中古住宅を購入する際の注意! その3
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/04/06
前回の続きです。土地の境界の話が長くなりましたが、土地の部分では一番大切ですし、問題が起こってからでは解決も難しい話なので、絶対実行して頂きたいです。
前回のお話しについては、不動産業者さんでもかなりの経験や知識を持っていないと解決できません。現状でのその土地の近隣関係が深くかかわってきますから、場合によっては問題解決ができず、購入を諦めなければいけない様なケースだってあるのですから…。そんな物件をわからずに買ってしまったら…。(恐) 誰かにお任せ! だけではいけませんね。
今日のお話は、道路についての話になります。何の道路?と言う方が多いと思います。これも、説明するのも、理解して頂くのも大変なんですが皆さんがいつも目にしている、利用している道路とは若干、意味合いが違います。
■どうちがうのか?
~不動産に関係する道路と言いますのは、対象の土地に建物を建築するための、「建築基準法」という法律で定められた一定の基準に基づいた道路の事を言います。どんな基準なのか?
~アスファルトで舗装がされていれば、いいわけではありません。原則として、幅は4m以上で、建築基準法に定められた名前を持っていなければいけないと定められています。更に、その道路に最低2m以上の間口で接していないと建物を建てるための 建築確認が下りません。建物が建てられないような道路ってあるの?
~意外と沢山あります。残念ながら…。
事例でご説明したいのですが、ケースが多すぎて、難しい話になってしまうので、割と簡単な例をお話しします。不動産の販売図面などに 「再建築は出来ません」 などと記載されている販売物件があります。その物件は、本当のところ再建築が出来るかどうかは別にして基本的な 「道路の条件」 が何処か不備がある物件です。例えば、建築地準法で定められた道路自体に接していないとか接してはいるが、間口が足りないとか基本的な要件に問題を抱えているわけです。
このケースの物件は、全て買ってはいけないわけではありません。ただ、ものによっては土地として、致命的な欠陥を持っている場合もありますから、経験値や知識の豊富な不動産屋さんに手伝ってもらわなければ、危険満載です。出来れば、セカンドオピニオン的なお手伝いをお願いできる専門家(不動産関係の方)にも手伝っていただくのをお勧めします。決して、自分一人で簡単な気持ちで取引して、良い結果なんて考えてはいけません。
~どんな目に合ってしまう可能性があるの?
一番わかりやすいのは、どうやっても再建築が出来ない事。違法建築やリフォームと銘打って、ほぼ建替えに近い事は出来ない事もありませんが、その住宅を売ろうとすると、売れません。不動産の購入には、現在90%以上の方が 「銀行の住宅ローン」を使うわけですが、違法度が高い物件に銀行さんは融資をしません。世の中も、コンプライアンスが厳しいですから、お話しした形だとほぼ、無理と思われます。と言う事は、現金で買ってくれる方で、先ほどの「再建築不可」を気にしない方のみ…。という結果です。
更に、条件的に非常に厳しいデメリットを持った物件ですから金額的に、かなり厳しく叩かれるでしょう。あくまでも、仮に売れた場合の話です。感のいい方はお分かりと思いますが、90%の方が買えないわけですから、正直売れる方が珍しい。物件の条件にもよりますが、かなりひどい目に会う物件も沢山あります。
■反対に、大丈夫な物件はどう見るの?
~これは簡単です。「建築基準法 第42条〇項△号道路」と言う名前の道路に間口が2m以上接していればOK!
但し、2mぎりぎりの物件は注意が必要です。万一、1㎜でも足りない事がわかったら、何らかの策を講じない限りやはり、再建築不可! に成っちゃいます。それと、間口2mと言いますのは、奥行きの分も全て必要ですから途中が、1.8mになってたりしても OUT! です。これも、やはり信用できる相談者が絶対必要です。
※ここまでの話でさえ、初めて聞いた~なんて方が沢山いる事だと思います。これでも、かなりわかりやすく書いたつもりですが、実際の内容はもっと難しく、分かりにくい物が多いのです。物件を選ぶ際に、相場よりもかなり安い! なんて物件を探している方は、特に注意が必要です。
実際に、口頭では「建物は建替え出来ます!」なんて営業さんに説明されて、購入してみると 重要事項説明書には再建築不可が記載されていて、泣き寝入り状態にあった方にお会いした事もあります。
因みにその方の場合、私の関係する会社で、役所と交渉を重ね無事建築できました。但し、お金と時間が当然掛りました。やはり、頼りになりそうな専門家は必須です。まだ数回続きそうです。
今では自分で物件を売りに出せるウチコミ!売買REVOというサイトなどもあります。
有効に使って不動産物件の売却、購入をしてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
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