孤独死への手厚い補償と手数料収入 これからの火災保険はオーナー自身が選択するべき
ウチコミ!タイムズ編集部
2024/02/01
ユーミーLA少額短期保険株式会社 代表取締役 大島 浩司さん
入居者が加入する火災保険の選択について、オーナーは管理会社に任せきりにしていないだろうか。単身高齢者や孤独死の増加など、賃貸業界の事情は大きく変化している。万が一のとき、補償対象になっていなかったというケースも少なくない。そのため、オーナー自身が保険を選び、補償内容を把握しておくことも必要だろう。また、ユーミーLA少額短期保険では、入居者が保険に加入することでオーナーに手数料が入る仕組みを開発した。同社の代表取締役 大島浩司氏に賃貸経営に必要な補償や同社商品の特徴を聞く。(取材・文/財部 寛子)
年齢性別問わず増える孤独死
―――近年、高齢者に限らず、孤独死は非常に増えているそうですね。
弊社が調べたところ、保険金全体の支払いに対して孤独死に関する保険金は2019年が5. 4%、それが2022年は20%と3年で約4倍にも増えています。また、孤独死された方の世代分布を見てみると、20~59歳の現役世代が約40%となっています。さらに、孤独死者の年齢別自殺者の割合では、20歳代までの女性が38.3%と全世代のなかで最も多くなっています(出典:「第7回孤独死現状レポート」日本少額短期保険協会)。つまり、孤独死リスクのほとんどが高齢者にあるとはいえないのです。
―――原状回復費用などは入居者にあらかじめ加入してもらっている保険でも、ある程度は賄うことができるのでしょうか。
孤独死が発生した状況と補償内容によっては、保険金がおりないことがあります。例えば、自殺や居室外で亡くなった場合は対象になっていない保険も少なくありません。また、遺族の方と連絡がとれるまで、あるいは相続が終わるまで保険金の請求ができないこともあります。だからこそ、オーナーご自身が補償内容を把握して保険を選び、入居者様にご案内していただくことが必要だとわれわれは考えています。
―――例えば居室内で亡くなられた場合、原状回復費用や遺品整理費用はどのくらいかかるものでしょうか。
少額短期保険協会が毎年開催している孤独死対策サミットによると、原状回復費用・遺品整理費用それぞれおよそ25万~30万円となっています。しかし、これは支払った保険金の額です。支払い上限もあるため、実際にはもっと多くの費用がかかっている可能性があります。
居室外死亡も自殺も補償
―――そういったリスクが御社の少額短期保険でカバーできるということですね。具体的な内容について教えてください。
表1の通り、古いタイプの保険では居室内の孤独死のみが補償対象となっているものが多くあります。弊社の商品は、居室内はもちろん、病院や外出先などで亡くなられた場合、さらに自殺についても、補償対象としています。孤独死に関して、非常に手厚い補償であることがこの商品の大きな特徴です。
(表1)補償範囲の比較図
―――表1に記載されている「大家様からの直接請求」という点についても教えてください。
特に居室内で亡くなられた場合は、クリーニングや遺品整理などなるべく早い対応が必要になります。それらにかかる費用についても保険金の支払いが早く行われれば、オーナー様の負担が減ることになるでしょう。しかし、これまでは相続人が相続を確定するまで支払いができなかったケースもあり、支払いまでにかなりの時間を要することがありました。この点について弊社の商品は、相続を待つことなく、オーナー様から直接保険金請求ができる約款へと変更させていだきました。
―――孤独死の場合、保険金はどのくらい支払われるのでしょうか。
原状回復費用と遺品整理費用を合計して100万円が上限となっています。この場合の原状回復費用は孤独死における費用であるため、居室外で亡くなられた場合は遺品整理費用のみの補償となります。保険商品のなかには、原状回復費用が50万円まで、遺品整理費用が50万円までなどとそれぞれに上限が定められているものもあります。夏場に居室内で孤独死され、発見までに時間がかかった場合には、かなりの原状回復費用がかかりますが、それでも50万円までしか補償されないということになります。そういった点も考慮し、弊社では補償額を合わせて100万円としています。そのため、原状回復に大きな費用がかかった場合にも、あるいは居室外で亡くなって遺品整理のみに費用がかかった場合にも、融通を利かせたお支払いができると思います。
―――もちろん、孤独死以外の補償についてもカバーされていますよね。
もちろんです。家財補償(自然災害等)・修理費用補償・賠償責任補償など、入居者にとって必要な補償に加え、賃貸住宅でのさまざまなリスクに備える補償内容となっています。
手数料収入で利回りの向上も
―――もうひとつ、御社の商品の大きな特徴が、オーナーが手数料収入も得られることですね。
オーナー様が入居希望者様に弊社の保険商品を紹介し、入居希望者様が加入すれば、手数料をオーナー様にお支払いします。また、保険の更新時にも手数料をお支払いします。
―――オーナーは保険代理店のような業務をする必要があるのでしょうか。
いいえ。インターネット通販のショップ内で保険の説明と保険料の領収を行いますので、オーナー様はQRコードが記載されたチラシを入居希望者様に配布するだけです。オーナー様の手間や費用、面倒な手続きなどは一切必要ありません。
―――賃貸経営におけるリスクをしっかりカバーでき、さらに手数料収入で利回りの向上にもつながる保険というわけですね。
ウチコミ!のオーナー様は入居希望者と直接やりとりしたり、自主管理されたりする方が多いと伺っています。これからは、保険に関してもオーナーご自身がしっかりと研究し、安定した賃貸経営に生かしていただきたいと思います。また、今回の少額短期保険の詳細については、ウチコミ! のサイトのマイページからもご確認いただけます。入居者様にとってもオーナー様にとっても、本当に必要な保険の選択についてぜひご検討ください。
<プロフィール>
ユーミーLA少額短期保険株式会社
東日本大震災をきっかけに、「被災者向けの家財保険」「被災地の雇用創出」にも貢献できるような事業を立ち上げたいとの思いから、2014年1月から宮城県仙台市を拠点に営業をスタート。2016年、入居者第一主義を掲げ、「ユーミーマンション」を全国に展開するユーミーコーポレーション株式会社の完全子会社となる。入居者の安心した生活、 賃貸オーナーの安定経営の実現に向け、賃貸経営に特化した少額短期保険を主に提供する。
東京本部:東京都新宿区西新宿8-14-21 双英ビル5階 03-5937-5014
この記事を書いた人
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