不動産の契約書1|重要事項説明書
ウチコミ!タイムズ編集部
2015/02/27
不動産の取引には必ず使われる書面がいくつかあります。書面と言いましても、A4サイズの紙一枚などと言う簡単な物ではありません。
記載されている内容も、一般の方には まず初見で理解できるような内容でもありません。勿論内容が理解できればそれに越したことはないのですが、そこまでの専門知識を 購入する方が勉強したりする事よりも 「何の目的で、誰の為に、どの様なルールで」 などを明確に理解していただいた方が現実的にも、理にかなっていると思います。
今回は、この書面の役割、目的、効果などの大枠のお話をいたします。
1 重要事項説明書 (じゅうようじこうせつめいしょ)
いかめしい名前が出てきましたが、この書面は 不動産の売買契約の前に必ずでてくる書面です。 この書面は「宅地建物取引業法の第35条」 に規定された書面です。
※ 宅地建物取引業法とは、民法から派生した特別法です。不動産の取引で扱われる商品が、高額で複雑な為 民法だけではカバーしきれずに、その不動産取引専用の法律が作られました。この法律の事を言います。
この書面は、宅地建物取引業法で 「売買契約の前に 宅地建物取引主任者 によって十分に説明をして、その証として説明に使用した重要事項説明書 を買主さんに交付する事が法律で義務付けられている」ものです。
尚、重要事項説明書に記載された内容は 実は全て 宅地建物取引業法で定められた内容です。 不動産業者によってその書式はいろいろ違いますが、内容自体は記載される順番以外、ほとんど大きな差はありません。
更に、記載内容を法律で決めているのですから、いい加減な内容が載せられる訳はありません。 重要事項説明書には、必ず 添付書類が付いてきます。
添付書類は・・・登記簿謄本・公図・地積測量図・道路台帳(写)・都市計画情報(写)などたくさんあります。(全ての資料が絶対必要ではかならずしもありません)この添付資料が 重要事項説明書 の裏付け資料にもなります。
書面としては結構厳しい規制下に置かれたものです。
そして、この書面を作成して説明した業者(会社)は、その説明責任を負う事になります。更にもう一つ、重要事項説明書に載せる内容で、買主さんに一方的に不利な条件・条文は、売主さんが不動産業者の場合・・・無効となります。売主さんが一般の方の場合は適用されませんので、注意してください。
上の記述からお分かりいただける通り、書面自体は 購入する方の権利を保護する目的で作られていると思っていただいて大丈夫です。
ただ、上の記述と全く違う対応・・・・。
- 例えば、重要事項説明書を交付されなっかた・・・。
- 宅地建物取引主任者が説明しなかった・・・・。
- 売買契約のあとで、説明もなく交付された・・・・。
- 添付書類がなにもなかった・・・・。
と言う様な事があったら十分な注意が必要です。
相談したい場合、東京都なら東京都庁、県なら各県庁に相談窓口があります。早めに相談しましょう。不動産の取引の監督官庁は都庁・県庁などです。監督官庁は、宅地建物取引業法に基づき悪質な業者などに厳しい処分・命令ができるので、皆さんが思っている以上に効果もあります。ちょっと安心してください。
手続き通りに工程が進み、必要書類がキチンとあり、業者の対応もキチンとしていれば この内容を理解しているかたなら、かなりの危険と手間から解放されるのではないですか?重要事項説明書 は買主さん自身の為に作られるものです。
自分でご覧になった物件を思い浮かべながら、説明を聞いていただくだけでも理解できる内容が少し違ってくると思います。
以下次回に続きます。意見、要望等ございましたらお気軽にどうぞ。
今では自分で物件を売りに出せるウチコミ!売買REVOというサイトなどもあります。
有効に使って不動産物件の売却、購入をしてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
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