分かりやすい住宅ローンの話!?その2
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/05/07
昨日の続きになります。昨日のお話しで、基本的な内容は大体おわかり頂けたと思います。しかし、まだ知っておいて欲しい事が幾つかあります。
①昨日の基本的な条件についての補足
~住宅ローン借入の為の審査は、昨日説明した様に一定の基準が作られていますが、もちろん例外というものもあります。
例えば、勤続年数が3年未満であったりしても、勤めている企業の会社規模、会社の評価や本人の役職、収入などによっては例外的な対応を取ってくれる場合があったり…。いろいろな場面で、銀行にとって都合のいい例外があったりするのも事実です。ただ、この辺りの微妙な判定は一般の消費者の方には、とても難しい事なので、経験豊富な信用できる不動産屋さんに相談しましょう。
銀行などの金融機関に相談するのも、手段として確かにありますが銀行さんの場合、責任問題などになる事を嫌いますから、実際に即したような回答を得るのは難しいと思います。
経験豊富な不動産屋さんでしたら、過去の取引事例や多くの経験を持っていますので、本当に消費者が求める様な情報を持っています。実際に、金融機関は星の数ほどありますが、全ての金融機関同じ基準だけで住宅ローンの審査をしている訳ではありません。例えば、自営業関係の仕事をしている方には○○銀行が有利であるとか、派遣業務の方でも△△銀行がいいとか…。そんな情報も持っていたりします。他にも知ってもらいたい事があります。
②住宅ローンの審査前後で、やってはいけない事
~代表的な2例をお話しします。
①離職・転職など
~これはいけません。住宅ローンの審査基準の大切な項目になりますし、審査の申込を開始した時点で「今の会社に勤めている事」が大前提でローンを貸してくれる話になりますから、最低でも不動産取引の完了まで(銀行からお金を借りて、不動産引渡を受ける所まで)は、離職・転職などを絶対にやってはいけません。
どうなるかと言いますと、銀行との間でもお金を借りる「契約」を取り交わすので、契約条件違反となり最悪の場合、解除されます。という事は、「恐怖のローン金額一括返済!!」もありえます。中には、転職などの予定がある方や、諸所の事情がある方もいる事は十分にわかります。しかし、住宅購入を決意した何らかの事情もあるのだと思います。
そこで、ちょっと考えてください。住宅を買いたいけど、転職もしたい…。この場合、住宅ローンの基準に勤務年数、会社等が含まれますから転職を先にすると、住宅購入は最短でも1年以上先にならないと購入出来なくなります。逆に、住宅購入を全て終わってからでしたら、規制はほぼありません。それはそうです。不動産の取引自体が全て終わった後まで、個人の権利(転職など)を縛る事など出来る訳がありません。その様な方は、順番を間違えずにやりましょう。
但し、その転職がもとで住宅ローンの支払い状況が悪くなったりなどは、完全に「自己責任」ですから注意してくださいね。
②住宅ローンの審査前後での大きな買い物
~たまにいらっしゃいますが、これもダメです。良く聞くのが、クルマですね。住宅購入で、いろんな判断や慣れない手続きなどが一段落すると「せっかくだから、クルマも買い換えよう!」なんて気持ちになって軽い気持ちで、マイカーローン…。銀行さんは、金融機関ですからお客さんのクレジットなどの金融情報まで、当然しらべます。
まず間違いなく、審査金融機関の知るところとなり、審査に影響します。収入が十分に高くて余裕のある方や、現金で購入した方は別として銀行の審査基準(収入と返済金額)に抵触してしまえば、審査は中止で「住宅ローン貸し出し否決」となってしまいます。因みに、銀行の審査には上記の様に収入に対する返済金額の上限をしっかりと設けていて、その範囲に収まらなければ貸してくれません。
簡単に説明しますと、現在の住宅ローンの金利などは、変動金利で、2.475%ですが審査の為の金利は、3.5%~4.0%というカナリ高い金利で審査されているのです。
つまり、年収400万円の方に貸し出せる住宅ローンの金額は、金利3.5%で計算すると・・・約2750万円が限度とされます。金利4%で計算すると・・・約2640万円が限度とされます。
金利どうりであるならば、本来は、金利2.475%で・・・約3270万円が借りられるハズです。要するに、ある程度の金利上昇があったとしても、支払えるように厳しめの基準をもうけて審査をしているわけなんです。これが、「金融機関の審査基準金利」です。
この金利は、優遇金利を受けられる人でも、固定金利を使う人でも関係なく審査の段階で使われますから、ある意味平等に厳しいです。こんな厳しい審査の中で、大きな買い物は 致命的 です。
しかし、この件も①の話と同じで、不動産の取引が全て完了してからでしたら、問題はありません。しばらく我慢しましょう。ここまでお話しして来た様に、住宅ローンの審査は「一大事業」です。簡単な気持ちで大変な事にならない様に気を付けてください。
もう一つだけ、補足のお話をします。
~それは、住宅ローンの審査を受ける年齢の事です。どうゆうお話しかと言いますと、年齢が高くなれば高くなるほど
審査の基準が厳しくなり、年収が比較的高い方でも借りられる限度額が低くなってしまうシステムになっているという事です。基本的に、住宅ローンは完済年齢が決められていますから、その完済年齢が近づくほど返済期間が制限されてしまいます。
例えば、35歳の方なら70歳まで35年ありますから35年のローンが組めますし、審査も35年支払いで審査してもらえます。しかし、50歳の方になると、70歳まで20年になりますから、当然20年のローンが上限となり、20年支払いで審査されます。
どのくらい違うかと言いますと35歳の方で年収400万円でしたら、上記の様に金利4%で・・・約2640万円まで!
50歳の方で年収400万円でしたら金利4%で・・・約1920万円が上限となりそれ以降年齢が上がるごとに金額は減っていくシステムになっています。金利が安い今でさえこの状況ですから、40歳を過ぎて住宅購入を考えている方は、注意が必要です。とにかく、住宅ローンは難しい側面を持っていますので、簡単に考えていると思わぬ落とし穴が…。
やはり、あなたの味方になってくれる相談者は絶対必要だと思います。少しでも多くの情報を知って頂くことは絶対に役に立つと思います。次回は、不動産市況の話をしたいと思います。
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この記事を書いた人
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