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埋まらない空室

入居希望者がどこで引き返しているのか、調べていますか?

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イメージ/123RF

入居希望者が引き返している2つのポイント


広告がポータルサイトにちゃんと掲載されているのに、問合せが入らない。入居希望者が広告を見た時点で引き返している(興味をもってくれない)かたちです。


理由は大きく2つに分かれます。


ひとつは家賃です。高すぎるのです。似た条件の競合と比べて金額は妥当か?チェックが必要です。ただし、家賃では負けていなくとも、ライバル達は礼金無しなのに、こちらだけ設定されているといった差が影響していることもあります。調査はぜひこまめに、綿密に。


さらには、広告自体に力がないケースです。もっとも注意すべきは写真です。とりわけ、写真の量が不足している場合は問題です。写真の数が足りないため、物件の様子が隅々まで把握できないとなると、多くの入居希望者は、その物件を問合せの候補から外してしまいます。


現代の不動産広告において、写真はきわめて重要です。


物件の写真を十分に撮らず、数が足りない広告を平気でたれ流している仲介会社、管理会社は、いわばオーナーの足をひっぱる存在です。長く付き合い続けるべきパートナーではありません。


●内見はあっても申し込んでもらえない


広告に対して問合せがあり、内見にやってくる人はいるのに、申し込みをゲットできない!この場合は、当然ですが、物件に問題があることを疑わなければなりません。


このとき、決してやってはいけないこと。それは、オーナーが理由を決めてかかることです。たとえば、「1階の日の当たらない部屋だから、苦戦は当然のことだ」などと。


ところが、目下の理由は実はそれではなく、実際に部屋に入ってみると「臭い!」


原状回復時の清掃に手抜きがあったため、キッチン、換気扇に残った油汚れの匂いが部屋中に充満していたといったケースもあります。


なので、「内見はあるのに決まらない」が続いたときは、なにはともあれ物件を見に行くことです。


さらに、内見者が部屋でどんな感想を述べていたか、仲介会社や管理会社の担当者にヒアリングすることも大切です。


たとえば、「契約しているWiFiの電波が拾えないので、このお部屋は気に入ったけれど諦めるとおっしゃっていました」と、いうことであれば、物件に代わりのWiFiが引かれていれば、そのお客様はつなぎとめられていたのかもしれません。貴重な課題を拾えたことになります。


以上が、「入居希望者がどこで引き返しているのか?」を知り、その対策を立てるための重要なポイント2つです。


「広告」に問題があるのか?「物件」に問題があるのか?あるいはその両方か?


分析や判断を仲介会社・管理会社任せにせず、オーナーさん自身がしっかりとこれらを把握し、切り分けて、対策や改善に臨んでください。

オーナーからは見えない「怖い」引き返しポイント
空室が埋まらない原因をなんと、管理会社や仲介会社がつくっている怖いケースも中には存在します。


その物件への、いわゆる「客付け」の優先順位を彼らが故意に下げてしまうのです。主な理由は2つあります。


これらは、しょっちゅう起こるというものではありませんが、「そういうこともありうるのだ」と、すべてのオーナーさんが知っておくべき基本です。


●自社物件の後回しにされる


「頼れる味方と思っていたら、実は敵だった」のパターンです。


その管理会社・仲介会社が、貸主として自らも賃貸物件を所有しているため、そちらの客付けが優先されてしまうケースです。


オーナーが募集を預けた物件と、その会社の物件、「どちらがいいだろう」と、入居希望者が迷ったとき、「こちらを選ばれるなら礼金は半分おまけします」などと、自らが家賃をもらえる方に誘導してしまいます。


オーナーへの裏切り行為ともいえますので、安易にこれを行う会社は少ないはずですが、事情によっては、なりふり構わってはいられなくなるのはどの会社も同じです。


●サブリース物件の後回しにされる


その管理会社・仲介会社が、サブリース事業を行っているケースでも、似た問題が発生しやすくなります。


この場合、会社は、物件の借主でもありますので、いわば毎月の支払い家賃に追われる立場です。契約上、通常は家賃保証もしていますので、空室が埋まらないとなると大変な痛手が生じます。収入ゼロ・出費のみの状態が続くわけです。


となれば、余裕のない会社や悪質な会社は、そんな物件と一般のオーナーさんが預けた物件が競合した場合、当然ですが、前者の客付けを優先することになるでしょう。

空室が埋まらない原因はオーナーにあった!?


最後に、実は意外とよくあるケースです。


日頃からの横柄な態度。


「空室が埋まらないのはお前達の工夫が足りないからだ」と、担当者に対して逆ギレ。


「不動産屋なんてどうせいいかげんなもんだ」と、上から目線。


そんなオーナーの物件を他に優先して入居者希望者に紹介しようと努力してくれる担当者など、まずいません。


なぜならば、人として気分が悪いだけでなく、そういうオーナーは、入居者に対しても、彼らを客と思わず見下す可能性が高いからです。


ある物件の例です。敷地にきれいな桜が咲いています。仲介会社の担当者が「入居者さんに喜んでいただけますね」と、声をかけたところ、オーナーさん突然怖い顔で、


「とんでもない。ガサツな若い人とか、入居者に立ち入られるのが嫌なので、物件とこちらの敷地の間にはフェンスを立てているんです。契約書にも侵入厳禁と書いてください。それと、物件の周りで話し声を立てるのも禁止ということで」


その結果、この物件については「取り扱い注意」が、業者間の口頭申し送り事項になってしまいました。


「この物件の大家さん、かなりウルサい人なんですが、いいですか?」と窓口で問われ、それでも内見したいという入居希望者さんは…?まずいません。


(文/朝倉継道 画像/123RF)

 

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この記事を書いた人

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。

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