サブリース・保証会社で家賃滞納トラブルが防げるのか
ウチコミ!タイムズ編集部
2015/02/07
■家賃保証の内容と効果について
不動産会社や法人で賃貸経営している賃貸物件で最近多いのが「家賃保証」を取り入れた賃貸経営です。賃貸契約と同時に「保証会社」の審査を受けて(借主)、保証契約を結び、家賃の支払いについても口座振替などで保証会社に引き落とされて、保証会社から大家さんに振込まれる形で運用されます。
保証会社は、借主の支払う家賃が期日通りに入金されなくても、大家さんには決められた期日に入金を行います。そして、入金されていない家賃の回収作業を行います。回収作業と言いましても、一昔前の「債権回収や取立てトラブル」の様なすごい事を行う業者は、さすがにいません。ただ、淡々と連絡などを続けて回収していきます。
滞納している借主にとっても、入金するまで追われますから効果はあります。あまり無視をつづけると「ブラックリスト」の心配もありますから…。
ここまでの内容ですと、大家さんにとっては「手間もかからず・費用もかからない」いい事づくめに見えますが、長所と短所も整理してみると〜
長所:家賃滞納の処理を全部行ってくれる。
滞納があったとしても、家賃が振込まれる。
費用が掛からない。(現在は、借主が負担する事となっていますが、この先もそのままかは分かりません。つまり、保証自体の最大の利益享受者は大家さんなので…。)
滞納にかかわる損害も、一定額補填される。
短所:保証料の費用負担は、現在は借主。つまり、借主の負担は増える。
滞納家賃については、上限金額がある。つまり、一定額以上の滞納金については対応しない。
保証会社も法人ですので、倒産などのリスクはあります。
そして、一番問題なのが「本当に酷い滞納トラブル」案件の場合「問題を解決するという柔軟な対応」を求めても、保証会社は家賃の回収のみを続けて行きます。(そうゆう契約ですので、間違ってはいません)すると、拗れるだけ拗れて、自分の手に戻ってきてしまう。
そう多くはないでしょうが、大家さんが早い時点で対応して大きな問題になる前に解決する事は出来なくなるものも出る。という事です。
例えば、まだ大きな滞納になっていないうちに、借主さんと話をして、相手の事情から家賃が高いような問題になるのなら、他の家賃の安い物件に移ってもらう話をしてみる。
滞納額自体が少ないうちなら、借主がその時点で捻出しなければいけない金額もすくないので、可能性の幅もあるでしょう。いずれにしても、放置されていれば「まだ大丈夫か」と安易な気持ちではダメな事が伝わります。十分に「トラブルの芽」を摘むことにはなります。
保証会社は、選択としては悪いわけではありませんが、小さな問題には絶大な力を感じさせます。他方、大きな問題や問題を大きく育ててしまう側面は、利用者が理解をしていないといけないです。
家賃保証については、期待できる効果は十分にありますが、この内容を十分に理解して利用ください。
■サブリースの内容と効果について
まず、「サブリース」とはなにか?
簡単に説明しますと、賃貸物件を不動産会社や投資会社に借りてもらい、その会社が賃貸運用をするやり方です。大家さんが物件を所有しているんですが、貸主は、その会社になるります。つまり、また貸しの形態です。
サブリースの大家さんのメリットは、物件に実際に入居者が、居ようが居まいが契約した家賃はなんの影響も受けず入って来る事。当然、空き住戸の心配や入居者探しで苦労する事もありません。勿論、入居者の契約やらもろもろの手続き、事務もお任せです。
ここまでの話だけですと、夢の様な感じを受けます。でも、世の中あまくありません。長所があれば短所もあります。
短所は、サブリースの会社が受取る家賃がそのまま大家さんに渡されることはありません。サブリースの契約で、何パーセントが大家さんに支払われるか決まっています。また、この家賃の何パーセントかは、会社によって基準や計算方法も違いますので、一概に幾らぐらいとも言えません。
現在の平均的なデータから、サブリース会社の受取る家賃の大体60〜70%ぐらいの様です。残りが、サブリース会社の収入になる訳です。そして、この先はサブリース会社との「契約」内容によりマチマチですが、このサブリース契約を継続するか、しないかはサブリース会社の考えや経営で左右されるという事。
言い方が悪いかもしれませんが、いつ放り出されて全てを大家さんが自身でやらなければならなくなるか不透明な部分があります。サブリース契約により違いはありますが、賃貸住宅の補修や改修の責任は大家さんにあります。
ですので、大家さんとしての仕事を省いた分、サブリース会社にお金を払っているのと変わらないですね。契約内容をよく見て、契約してください。
サブリース会社も、会社ですので利益の出ない事を手伝ってくれるわけなどありません。何年も任せっきりにしていた賃貸住宅が、ある日突然、改修しないと入居者が入れない状況で戻ってきた。なんて事がないわけではありません。
中身をよく理解して、準備する事、注意する事をした上で採用しましょう。
不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。
大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。
所有されている物件の募集をかけることが可能です。大家さんであれば是非一度見てください。
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。