イケアのアイテムを使ったホームステージングの魅力は何か
ウチコミ!タイムズ編集部
2024/03/03
ホームステージングをやりたいけれど、何をそろえればいいのか分からない、上手なコーディネートができない、などと悩むオーナーも多いだろう。そこで今回、ウチコミ!では、北欧スウェーデン発祥の家具メーカーイケアとともに、オーナーに向けたステージングパッケージ「ホームステージングセット~イケアエディション~」を開発。自身のホームステージングにイケアのアイテムもよく使用しているという湯上うらら氏とイケア・ジャパンでインテリアプランナーを務める岡本宗大氏に、パッケージのメリットや使い方、ホームステージングのポイントなどについて語ってもらった。
イケアを選ぶ理由
先進的な取り組み
──うららさんは、ホームステージングにイケアのアイテムをよく利用されています。どのような点に魅力やメリットを感じていますか。
湯上うらら氏(以下、うらら) まずは買いやすさです。賃貸物件のホームステージングでは、家賃とのバランスを考えると予算が限られてきます。どの価格帯で準備するにしても、イケアのアイテムはチョイスしやすいという点が魅力です。そしてもちろん、ほかとは差別化できるカラーやデザインのものがたくさんあり、ホームステージングに使いやすく、取り組みやすいと感じています。
──岡本さんは、うららさんのように賃貸物件のホームステージングにイケアのアイテムが使われていることに関してはご存じでしたか。
岡本宗大氏(以下、岡本) インテリアプランニングの依頼があったときにこういった案件もあるなと認識する程度でした。ホームステージング自体、賃貸業界ではまだまだポテンシャルがあり、現在すでに取り組んでいる方は先進的なのだろうという印象を受けています。
──また、うららさんのホームステージングやコーディネートについてはどのような印象を持っていますか。
岡本 イケアのアイテムを使っていただいているのを見て、「こんな使い方があるんだ」「こういう手があるんだ」と感じることがよくあります。また、自分とはまったく違うコーディネートをしている様子を見ると、おもしろいなと思うと同時に、私自身の勉強にもなっています。うららさんが提案している「ホームステージング 7つの神器」はキャッチ―ですし、それに加えて具体的なやり方までフォローされていることは、ホームステージングの啓蒙活動にもつながり、とてもすばらしい取り組みだなと思っています。
イケア・ジャパン株式会社
Home Furnishing Interior Planner
岡本 宗大(おかもと むねひろ)
2011年イケア・ジャパン入社。ビジュアルマーチャンダイザーとして売り場のディスプレイ製作や商品コーディネートを中心に、ターゲットや季節に合わせたインテリアの提案に携わる。
現在は法人向けのインテリアプランナーとして、住宅やオフィス・商業施設など幅広い分野のプランニングを行っている。
解体・コンパクトが
家具を選ぶ鍵になる
──ウチコミ!ホームステージングセット イケア・エディションの開発については、一般社団法人日本ホームステージング協会のアンバサダーも務めるうららさんのご意見も反映されています。ホームステージャーでもあり大家さんでもあるうららさんから見て、どのような感想を持ちましたか。
うらら まとまり感やおしゃれ感があってとても素敵だと思います。なにより、ベッドが入っているプランはシングル用のお部屋には必須です。ちなみに岡本さん、このベッドは解体することはできるんですか。
岡本 それほど手間をかけずに解体することができます。解体後は、スキー板を入れているような箱のサイズに収めることができます。
うらら それなら、軽自動車にも入るサイズですよね。賃貸物件のホームステージングでは、同じアイテムを何度も組み立てたり解体・撤収したりするので、コンパクトにまとめられるかどうかは重要な点なんです。
岡本 コンパクトかどうかは、大切ですよね。イケアのアイテムのデザインは、パッケージにも反映されています。そのため、1つのコンテナに何個商品が乗るか、パッケージがいかに小さくなるかという点についても、デザイナーは考えて作っているんです。その点が、意外にも今回のホームステージングに生かされました。ちなみに、ジグザグにたためるマットレスもイケアにはあるんですよ。
うらら それも使えそう! ただ、ベッドは大きな家具になるので、マットレスがなくてもカバーや薄い布団などがあれば、ふわっと感を出すことができるんです。こういったことも大家さん仲間にはよく伝えています。
──クッションや観葉植物、カーテン、そのほかさまざまな小物がプランにはパッケージされています。気になるアイテムはありますか。
うらら ホームステージングにはカーテンも大切なのですが、問題は窓のサイズが物件によって違うこと。同じカーテンを使い回すのが難しいこともあるんです。
岡本 今回のプランでは、フック クリップ付きのカーテンをパッケージに入れています。窓のサイズに合わせて、カーテンレールに折り込むような形でサイズを合わせることが可能なんです。
うらら 同じカーテンを違うサイズの窓に自由に使い回せるのはいいアイデアですね! それから、入居者募集のためのお部屋の写真は明るいことが重要。今回のプランは、照明やクッション、観葉植物、テーブルなど、色のバランスも素敵で、きっと写真映えすると思います。
湯上 うらら(ゆかみ うらら)
北海道出身。株式会社リクルート、スペイン語教室の運営事務や日本語教師などを経て、賃貸経営の知識ゼロの状態で、2020年から大家業をスタート。10棟104室を所有。一般社団法人日本ホームステージング協会公認アンバサダー、および講師。ホームステージャー1級。Instagramを中心に発信し、独自の賃貸ホームステージングや空室対策のオンラインセミナーを開講。
賃貸×インテリア
さらなる発展を
──うららさんとイケアは一緒にセミナーなども開催しています。岡本さんは、これからのうららさんや賃貸業界全体のホームステージングにどのような発展を期待しますか。
岡本 賃貸物件でホームステージングをしている方はまだ少ないと思いますが、ホームステージングをした方がいい物件はたくさんあると思います。そのため、うららさんのようにホームステージングを広げていくことは大切なのではないでしょうか。その際、「イケアのアイテムならこんなコーディネートができる、こんなメリットがある」といったことも多くの大家さんに発信していただきたいなと思います。それは、イケアのアイテムをアピールしたいというだけでなく、イケアのスタッフも新しい発見ができるからです。その発見のもと、みなさんにより喜んでいただける商品の開発や提供ができるのではないかと考えています。
──うららさんは、これからのイケアに期待することはありますか。
うらら 不動産のオーナーは全国規模で事業をしている方も多くいます。イケアさんも日本の主要な都市で展開されているので、今回のステージングパッケージのような企画を今後も考えていただければ、日本全国の大家さんの心強い味方になるはずです。わがままをいえば、お部屋のコーディネートの方法や写真の撮り方などHOW TOの部分までサポートしていただけるようになったら、もっとうれしいなと思っています。
──賃貸物件のホームステージングの必要性を多くの大家さんに知っていただき、賃貸業界が盛り上がっていくよう、ウチコミ!としてもさまざまなサポートをしていきたいと考えています。ありがとうございました。
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この記事を書いた人
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