法務省による「供託手続き」とは?
ウチコミ!タイムズ編集部
2015/02/06
【法務省の「供託手続き」について】
お話ししました、サポートしてくれる制度がこれです。
まずは、どの様なシステムかと言いますと、賃貸住宅の場合「家賃交渉や契約更新」の交渉中に貸主側から「交渉には応じない」や「こちらの要求を受け入れないなら退去しろ」「要求通りにしないなら家賃を受取らない」などという状態に陥ってしまうと、借主さん側は「どうすればいいのかわからない」事があります。
相手がどうあれ、借主さん側として家賃を払わなければ・・・家賃滞納に陥ります。借主さん側に支払いの意志があっても、貸主さん側が受取らない・・・。ある意味、どんどん借主さんの立場や状況だけ悪くされてしまいます。そんな時に使えるのが、この「供託手続き」です。
1 どんな事をするのか?
貸主さんが「家賃を受け取ってくれない」場合に「貸主の代わりに法務局が預かってくれる」システムです。どの様に、何処に預ければいいかは、お近くの法務局にお問い合わせください。借主さんが直接「法務局」に行く必要がありますが、手続きの上「家賃など」を預かってくれます。
2 どんな効果があるのか?
家賃などを預ける際に経緯を申告しますので、そのお金が「何なのか」法務局側でははっきりとわかります。貸主さんが「受け取っていない若しくは受取らない」金銭であっても、支払っている事と同等の効果を認めてくれます。
その上、金銭を受け取らないなどする貸主に「供託の事実」を通知してくれます
3 そしてどうなるのか?
法務局から供託の通知を受け取った貸主さんは、供託所に出向いてお金を受取るか、訴訟等にするかを選択するしかありません。貸主さんが供託所の供託金を受取った場合は家賃の値上げで揉めていた場合、値上げを断念した事になりますし、契約更新の拒絶をしていた場合であれば、契約の更新を認めたことになります。
貸主さんがそれでも納得しない場合、訴訟等に発展する可能性があります。その場合は、その訴訟に応じていく事になります。ただし、先ほど話したように「貸主さんが受取っていない家賃等」でも、供託されている家賃については滞納とはなりません。この部分が保証されています。
※ちょっと昔に良くあったのですが、家賃の受取を大家さんが拒否して置いて、家賃滞納の件まで持ち出して自分側を有利に交渉するような事案が、意外と沢山ありました。
こんな事をされてしまうと、借主さん側は「打つ手がありません」ね。そう言った方々を救済する為にある手続きです。
※わかり易い例でご紹介しますと・・・。
高額な値上げを要求されて、その家賃でなければ「家賃を受取らない」などと言われたような場合。相手の要求をのまなければ、家賃滞納の事態が発生してとても不利になってしまいます。そんな場合に、借主さんが「従前の家賃」を「供託」することで、滞納と言う事態が避けられます。
■法務省の供託手続きを行うにあたり注意事項
法務局に供託の手続きを行う場合「供託を行う理由」で事実と違う申告をしないようにしてください。
例えば、貸主が家賃の受け取り拒否をしていないのに「貸主が家賃を受取らない」という様な申告は、後々良い影響はありません。
最悪の場合、供託理由がウソだと「供託自体が無効」とされてしまう事があります。供託の手続きに際しては、事実と違う申告などしないようにしてください。そして、相対的な注意ですが、あくまでも交渉や話合いを基準にしてください。
供託などの手続きも用意されていますが、どちらかと言えば「波風を立たせる」ような手続きとも取れます。
「相手が聞く耳を持たない」「一方的な要求」「解約などをちらつかせてくる」という様な、通常の話合いが通用しない場合に行うようにしましょう。そして、出来れば「こういった手続きや処置に詳しい専門家」などに相談や助言を求めて計画的に行いましょう。
また、貸主さん側についても「供託されている通知」が届いた場合、供託された家賃を長い期間放置するのは危険です。供託された家賃などは、供託した借主本人が取り下げてしまう事も簡単に出来ますし、借主さんの関係する債権者などが差異押さえを行う場合もあります。
そのようになった場合、もはや供託金を受取る事が出来なくなってしまいます。つまり、その分の家賃などは手に入れる事が不可能となる事もあるのです。供託の通知が届きましたら、なるべく早い時期に「借主と話し合う」事と「供託金を受領する手続き」を進める事です。
こちらの受取に関しても、専門家の助言を貰いながら「間違いのない受取り」を心がけましょう。借主さんと貸主さんの利益は、根本的に相反しています。しかし、貸主さんから見ても借主さんはパートナーともいえる存在です。アパート経営には借主さんは欠かせません。
借主さんにとっても良い貸主さんはパートナーと言っても良いでしょう。持ちつ持たれつの「良い関係を構築」していただくのが最善の方法です。双方で努力をして下さい。
実際大家さんがどんな人なのか?借りる前にわかるかどうかで言えば普通ではわかりません。
しかし、はじめから大家さんに直接連絡を取ってお部屋探しをはじめる方法があります。ウチコミ!というサイトを見てみてください。お部屋を貸したい大家さんと借りたい入居希望者が集まっているサイトです。
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この記事を書いた人
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