賃貸オーナーが物件取得について不動産業界で知っておくこと
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/09/30
賃貸オーナーが賃貸経営で重要な事はたくさんあります。賃貸収入の事。入居者募集の事。建物の維持管理の事。数え上げれば、それこそキリがありません。ここで挙げた要件も、もちろん大切です。ですが、一般の方々がなかなか知る事ができない大切な事がもう一つあります。
それが今回の題名にもなっている「不動産業界の構造の話」です。その業界構造に問題があるので、賃貸経営を考えるにはこの事を理解していた方が圧倒的に有利です。
【不動産業界の構造】
例えば、電化製品や自動車の業界の場合、生産者(売主)が誰かなんて、分からない事は絶対にありません。そして、その商品をどこのお店・量販店で買おうと消費者の自由です。
同じ系列のディーラーを何軒回っても、○○電気で見積もって、△△電気で買っても、どのお店も文句なんか言ってきませんし、商品も○○という車だとしたら、買う店によって性能や出来が違うなんてありえません。ネットで検索すれば、ほとんどの商品の情報が自由に見られます。
なんでこんな事を言っているかと言いますと、不動産業界は未だに消費者に開かれた業態を持ちません。売主や貸主が直接販売や募集をしない限り、仲介業者の募集広告などに頼るほか無く、一般の消費者が売主や貸主を探すことは、ほぼ不可能です。良く考えると、これも変ですよね。
売主や貸主が直接販売や募集をしていれば、他の業種とかわりませんが、不動産業界の場合、消費者が現状で、売主や貸主が直接販売・募集をする手立てが大きく制限されています。不動産業の営業をする為には、ほかの業界にない「宅地建物取引免許」が必要になります。その免許が無くても唯一出来る事は、賃貸住宅の貸主という立場だけです。
その他の「売主・仲介・契約など」は、免許や資格が無いと出来ない訳です。貸主と言う立場で営業はできますが、契約書の作成・説明は「宅地建物取引主任者」の資格がいります。
現在の不動産業界の「物件登録サイト:レインズ」と呼ばれる流通機構サイトを利用できないと不動産営業が成り立ちませんが、このサイトも不動産業の免許が無いと加入できません。と言う事は、不動産業界の営業の根幹部分で、一般消費者と不動産業者の間の情報やシステムに意図的に線引きがされてるという事なんです。
このレインズというシステムは、売買物件も賃貸物件も日本全国の情報が掲載できるようになっています。つまり、東京の不動産業者でも、北海道の不動産業者とほぼ同じ分量の情報が検索できます。もちろん、情報の掲載元が何処かもわかります。ですが、地域事情や土地勘・相場が分かりませんから、取り扱う業者はあまりいません。
その上、一般消費者に公開されていない情報ですから、消費者からの問合せに「どの様に対応しても」消費者には、全く分からないでしょう。まだあります。
このサイトに物件を登録しないといけませんが、歴とした罰則も行われていませんし、取締り自体もほぼ無いような有様です。たまに、お取り物件掲載で取締られているのは、一般消費者が見ているポータルサイトで、「見せしめ的な意味合い」の取締りです。
皆さんも「未公開物件」なんて聞いたことがありませんか?まさに、この事です。未公開物件がある事がおかしいんです。
あなた(賃貸物件オーナー)が依頼主だとして、売却や募集の依頼をした不動産業者が、勝手に「未公開物件」です。なんていって流通機構サイトに掲載しないで営業していたとしたら…?あなた(賃貸物件オーナー)にとっては「機会損失」「時間の浪費」以外の何物でもありません。それでも、流通機構サイトは不動産業者にしか見る事が出来ませんので、確認のしようもありません。
ここまで見て頂いただけでも、何かを感じませんか?
この業界は「不動産業者」を介在しなければ、何も出来ないように作られてる事がみえてきませんか?
この事すら、世間に明かさないようにしていますので「えっ!!」って思った方もいるのではないでしょうか。結果「不動産業界の構造」=「業界ぐるみの囲い込みシステム」恐ろしい話ですが、本当です。
今までに、こんな事に出会っている賃貸物件オーナーもいるのではないでしょうか?次回は、その事例をお話しして行きます。
不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。
大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。
所有されている物件の募集をかけることが可能です。大家さんであれば是非一度見てください。
この記事を書いた人
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