

まず、どのような条件で賃貸借の契約を結ぶのかは「契約自由の原則」から自由です。しかし、公序良俗に反するものや借地借家法に反する取決めは、無効になります。「公序良俗」とは、公の秩序や善良な風俗の事を言っています。範囲が広い話ですので、今回の件に当てはめて説明しますと・・・。

 

「子供が生まれたら契約解除」は、日本では「法律」で誰に対しても規制していない権利を拘束していますので、公序良俗に反する行為です。完全に認められません。次に「貸主の事情での解除」こちらは、借地借家法に違反する「借主に一方的に不利な特約」です。この特約は無効になります。

 

そして「1カ月でも家賃の滞納があった場合は契約解除」この文章も、確かに借主の過失ではありますが、1カ月の滞納だけでいきなり契約解除まではできません。もちろん、訴訟にすら出来ません。以上の様に、今回の話は全て法的に問題があり、従う必要はありません。

 

≪対応と考察≫

 

先ほどお話ししました通り、今回の質問については、法的には根拠も強制力もありません。ですから、そのような契約をそのままに契約を結んだとしても、おかしな特約には意味がありません。しかし、子供が生まれればトラブルになる事は十分に予測できます。

 

法的には以上の様なお話しですが、現実的には「ゆゆしき」問題が起きてきます。大家さん側は、契約書を楯に退去を迫って来るでしょうし、解決するには「退去トラブル訴訟」のような話になるでしょうし、落ち着いて住めません。

 

契約の時点で「退去トラブルを想定して契約をするか」「その特約の削除が認められない場合、契約を断念する」このように2つに一つです。更に、契約を交す前に「不動産業者」不動産業者を取り締まるのも、現実的に難しい事です。

 

現状では、これと言った解決法も無いのも事実です。この様なケースでは、上記の選択肢からご自身で考えて行動していただくしかありません。今回の様なケースは、それ程多く無いでしょうが、契約前に内容を十分に確認して、出来る対応を先に行い契約をしてください。

 

大家さん側も「特約の作り方」には注意をしてください。思わぬ退去トラブル「訴訟・損害賠償」などの種になる事があります。

 

貸主も借主も気持ちよく良い関係を続けたいものです。

部屋を貸したい人、部屋を借りたい人が集まり、コミュニケーションをしているサイトがあります。ウチコミ!と言います。借主さんも貸主さんも一度覗いてみてはいかがでしょうか?

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